3勝1敗同士の「黒黄×紫紺」！慶應義塾大学×明治大学。関東大学対抗戦2025

　

1899年創部の黒黄ジャージー「慶應義塾大学」と、1922年創部の紫紺ジャージー「明治大学」の対決だ。

関東大学対抗戦は11月2日（日）、東京・秩父宮ラグビー場で2試合を行う。午前11時30分キックオフの第1試合が、3勝1敗同士の上位対決「慶應義塾大学×明治大学」だ。

2018年度以来の優勝をめざす明大は、これからが対抗戦の正念場だ。

今週日曜日の慶大戦。そして2週間後の王者・帝京大学戦。対抗戦のラストはもちろん10月末時点で首位に立つ好敵手・早稲田大学との早明戦だ。

今季の明大は逆転負けからのスタートだった。

対抗戦の開幕戦で、帝京大を破るなど躍進中の筑波大学に逆転負け（24－28）。ただ昨季6位の筑波大は、昨季上位チームとの対戦が続くシーズン序盤に照準を合わせていた。一方の明大はシーズン後半に帝京大戦や早大戦がある。ピーキングの差はあっただろう。

開幕黒星スタートとなった明大だが、その後は青山学院大学戦（91－7）、日本体育大学戦（43－12）、立教大学戦（76－7）と3連勝。立教大戦は雨中戦となったが、フォワード・バックスでトライを量産して76得点。被トライはキックチャージからの一本のみという充実ぶりだった。ここ3試合の平均得点は「70」だ。

だが慶大戦は一筋縄ではいかないだろう。

ラグビー推薦枠を持たない慶大だが、近年は有望選手が続々加入。高校日本代表で花園優勝を経験しているFL申驥世（1年）、LO西野誠一朗（1年）は代表格だろう。

　

後半戦の試金石となる慶大戦へ向けて、明大は前戦から先発1名変更。前節フランカーだった最上太尊がナンバーエイトに移り、空いた背番号6に入ったFL楠田知己のみだ。

打開力のあるCTB平翔太主将をはじめ、機動力もあるフロントロー（PR田代大介、HO西野帆平、PR山口匠）、ハーフ団（SH柴田竜成、SO萩井耀司）も変わらず。連動性の高いメンバーでタイガー軍団の撃破を目指す。

一方の慶大。

今季は慶大撃破に燃えていた青学大に開幕戦で競り勝った（32－18）ものの、筑波大には明大同様に黒星（12－21）を喫した。

だが立教大戦に大勝（61－5）して立て直すと、日体大戦は45－17で3勝目。前半は日体大のインターセプトなどから2トライを浴びて同点（12－12）。後半25過ぎまで9点差だったが、運動量を土台とする攻守の一貫性で上回った。

不安要素があるとすれば、日体大戦で苦しんだスクラムだ。

日体大は、昨季スクラムが不安定でランニングラグビーが不調に終わった。その反省から今季は元NECの木下剛氏をスクラムコーチに招くなどしてスクラムを継続強化してきた。

慶大は、その日体大に前半28分頃にはスクラムでペナルティをとられた。後半開始からフロントローを入れ替え、試合終盤にはスクラム・ターンオーバーを披露して一定の成果。明大はスクラムを大きな武器の一つとするだけに、今週日曜日は8対8のバトルで奮闘したいところだ。

　

明大戦へ向けて、慶大は前戦後半から途中出場したフロントロー（PR井吹勇吾、HO藤森貴大、PR中谷太星）をスタートへ。さらに先発変更でいえばFL恩田優一郎、筑波大戦も先発した1年生SO小林祐貴、WTB江頭駿の計6名をスターターに上げた。

慶大の注目は下級生中心のフォワード陣。

先発ロックは共にルーキーの西野と山ザキ(山に竒)太雅。桐蔭学園主将のFL申も含め、先発に3名の1年生がいる。

東福岡で明大CTB平主将らの同期だった2浪の慶大PR中谷太星などもいるが、下級生が多い慶大フォワードが、どこまで“ハイブリッド重戦車”にスクラムや肉弾戦で対抗できるか、大いに注目したい。

文： 多羅 正崇