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ラグビー コラム 2025年11月3日

【ハイライト動画あり】早稲田大学、5点差で帝京大学に敗れ初黒星。ラグビー関東大学対抗戦

ラグビーレポート by 早稲田スポーツ新聞会
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インゴールに飛び込むSO服部

『赤黒』と『真紅』。大学ラグビーの雄が、赤に染まった秩父宮ラグビー場で相まみえた。

試合開始直後、早稲田大学はSO(スタンドオフ)服部亮太(スポ2=佐賀工)のキックを軸に試合を組み立て、敵陣深くへ攻め込む。フェーズを重ねて数的有利をつくり、先制トライを奪った。

しかし直後、自らのミスから失点し、試合は振り出しに戻る。ここから帝京大学が攻撃のギアを上げ、早大はペナルティと自らのミスに苦しみリズムをつかめない。互いにPG(ペナルティゴール)を重ねる展開となり、13-22で風下の前半を終えた。

迎えた後半、風上に立った早大はエリアを取る戦い方を選択。しかし、陣地を進める一方でポゼッションを高められず、攻撃の主導権を握れない。帝京大は確実にPGを加え、点差を広げた。

それでもこのまま終わるわけにはいかない。終盤、WTB(ウィング)山下恵士朗(スポ2=早稲田佐賀)がライン際でビッグゲインを見せ、一気に大外へ展開。反撃の狼煙となるトライを奪う。それでも最後に立ちはだかったのは真紅の壁。帝京大がボールを蹴り出し、ノーサイド。早大は20-25で今季初黒星を喫した。

ラグビー 関東大学対抗戦2025

帝京大ボールのキックオフで幕を開けた今試合。早大は服部のキックを軸にエリアをコントロールしていく。5分、服部がフラットなパスでFW(フォワード)を前に出し続けると、自ら空いたスペースを突き抜け、トライラインを駆け抜けた。CTB(センター)野中健吾主将(スポ4=東海大大阪仰星)のゴールも決まり、7-0。幸先よく先制点を奪う。

このまま流れをつかみたい早大だったが、すぐに帝京大の反撃を受ける。9分、自陣でボールを継続するとミスが生まれる。こぼれ球を帝京大が素早く反応して拾い上げ、そのままトライ。試合は振り出しに戻る。

さらに早大は自陣で立て続けにペナルティを犯し、ゴール前まで攻め込まれる苦しい展開に。ピンチは凌いだものの、攻撃のリズムをつかめない。21分には逆転のトライを許し、スコアは7-12となった。

それでも25分、服部が相手ディフェンスの裏へ転がしたキックに山下が反応し、FB(フルバック)植木太一(人2=神奈川・関東学院六浦)が追いかけたが、惜しくもグラウンディングならず。

しかし直後の26分、服部が魅せた。帝京大のドロップアウトの直後、約50mの距離から狙ったDG(ドロップゴール)が大きな弧を描いてゴールポストを射抜く。会場がどよめく特大の一撃で勢いを取り戻した。

スクラムでペナルティを獲得し、吠えるPR前田

30分にはスクラムで圧力をかける。PR(プロップ)前田麟太朗(スポ2=神奈川・桐蔭学園)が、「後ろが押してくれたから僕が前に出られた」と語るように、FW陣が真紅のジャージを押し込み、ペナルティを獲得。野中が冷静にPGを沈め、13ー14と1点差に迫った。

だが直後の31分、キックオフのミスから帝京大が、そのままインゴールへ持ち込み、再び突き放される。前半終了間際にも3点を許し、13-22で前半を折り返した。

ラグビー 関東大学対抗戦2025

【ハイライト動画】早稲田大学 vs. 帝京大学

迎えた後半、服部のキックオフで試合再開。帝京大はハイボールを軸に攻撃を組み立て、球際の強さをみせた。服部のキックでエリアを取る展開に持ち込むも、ボール奪取の術を欠き、ポゼッションでは後手に回る。

やがて帝京大が早大ゴール前まで攻め込み、失点すれば勝負が決する場面。ここでFW陣が身体を張り、執念のターンオーバーでピンチを凌いだ。途中出場のFL(フランカー)松沼寛治(スポ3=東海大大阪仰星)も鋭いヒットで流れを呼び込む。

ボールキャリーをするWTB山下

36分、服部の鋭いフラットパスを受けた山下がライン際で巧みなボディーコントロールをみせ、ゴール前へと切り込む。松沼が素早くサポートし、起点をつくると、服部が迫るディフェンスをいなしながら、CTB福島秀法(スポ4=福岡・修猷館)がゲイン。

最後はWTB田中健想(社2=神奈川・桐蔭学園)がグラウンド中央へグラウンディング。野中のゴールも決まり、スコアは20-25。

1トライ差に迫り、スタンドは「早稲田」コールに包まれた。しかし、立ちはだかったのは真紅の壁。帝京大の堅守を崩すことはできず、早大は逆転にあと一歩届かぬまま、試合終了の笛を聞いた。

大学ラグビー

試合の入りは良かったが、決め切るべき場面で取り切れなかったことが、勝敗を分けた要因となった。「率直に悔しい。自分たちの準備が足りず、遂行力も欠けていたと思う」と野中主将は冷静に試合を振り返る。

敗北は喫したものの、悲観する必要はない。やり返す舞台はまだ先にある。全国大学選手権で借りを返せばいいだけだ。チーム野中の航海は、いよいよ佳境に差し掛かる。残されたチャンスは多くない。次こそ確実に仕留めてみせる。

文:大林祐太/写真:村上結太、安藤香穂、伊藤文音(早稲田スポーツ新聞会)

早稲田スポーツ新聞会

早稲田スポーツ新聞会

1959(昭和34)年創刊。人気の野球、ラグビーを中心に早大体育会44部をくまなく取材し、年12回の新聞発行およびWebやSNSによる情報発信を行う。現在部員170名で活動。»早スポHP»Twitter»Facebook

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