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南アフリカ出身。100メートルを10秒台で走るカストン・マイケルズがインゴールの左隅にボールを置いたのは前半3分。その攻撃は、相手が仕掛けたカウンター攻撃中、FB前田晃明がタックルエリアでスチールに成功したところから始まった。
摂南大は、理想的な試合への入りを見せた。
J SPORTS オンデマンド番組情報
ラグビー 関西大学リーグ2025(10月19日)
【ハイライト】摂南大学 vs. 近畿大学
10月19日、天理・親里競技場で関西大学Aリーグの2試合がおこなわれ、第1試合の摂南大×近大は、試合開始直後からスコアが動く展開となった。
前述のように、今季初勝利を目指す摂南大は先制点を挙げる。瀬川智広監督は戦前、選手たちに対し、目の前の一つひとつの局面に迷いなくプレーし、それを積み重ねて勝利をつかもうと呼びかけていた。
試合開始早々のトライ&ゴールで描いていた通りのスタートを切った摂南大はその後、よく前へ出るディフェンスを見せ、近大に攻撃の継続をなかなか許さない。
前半26分、ペナルティを重ねてしまい、自陣深くへ入り込まれてトライを許すも(ゴールも成功)、スコアは7-7と均衡していた。
そしてその3分後には、キックレシーブ後のカウンター攻撃から近大陣に入り込み、攻め立てた。最後はFB前田の仕掛け、オフロードパスに続いたWTBマイケルズが再びインゴールに入る。
CTBジョシュア・ナレヴェアのゴールキックも決まり、14-7とリードして前半を終えた。
しかし、後半は近大の時間となる。自分たちに流れを引き寄せられたのは、FWの奮闘が引き金となった。
LO中田悠生主将のボールキャリーはチームを前に出した。そして、相手ゴール前で得たスクラムを近大パックは何度も押し込み、後半13分、ペナルティトライを奪ってスコアは14-14となった。
モメンタムを得た近大は、その後、敵陣で過ごす時間が長くなった。
キックでうまく前進した後半16分には、中村優太、井上晴嵐のCTBコンビの連係で勝ち越しトライを奪う。井上は23分にもトライを挙げて、チームにさらに勢いを与えた(ゴールも決まり28-14とリードを広げる)。スペースに入り込むタイミングとスピードがあった。
その後も2トライを加え、最終的には42-14のスコアで勝った近大でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたのは3番の大下貴志。前半からスクラムで圧力をかけ続け、後半23分の井上のトライに至る一連の途中には、ラインアウトから大きく動き、ライン際で力強くボールキャリーをするシーンもあった。
力強くプレーしたFWを代表しての受賞だった。
ラグビー 関西大学リーグ2025(10月19日)
【ハイライト】天理大学 vs. 立命館大学
開幕から3試合を戦い、まだ白星を手にしていない立命館大の果敢に攻める姿勢がゲームを熱くした。
試合の序盤は天理大が攻め込む時間が長かったものの、先制点を挙げたのは立命館大。相手反則から好キックで大きく前進し、ラインアウト後のモールを押し切った(ゴールも決まり7-0)。
立命館大は、15分に天理大SO上ノ坊駿介の仕掛けからトライを許し、34分にはハンドリングエラーから7点を加点されるも、粘り強くプレーして7-12と僅差を保っていた。
そして前半最終盤に集中力を見せた。
トライを取られた後のリスタートのキックオフ後、ボールがタッチに出ることなく続いた攻防は3分を超えた。
その間、立命館大はFW、BKに関係なく全員がボールに絡み続け、最後にインゴールに入ったのは2試合ぶりに戦列復帰のWTB御池蓮二。さらにハーフタイム直前にはPGを加えた。17-12とした。
紺×黄のジャージーは後半に入っても攻める気持ちを示し続けた。
天理大に強いボールキャリーを重ねられて2分にトライ(SH朝倉達弥)を奪われ、逆転されても、すぐにアウトサイドを攻略してトライを返す(22-19)。
13分、18分とインゴールに入られて21-33と引き離されそうになっても(22-31)、すぐにFB久保田創大のトライで追いかけ、27-31と迫った。
粘る立命館大に対し天理大は、最終盤にギアを上げて振り切った。
31分のFLアリスター・サウララのトライは、クイックスローインから大きくボールを動かして相手についてこさせなかった。
36分にはラインアウトからのFWのサインプレーを遂行し切った(トライはWTB平松麟太郎)。
最終スコアは43-27で、天理大が7トライ、立命館大が4トライ。互いにボールをよく動かし、ボールキャリアーが意志を持って走った80分だった。
天理大はチーム作りが遅れていたが、SO上ノ坊主将が各選手の良さを引き出していた。立命館大の地力も感じた。
負けが先行しているチームのチャレンジが、エキサイティングな流れを作ったこの日の2試合。関西ラグビーのカラーと、大学ラグビーの元気が伝わる時間だった。
文: 田村 一博
田村一博
前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。
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