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開始直後のノーホイッスル・トライはチームに何をもたらすのか?
先制トライは開始約30秒で生まれた。
キックオフボールを受けた東洋大が、複層の展開攻撃で左へ展開。5本の長短パスで高校日本代表の2年生WTB中山二千翔にスペースを預けると、そのままパスダミーを織り交ぜながら独走のノーホイッスル・トライを奪ってみせた。
実際のところ、開始直後のノーホイッスル・トライはチームに何をもたらすのだろうか。
スコアボード上では5点もしくは7点が入る。だが経験豊富な選手であれば、得たものより、ノーホイッスル・トライによってチームから失われるものに気が向くはずだ。
チームによっては、開始直後のノーホイッスル・トライが心の隙を生む場合がある。「この試合勝てる」――。そんなムードの蔓延は、自分たちから相手にチャンスを与えることに他ならないだろう。
それはもちろん東洋大のスタメン選手であれば百も承知のはずだが、チームは先制直後にピンチを迎えた。
東洋大がリスタートのキックオフボールをノックフォワード。さらにラックでペナルティを重ね、自陣22m内に後退したのだ。
だが、東洋大はディフェンスの圧力で立て直してみせる。
法政大は果敢に近場でフィジカル勝負。ここへ東洋大CTBアダム・タマティ、HO小泉柊人らが的確なタックルで応戦。今季初先発のLOジュアン・ウーストハイゼンがこぼれ球へ反応し、ここを起点にターンオーバー。得点後の劣勢をはねのけてみせた。
フィジカル勝負で苦戦したらどうする?法政大が見出した活路
法政大は序盤からフィジカル勝負で苦戦していた。
そんな法政大が、技巧的なプレーでトライを奪ってみせる。
まずは相手のペナルティから敵陣22mへ侵入。ラインアウトを迎えたが、相手には211cmのLOウーストハイゼンに長身FWが揃う。
シンプルな高さでは勝負ができない法政大は、ここでラインアウトで後方のポッドで勝負。見事に確保した。ここから連続攻撃を仕掛けると、見出した活路は、劣勢気味だったワンパスでの近場勝負ではなく――ラック最後尾からのピック&ゴー。
ラグビー 関東大学リーグ戦2025(10月12日)
【ハイライト動画】法政大学 vs. 東洋大学
ここまで一度も見せていなかったプレーでLO細川幹太が中央突破。展開に備えていた相手DFが背後に振り返る技アリの一本で、7点を返した。(7-7)
ハーフタイムまで東洋大が5連続トライ
東洋大はこの日抜群の効果を上げたプレーがある。ラインアウトモールだ。
安定感のあるラインアウトからHO小泉柊人を最後尾にしたモールが効果抜群。法政大FWをぐいぐいと押し込んだ。
前半15分の勝ち越しトライは、パスミスに反応したWTB浅尾至音の独走トライによるものだったが、残りの前半4連続トライはすべてモールが起点。
法政大はペナルティを減らし自陣ラインアウトの数を減らしたかったが、ペナルティ数は前半だけで8回。伝統のラッシュするディフェンスでのオフサイドもあり、守備ラインの統率に課題を残した。
後半最初のスコアも東洋大
東洋大の大量リード(38-7)で迎えた後半戦。
機先を制する後半最初のスコアも東洋大だった。
法政大は後半3分、前半に続いて守備時のオフサイドを犯してしまう。ここから東洋大が盤石のラインアウトから展開攻撃。前半から途中出場した梅木颯斗が右隅で力強くゲインする。
折り返しのアタックで、パスアウトとみせかけてキャリー選択はSH生田旭。走り込んでいたランナーを囮に変えた一撃で、東洋大が後半も好スタートを切った。(45-7)
法政大はスクラムバトルで奮闘。一方の東洋大は序盤で見せたような積極性が控えめになり、自陣脱出に手こずる時間帯が増える。アタックでのノックフォワードなども重なり、ボールポゼッションが減っていく。
すると後半19分だ。
法政大は中盤スクラムから右サイドで数的優位をつくり、FB福本耀が突破。ゴール前に迫り、モメンタムを活かしてLO細川幹太がねじ込んで後半初得点を刻んだ。(14-45)
法政大は武器のスクラムで後半21、26分にはコラプシングを誘った。だが前半に続いて、チェイサーとの連携不足のショートキックで得点機を失うなどし、チャンスを得点に変えられない。
だが敗色濃厚の法政大は、エナジーが落ちなかった。
後半35分には中盤のクロスキックを快足FL三浦幹太がキャッチ。ターンしながら捕球する技巧で大きくゲインを獲ると、ここで東洋大がハイタックル。
劣勢時に反則を重ねる悪循環を仕留めたのは、SO佐川一眞のクロスキック、そして左大外で受け取ったFB福本による連携トライ。今季初出場のCTB田中大誠ゲームキャプテンが左隅からコンバージョンを沈め、得点を「21」に伸ばした。
だが大勢は決着していた。
ファイナルスコアは45-21。東洋大が開幕3連勝を飾った。しかし後半にハンドリングエラーが突然増えた東洋大は、一貫性という点において課題を残しただろう。終盤は法政の健闘が光る内容になった。
文: 多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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