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ラグビー コラム 2025年10月10日

コリジョンの強化に注力してきたライナーズ×レッドハリケーンズの大阪ダービー。新大会『リーグワン ライジング』で新星を見つけよう

ラグビーレポート by 田村一博
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『RISING』に込められているのは、「上昇、成長する、前途有望な」の思い。2025年9月、10月から始まった新大会『ジャパンラグビー リーグワン ライジング』は、若手選手や出場機会が限定されている選手の出場機会確保、新たな有望選手の発掘を主な目的としている。

10月11日(土)には、東大阪市花園ラグビー場で花園近鉄ライナーズ×レッドハリケーンズ大阪がおこなわれる。
第1グラウンドで実施されるディビジョン2同士の大阪ダービーは、それぞれの選手たちの熱量を考えれば、絶対に熱戦になる。12月に開幕する新シーズンに両チームがどんなスタイルで望もうとしているかも伝わってくるだろう。

特にホストスタジアムで戦うライナーズの選手たちは燃えるだろう。ライジング初戦のマツダスカイアクティブズ広島戦(42-28)は同スタジアムの第2グラウンドで実施された。今回はファンも多い。プライドの強さがプレーにも反映される。

今季からチームを率いる太田春樹新監督は、昨季ディビジョン1昇格を逃したチームに一体感を呼ぶ仕掛けを積極的におこなってきた。
三重の志摩でおこなったキャンプにはラグビーボールを持たずに向かい、自分たちのチームカルチャーを築く時間とした。座学でライナーズの存在価値や理想のチーム像を語り合い、野外に出てのチームビルディングもおこなった。

いくつかのチームに分かれておこなった丸太運びのレースは過酷なもの。カヌーを漕ぐ時間もあった。個人を追い込み、仲間との絆を確かめ合った。いい3日間を過ごした。
翌週には60階の『あべのハルカス』を階段で昇った。2023年まで日本一の高さを誇ったビルを駆け上がることで、自分たちが目指す高みを再認識した。新監督はチームに新しいマインドセットを植え付ける。

木村朋也(花園近鉄ライナーズ)

レッドハリケーンズ戦には、新しく共同キャプテンとなった上山黎哉が2番で先発し、バイスキャプテンの木村朋也も11番でピッチに立つ。昨季は先発のなかった丸山凜太朗は10番のジャージーを着る。
これまでプレータイムに恵まれなかった選手たちにもチャンスが与えられる。

スカイアクティブズ戦で先発したCTBビンセント・セフォ、WTB中川湧眞は、2戦連続でスターターとなった。
太田監督は、セフォの体の強さと前に出るプレーに期待を寄せ、外のスペースを活かすオプションも増やしてほしい。中川は昨季途中に東海大からアーリーエントリーで加入した実質1年目。スピードがあり、ボールを前に運べる力がある。指揮官は「個人で取り切る力を伸ばしてほしい」とした。

太田監督は、チームがこだわり、強化してきたコリジョンの強さ、ボールを持っていないときの動きをベースにしたディフェンスに注目し、選手たちを見る。そして、ファンにも、自分たちが今季押し出すその領域を見てほしいと話す。
前戦ではゴール前の守りに不満が残った。課題の改善もこの試合のテーマのひとつとなる。

対するレッドハリケーンズは、松川功ヘッドコーチが「日本人の若手選手を起用し、その活躍をチーム刺激となるようにしたい」と話すように、先発15人中外国出身選手はニック・ユーストだけとなった。
そのユーストはオーストラリア出身で194センチのサイズを誇る。フォース、レベルズでのプレー経験と共に、日本では釜石シーウェイブス、東京ガスにも在籍した。ハイボールへの対応力の見極めや、チームへのフィット感を高めてもらうための起用だ。

指揮官はバックスプレーヤーの複数ポジションへの対応力や、フレッシュな選手の台頭に期待を寄せる。
ゲームキャプテンを務めるスタンドオフの射場大輔はセンターでプレーしてきた。しかし今回のライジングでは初戦の九州電力キューデンヴォルテクス戦に続いて10番で先発する。
昨季10番だった土橋郁矢はライジングでは初戦がウイングで、今回はフルバックで先発する。各選手がプレーの幅を広げて開幕に向かう。

山田歩季(レッドハリケーンズ大阪)

昨季途中にアーリーエントリーで明大から加入の山田歩季は、ライジング初戦は12番で今回は13番。フィジカルの強さが求められるポジションでの適性を指揮官は見つめる。
9月にチームに加わったロックの金子琉聖(佐賀工→明大)も2戦連続での起用。193センチ、106キロの体躯を生かしたタフなプレーで貢献したい。

チームは日本人若手選手が始動した7月中旬から段階的にトレーニング強度を高め、コリジョンやセットプレーの強さに注力してチームの柱を確かなものにしようとしている。
前戦は「一つひとつのプレーにはいいものもあったが、それが続かなかった」と言う松川ヘッドコーチは、「今回の試合では連続性を求めたい」と話す。
こちらも、試合ごとにチームの底上げを図る。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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