【ハイライト動画あり】明治大学、「らしさ」全開の重戦車ラグビーで立教大学に快勝。ラグビー関東大学対抗戦

3トライの活躍でPOMを受賞した利川

10月26日（日）、『足利ガスグラウンド』で明治大学vs.立教大学の一戦が行われた。前節に続き、悪天候に見舞われる中だったが、試合は明大のワンサイドゲームになる。大差で立教大を圧倒し、慶應義塾大学戦に向けて弾みをつけた。

試合開始早々に明大は敵陣へ大きく侵攻する。スクラムでは左PR（プロップ）田代大介（営3＝大分舞鶴）が圧をかけペナルティを獲得した。

「自分たちもスクラムのところにこだわりがあるので、しっかりとプレッシャーをかけられたのは、ユニットの部分としては良かった」（NO8/ナンバーエイト利川桐生・政経4＝大阪桐蔭）。

ノットリリースザボールを取られエリアを戻されるも、今度は立教大がノックフォワード。スクラムから利川がゲインすると逆目に展開。右CTB（センター）平翔太主将（商4＝東福岡）が内側へとパスを返し、受け取った利川が持ち前のフィジカルで前へ前へと進んでトライをもぎ取った。

今年度初のWTBで出場した東

18分にはSO（スタンドオフ）萩井耀司（商2＝桐蔭学園）から左WTB（ウイング）東 海隼（情コミ4＝光泉カトリック）へパスを飛ばし、点を追加する。

すぐ後に右WTB白井瑛人（商2＝桐蔭学園）の裏キックでエリアを上げると自らチェイス。エラーを逃さずFB（フルバック）竹之下仁吾（政経3＝報徳学園）がボールを再獲得する。ステップで相手をかわすとボールはもう一度東へ。早くも3トライを挙げた。

「1週間練習してきたことがチーム全体としてできていて、最終的にもらったのが僕だったので取り切ることができて良かった」（東）。

しかし21分、竹之下のキックをチャージした立教大がトライを返す。明大は勢いに乗せまいと堅守し、前半残り5分を切ったところで右FL（フランカー）大川虎拓郎（法3＝東福岡）のスティールをきっかけに陣地を戻す。ドライビングモールで相手を揺さぶり、利川が飛び込んだ。

それだけでは終わらず、白井の強烈なタックルでタッチに出し、再度攻撃へ回る。スクラムで反則を誘うと左CTB伊藤龍之介（商3＝国学院栃木）が走り抜けてトライ。前半を33-7で終えた。

後半もハイペースに進む。7分、前半同様にスクラムで試合を有利に運び、利川がグラウンディング。スコアをさらに広げた。

また、11分に平翔が立教大のディフェンスを割ると、他のメンバーもそれに追随する。相手のラインが整わないのを見た伊藤龍が裏へ転がし、竹之下がそれを受け取ってトライ。BK（バックス）の布陣変形が功を奏し抜群の連携を見せる。

「自分は基本的に12番で、10番と一緒にオーガナイズする立場だが、今回に関しては10番（萩井、伊藤龍）が2人いたおかげでオーガナイズするのがかなり楽で、上手くいったと思う」（平翔）。

さらにFW（フォワード）がセットプレーで魅せ、HO（フッカー）西野帆平（文4＝東福岡）、高比良恭介（政経2＝東福岡）とトライを2本連取。

その後も敵陣でプレーし続け、29分には小椋健介（情コミ4＝桐蔭学園）から伊藤龍に回し、古賀龍人（商1＝桐蔭学園）に切り返して得点を重ねた。試合終盤も明大は立教大に攻撃する暇を与えず、高比良のドライブでトライ。

「前がBKということもあり、自分が勝って縦に強いキャリーをしてトライできたらいいなと思っていた」（高比良）。

最後もモールでダメ押しのトライを決め、最終スコア76-7で試合を閉じた。寒暖差や天候不良でコンディションが良いとは言えない状況でも着実に調子を上げている明大。

選手はこれから先に向けて「やると決めたことを遂行できたら、しっかり勝てると思うのでいい準備をしていく」（楠田知己・政経4＝東海大仰星）と気を引き締める。波乱の関東大学対抗戦の行方はどうなるのか注目だ。

文：近藤未怜／写真：晴山赳生（明大スポーツ新聞部）