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ラグビー コラム 2025年11月14日

「35年ぶり」「初出場」!1枠増の神奈川県決勝の行方は?第1地区「桐蔭学園×日大藤沢」。第2地区「東海大相模×関東学院六浦」。全国高校ラグビー大会(花園)

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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第105回全国高校ラグビー大会(花園)は記念大会のため、参加校が多い神奈川県からは1枠増の2チームが花園切符を手にできる。

運命の決勝2試合は11月16日(日)。舞台は今年もニッパツ三ツ沢球技場(神奈川)だ。

12時キックオフの第1地区決勝では、3大会連続23回目の出場をねらう花園2連覇中の王者「桐蔭学園高等学校」と、1983年度以来2度目の花園出場をめざす「日本大学藤沢高等学校」が激突する。

14時キックオフの第2地区決勝のカードは、勝てば3大会ぶり11回目の花園となる「東海大学付属相模高等学校」と、創部17年目で初の決勝進出を果たした「関東学院六浦高等学校」だ。

第1地区「桐蔭学園×日大藤沢」

全国3連覇を見据える「横綱」桐蔭学園。

HO堂薗尚悟主将が率いるチームは2月の新人大会は東海大相模と同点決着(14-14)。関東大会県予選決勝では26-19で東海大相模に競り勝った。

関東大会ではAブロック決勝で國學院栃木に7-50で敗れたが、春のセンバツでは決勝戦で京都成章を36-0で完封。圧巻の強さで春の全国王者となった。

PR喜瑛人やNO8足立佳樹ら全国屈指のキャリアーが揃う。2年生BK古賀啓志は身長190センチ弱の強烈なランナーで、チームOBの日本代表FB矢崎由高(早大3年)と比較される存在になる可能性がある。

2022年度にはニッパツで東海大相模に1点差(13-14)で惜敗しており、藤原秀之監督を筆頭にチームとしての経験値も豊富。チャレンジャーにとっては高い壁だ。

一方の日大藤沢。

1983年度に花園出場の経験のある古豪だが、長らく桐蔭学園、東海大相模、慶應、法政二に次ぐ中位にいる印象だった。通称「日藤」(にちふじ)のOBには、元三洋電機で1999年W杯メンバーのCTB古賀淳、元サントリーのPR元吉和中やSO/FB武井敬司(元NEC)らがいる。

しかし今年は関東大会の神奈川県予選準々決勝で、法政二を21-12で撃破。壁を越え、21年ぶりに関東大会に出場。Fブロック初戦で東京高校に12-40で敗れたものの、高崎高校(群馬)を54-7で圧倒して1勝を奪った。

迎えた花園予選では準々決勝から登場。横浜栄に76-7で大勝すると、準決勝では横浜修悠館横須賀から9トライを奪って61-14で快勝。2試合137得点で、35年ぶりに決勝進出。花園への挑戦権を手にした。

36人の選手を束ねるのは主将のNO8林遥陽。チームはFW・BKのバランスが良く、モールは武器の一つであり、バックスはスキルが高く決定力がある。王者相手にフェーズ数が伸びると厳しくなる可能性があり、セットプレーから少ないフェーズで取りきるパターンが見たいところだ。

巨象を倒せるか。42年ぶりの花園出場へ“日藤”のチャレンジが始まる。

第2地区「東海大相模×関東学院六浦」

 

桐蔭学園に迫る実力を持つのが東海大相模だ。

2022年度の県決勝では桐蔭学園を1点差で振り切り、32年ぶりの県大会優勝で神奈川県代表に。記念枠出場が続いていた壁を乗り越えた。

今大会はそれ以来3大会ぶりの出場を狙う。前述のとおり新人戦では桐蔭学園とドロー。関東大会ではCブロックで國學院久我山(東京)、川越東(埼玉)に快勝して優勝するなど、全国強豪としての実力を備える。

春のセンバツも初戦から愛知・名古屋高(38-0)、宮崎・高鍋高(54-14)に連勝。しかし準々決勝で優勝する桐蔭学園に17-43で敗戦を喫した。

花園予選では準々決勝で山手学院に118-0、準決勝では実力者の慶應に43-7で快勝。3年ぶりの花園行きに王手をかけた。

注目は全国トップクラスのツインタワーだ。

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共に高校日本代表候補のLO笹部隆毅(189センチ)とLO黒須樟(190センチ)。ラインアウトの空中戦はもちろん、ゴール前の肉弾戦においても強烈なフィニッシャーとなる。

同じく高校ジャパン候補のWTB/FB福岡遼らを擁するバックスも要注目。決勝初出場の関東六浦がマークすべき相手は多い。

ここへ挑戦するのが関東六浦だ。

女子ラグビー部は昨年度までU18セブンズを連覇するなど全国強豪として知られ、女子W杯2025メンバーの向來桜子、西亜里沙、松村美咲らを輩出。2008年に正式創部したという男子ラグビー部も着実に実力を高め、松下怜央(S東京ベイ)、矢野裕二郎(日野RD)ら好選手が巣立っている。

県新人では準々決勝で慶應に競り勝ったが、東海大相模に6-51で敗れてベスト4。関東大会県予選では3位決定戦で日大藤沢を6点差(35-29)でしりぞけ、第3代表で関東大会へ。

関東大会Dブロックで早稲田実業(東京)に初戦で負けたが(24-38)、日大明誠(山梨)から31-8で大会一勝を挙げた。

迎えた花園予選は、初戦となった準々決勝で鎌倉学園を129-0と圧倒。迎えたセミファイナルの相手は法政二だった。

ここで存在感を放ったのがSO花田琉晏だ。

準決勝の法政二戦。カウンターから先制トライを奪うと、正確な右脚でハーフタイムを挟んで3本のペナルティゴールを追加。16-7とリードを広げて優位に立った。

関東六浦の公式記録のペナルティ数はゼロ。かたや7回のペナルティを犯した法政二を着実に追い詰めた。両校のトライ数は「3対4」だったが、SO花田がプレースキック全7本を成功させたこともあって最終スコアは37-19。

キャプテンの豊川道やSO花田を含めて大多数は付属の関東六浦中出身。6年間の積み上げも実り、初の決勝進出を掴んだ。

神奈川の強豪4校が集結する日曜日のニッパツ三ツ沢。天気予報は降水確率10%の晴れで、例年以上の観客が押し寄せそうだ。今年もまた、忘れられないアツい一日がやって来る。

文: 多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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