全勝の早稲田大学、折り返しの第4節は青山学院大学と対戦。ラグビー関東大学対抗戦

筑波大戦でボールキャリーするPR杉本

関東大学対抗戦、前節で筑波大学を撃破し、未だ無敗の早稲田大学は10月26日（日）に青山学院大学との一戦を迎える。勢いそのままに秋を駆け抜けるためには、後半戦最初のゲームでの白星は必須条件といえよう。

雨が降りしきる中行われた筑波大戦。明治大学に12年ぶりの勝利を収め、波に乗る筑波大との対決に多くの注目が集まった。『先手』というゲームテーマを掲げていた早大だが、立ち上がりからペナルティを誘われ、筑波大に先制点を許してしまう。

ゲームを組み立て直したい早大は前半8分、ゴール前でのラインアウトで集中を切らさず、こぼれたボールをPR（プロップ）杉本安伊朗（スポ3＝東京・国学院久我山）がグラウンディングに成功。さらにショットで3点を重ね、着実に筑波大との差を広げると20-3で試合を折り返した。

続く後半、またしても筑波大に後半最初の得点を許し、手に汗握る展開が続いたものの、早大はペースを崩さずにブレイクダウンでプレッシャーをかけ続ける。流れを掴みなおした早大は後半19分、ディフェンスの隙を突きLO（ロック）新井瑛大（教3＝大阪桐蔭）がインゴールを割った。

反則を犯す場面も見られたものの、35分にはNO8（ナンバーエイト）粟飯原謙（スポ4＝神奈川・桐蔭学園） がトライラインに勢いよく走り込み、会場を沸かせる。対抗戦全勝対決は早大に軍配が上がった。

ジュニア選手権・東海大B戦にてライン際を駆けあがるFB植木

青学大と対戦する今試合、早大で注目すべき選手はなんといってもFB（フルバック）植木太一（人2＝神奈川・関東学院六浦）。

スターティングメンバー入りを果たした植木は、力強いランとフィジカルを武器に、試合の流れを一変させることができる選手だ。ボールを持った瞬間から繰り広げられる植木のアタックは早大に勝利をもたらすに違いない。

さらにはPR杉本、HO（フッカー）清水健伸（スポ3＝東京・国学院久我山）、PR前田麟太朗（スポ2＝神奈川・桐蔭学園）らの第1列にも期待が高まる。

筑波大戦ではスクラムで圧倒し、ペナルティを奪い優位に立つ場面が多く見られた。ゲームの流れを支配するといっても過言ではないスクラムで、青学大にプレッシャーを与えたいところだ。

ジュニア選手権・慶大Ｂ戦、インゴールに走り込むFL久我

そして、リザーブには対抗戦初出場となるLO（ロック）久我真之介（文構2＝東京・早実）が控える。粘り強いディフェンスとワークレートの高さに定評がある久我が、対抗戦デビューを華々しく飾る姿に注目だ。

青学大のキープレーヤーはCTB（センター）袖山遼平。上級生となった今年はSO（スタンドオフ）からCTBへとポジションを転向し、開幕戦からコンスタントにメンバー入りを果たしている。

冷静なゲームコントロールと、左足から放たれる精度の高いキックが彼の持ち味。袖山が12番に入ることで、青学大のボール展開は一層スムーズになるだろう。

また、FL（フランカー）松崎天晴のディフェンス力にも注目したい。最大の武器は一度狙いを定めた獲物は逃さないスティールといえるだろう。早大のアタックラインにとって、脅威となる存在だ。

さらに、FL八尋祥吾主将（青学大）のキャプテンシーにも注目が集まる。タレント軍団である東福岡高校時代にも主将を務めた経験を持つ逸材だ。青学大は八尋を中心に結束し、総力戦で早大に挑んでくるに違いない。

対抗戦も折り返し地点を迎えた。『One Shot』の掛け声とともに、チーム一丸となって勢いを加速できるか。注目の青学大戦は『夢の島競技場』にて午後2:00キックオフだ。無傷の優勝に向けて歩みを進める早大の雄姿から、目が離せない。

文：伊藤文音／写真：清水浬央、大林祐太、高野凌世（早稲田スポーツ新聞会）