3連勝中の明治大学、100回目の慶明戦で勝利なるか。ラグビー関東大学対抗戦

縦横無尽のアタックが光るBK陣

10月26日（日）に行われた立教大学戦で76-7の大差で勝利し、関東大学対抗戦で3連勝と勢いに乗る明治大学。11月2日（日）に行われる第5戦は、明大と同じく3勝1敗の慶應義塾大学との一戦。今試合で100回目の『慶明戦』となる。

第3節の日本体育大学戦に続き、雨天の中行われた立教大学戦。細かいミスを減らし、アタックの完成度を高められるかが注目されたが、課題を払拭する攻撃を見せた。

ゴール前での好機を着実にモノにし、終始流れを渡さず。ポジション変更が行われたBK（バックス）ラインの、フィールドを大きく使った攻撃だけでなく、FW（フォワード）のラインアウトモールや、近場でのピックゴーでも得点を重ねるなど、総合力の高さが光った。

「『トークアップ』というテーマを掲げていて、BKではしっかりトークできていた」（左WTB／ウイング東海隼・情コミ4＝光泉カトリック）。

慶大戦に向けても「引き続き、みんなトークできていて、勝ちにいくマインドを持てている」（SO／スタンドオフ萩井耀司・商2＝桐蔭学園）と状態は万全。堅守が持ち味の慶大に対し、明大らしいアタックを見せられるかがカギになるだろう。

接点で強さを見せるFW陣

また、前節のペナルティ数は3と、今季課題だった規律面にも改善が見られた。以前は守備でのラインオフサイドが目立ったが、統率の取れたディフェンスラインで見事に修正した。

「チームのフォーカスでもペナルティの部分が出ていたので、そこを80分間遂行できて良かった」（利川桐生・政経4＝大阪桐蔭）。改善の兆しが見られた規律面を継続して高められるかに注目したい。

今試合のメンバーは前節から1人変更。前節POM（プレイヤー・オブ・ザ・マッチ）に選ばれた副将・利川に代わり、同じく副将の右FL（フランカー）楠田知己（政経4＝東海大仰星）が関東大学春季交流大会・早稲田大学戦以来の先発となる。

リザーブには、藤井達哉（政経3＝東福岡）が日体大戦以来のメンバー入り。1年生ながら出場を続ける佐々木大斗（政経1＝常翔学園）、古賀龍人（商1＝桐蔭学園）のプレーにも期待が高まる。

何といっても注目は、前節で好アタックを演出したBKラインだ。普段、SOを務める萩井と伊藤龍之介（商3＝国学院栃木）の2人がラインに参加するため、攻撃のテンポ向上に加え、プレーの選択肢が格段に増える。

前節は萩井のギャップを突くショートパスや、鋭いロングパスでワイドなアタックを展開し、立大ディフェンスを翻弄。伊藤龍はボールキャリーに加え、キックからトライを演出するなど、引き出しの多いアタックで試合を優位に進めた。

「（萩井）耀司と（伊藤）龍がしっかり先頭でサインを出してくれて、ボールがよく動くようになった」（右WTB／ウイング白井瑛人・商2＝桐蔭学園）。スピードあふれる明大BK陣の躍動に注目したい。

対する慶大は明大と同じくここまで3勝1敗。前節、帝京大学から10年ぶりの勝利を手にした筑波大学を相手に接戦を演じるなど、チームの完成度も高まっている。

注目はNO8（ナンバーエイト）の中野誠章。前節の日体大戦では、果敢なボールキャリーやディフェンスで慶大を支えるなど、FW陣の要といえる存在だ。中野を筆頭とした激しいコンタクトに対応できるかがポイントとなる。

「100回目という伝統ある戦い。しっかり明治のラグビーを体現して勝ちたい」（白井）。伝統の慶明戦で勝利し、終盤戦へ弾みをつけられるか。

文／写真：晴山赳生（明大スポーツ新聞部）