明治大学、青山学院大学から13トライを奪い対抗戦初勝利。ラグビー関東大学対抗戦

復帰した平翔太主将

9月27日（土）、秩父宮ラグビー場で明治大学vs.青山学院大学戦が行われた。試合は青学大が序盤に流れをつかむも、前半中盤には明大が主導権を奪い反撃を開始、勢いを緩めることなく攻撃を続け、明大が今季の関東大学対抗戦で初勝利を挙げた。

開始直後から明大はペナルティを重ねてしまいピンチに陥る。ラインアウトで競り勝ち、キックでエリアの回復に成功するが、相手の攻撃を弾き返せずに再度反則を重ね、先制トライを許した。その後も右FL（フランカー）最上太尊（商4＝仙台育英）がイエローカードにより一時的に退場となるなど、苦しい時間が続いた。

「焦った時に立て直せる人がいないのが弱みなので、落ち着いてプレーできるように対応しなければならない」。（NO8／ナンバーエイト利川桐生・政経4＝大阪桐蔭）。

反撃に転じたのは前半22分、SO（スタンドオフ）伊藤龍之介（商3＝国学院栃木）が50-22を成功させる。ラインアウトから攻め続け近場の攻防に持ち込むと、右LO（ロック）物部耀大朗（商3＝中部大春日丘）がトライ。

31分には青学大のイエローカードを誘発、最上が戻り人数有利の状況をつくると、大きくボールを動かしながらテンポよくフェーズを重ね、左CTB（センター）平翔太（商4＝東福岡）がトライを挙げる。

その直後、キックオフから左FL亀井秋穂（政経3＝長崎北陽台）がゲインすると、物部がディフェンスラインの隙間を突きゴールラインまで走り切った。

「シンプルで強いアタックをすることを意識した」（物部）。前半終了間際、敵陣深い位置でのスクラムから平翔がボールを受け、相手をかわしてトライ。35-7で前半を終えた。

後半も明大が攻め立てる。後半2分、利川がゲインラインを割り前へ出ると「毎試合強いプレーをするというのを意識している」（利川）、SH（スクラムハーフ）田中景翔（文3＝常翔学園）の素早い外への展開から物部がトライを奪いハットトリックを達成した。

「ハーフタイムでブレークダウンではこうしようとかを話していたので、後半に修正できて良かった」（田中）。

2試合連続、FBでフル出場した古賀龍人

続く9分には平が力強く前進、平からパスを受けた田中がゴールエリアまでボールを運んだ。そして26分には萩井耀司（商2＝桐蔭学園）が裏のスペースへボールを蹴りこむと、折り返しのパスを受けたFB（フルバック）古賀龍人（商1＝桐蔭学園）が得点を追加した。

さらに直後の29分、左WTB（ウイング）阿部煌生（政経2＝流経大柏）が狭いスペースを走り抜けトライを奪う。

「キックカウンターで、戻りながらどこが空いているかを言えたのが良かった」（阿部）。40分にも阿部のゲインから後藤快斗（政経1＝桐蔭学園）がオフロードパスをつなぎ、古賀龍がトライを挙げる。「みんながついてきてくれたので、投げるだけだった」（後藤）。

試合終了間際には外でパスを受けた阿部が相手をかわしてトライ。難しい位置のキックも萩井が沈めて91-7で試合を終えた。

序盤は青学大に主導権を握られるも、流れをつかみ13トライを記録する大勝で試合を終えた。しかし、反則を重ねる場面があるなど改善すべき点もある。「相手が強くなればなるほど、入りのところで後手に回ってしまうと、ゲームを組み立てるのが難しくなってしまう」（利川）。

次戦に向けて選手は「修正する部分をいかに修正して、また一段階成長できるかが課題になると思う。全員が勝ちをただ勝ちとせずに、いい成長につなげたい」（伊藤龍）と話す。次戦も攻撃で爆発力を見せ、連勝を挙げることに期待したい。

文：虻川隼人／写真：晴山赳生（明大スポーツ新聞部）