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ラグビー コラム 2025年11月10日

【ハイライト動画あり】京都成章、宿敵の京都工学院を破って2大会ぶり17回目の優勝!全国高校ラグビー大会 京都府決勝

ラグビーレポート by 明石尚之
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続々と出場校が決まる第105回全国高校ラグビー大会。最注目の一つである京都府代表を決める花園予選の決勝は、11月9日に宝が池球技場でおこなわれた。

11大会連続の同カードだ。京都工学院×京都成章。今季は二度対戦し、1勝1敗だった。一度目は全国選抜大会の準々決勝でぶつかり、成章が34-24で勝利。そのまま決勝まで駆け上がった(準優勝)。しかし、5月の府総体では7-10で敗れていた。

全国屈指のレベルの高さを誇るファイナルは、今季も白熱した。雨の日にも関わらず、多くのファン、保護者が試合会場に駆けつけ、午後2時10分、キックオフの笛が鳴った。

序盤は互いにキックを放ち、手堅くエリアの獲得を狙った。両校で初めて敵陣22メートル線内に入ったのは成章の前半11分。味方の上げたハイパントにCTB森岡悠良が反応、捕球した相手に突き刺さり、ターンオーバーを引き出す。しかし、そこから展開したアタックはキックパスがタッチラインの外に出て終えた。

16分、今度は工学院がキックで大きくエリアを挽回。敵陣22メートル線に迫ったが、ラインアウトのスローが逸れた。直後に上げたハイパントはスコアにまで繋げられた。成章は17分、ボールを確保したSO岡元聡志が防御の整っていない右のスペースにランでボールを運ぶ。FB春藤大翔、NO8南川祐樹と倒れることなく繋ぎ、タッチライン際を攻略した。

20分には中盤エリアでパスを後ろに逸らした相手のミスを逃さず、またしてもCTB森岡のタックルから攻守逆転。すぐさま左に展開し、WTB尾関仁が左コーナーに飛び込んだ。CTB森岡が左右の端から連続でコンバージョンを沈め、14-0とリードを広げた。

一度均衡が破れると、スコアは激しく動いた。22分、工学院はLO飯田匡亮のキックチャージでこぼれたボールをSH片岡湊志がトライゾーンで抑え、5点を返す。しかし、その直後に今度は成章もキックチャージを決め、SH佐藤啓護がトライを挙げた。

第105回全国高等学校ラグビーフットボール大会(11月9日)

【京都府予選 決勝 ハイライト動画】京都工学院 vs. 京都成章

19-5で迎えた後半も、大きく戦局は変わらなかった。最初にチャンスを作ったのもやはり成章。選抜大会前までBKだったNO8南川祐樹が、スピードに乗ったランでゲインラインを切った。一連の流れから14分にゴール正面でPKを獲得し、CTB森岡が3点に変えた。

22-5。2トライ2ゴールでも追いつかれない点差とし、相手の戦意を削いだ。以降も、LO土肥祐斗、CTB高萩誠人、FL近藤幹太らが好タックルを連発。工学院を自陣に閉じ込め、手詰まりにさせた。

工学院の後半唯一の得点は27分と、終盤までかかった。相手のラインアウトのミスから攻撃に転じ、SO杉山祐太朗主将が中央から左にクロスキックを放つ。これがWTB市川愛和の胸に収まり、後半初めて敵陣22メートル線内に入った。まもなく、途中出場のCTB岩本斗吾がポール横に飛び込んだ。

工学院は長いロスタイムを得て終盤も自陣から果敢に攻めたが、有効なゲインはできず。最後まで黄×青ジャージーは動き続け、伝統の「ピラニアタックル」で相手の強みを出させなかった。最終スコアは22-12。成章が2大会ぶり17回目の花園出場を決めた。

昨季は9年ぶりに優勝を譲った成章。新チーム発足当初、選手たちから「成章のディフェンスを取り戻したい」という要望があったそうだ。関崎大輔監督は「そう言ってくれたので、1年間かけてコツコツやってきた成長は感じることができました」と、ここまでの歩みを称えた。

昨季就任の関崎監督自身も不退転の覚悟で臨み、「2年連続で行けなかったらしんどい。みなさんに恩返ししたいと思っていた」と胸中を語った。全国大会開幕まで1か月半。「課題は夏から同じで後半に規律が乱れてしまうところ。60分間、戦い切るチームを作りたい」と先を見据えた。

一方で、工学院の大島淳史監督は「こちらの方がミスが多く、それが勝敗を分けてしまった」と敗因を分析。「年間通してボールを動かすことをやってきたが、それを出すエリア、ポイントを徹底できませんでした」と続けた。「選手は一生懸命やりました。私の情熱が少し足りませんでした」と目を赤くした。向こうで沸いていた成章の胴上げを、先発した2年生たちと目に焼き付け、来季のリベンジを誓った。

文:明石 尚之

明石尚之

1997年生まれ、神奈川県出身。筑波大学新聞で筑波大学ラグビー部の取材を担当。2020年4月にベースボール・マガジン社に入社し、ラグビーマガジン編集部に配属。リーグワン、関西大学リーグ、高校、世代別代表(高校、U20)、女子日本代表を中心に精力的に取材している。

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