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POMを獲得した小泉
鉄紺の執念で1トライ差を守り抜いた。28日、八王子上柚木公園陸上競技場で関東大学リーグ戦第2節が行われ、ともに開幕節を白星で飾った東洋大学と関東学院大学の一戦。終盤までもつれる激戦を東洋大が制した。
風が強く吹く中、東洋大ボールでキックオフした。先手を取ったのは関東学院大。立ち上がりから自陣でのプレーが続く中、9分にディフェンスのギャップを突かれて先制を許す。
追いかける展開になるも反撃ののろしはすぐに上がった。13分、敵陣でのラインアウトからパスを回していき、FB(フルバック)池渕紅志郎(2年)がゲイン。ライン際にいたWTB(ウイング)中山二千翔(2年)にボールを送り、さらに押し込んで最後はFL(フランカー)山本圭悟(3年)が左中間に仕留めた。
7-7で試合は振り出しに。19分、敵陣10mライン付近での池渕のゲインを起点にリズミカルなパスを展開。山本がゴールライン手前までボールを運ぶも、相手のタックルでタッチを割り絶好のチャンスを逃す。
それでもなお、東洋大は攻撃の手を緩めなかった。「相手の動きを見ながら空いているところに運べるようなプレーをいくつか準備していた」と、NO8(ナンバーエイト)ステファン・ヴァハフォラウ(4年)が言う東洋大は22分、22mライン付近でのマイボールラインアウトで、手前にスローイング。HO(フッカー)小泉柊人(4年)がその後ろに回り込み、ギャップをついてインゴールまで運んだ。
その後は自陣でプレーする場面もあったが、中山のキックで脱出し、グラウンド中央へ。28分、マイボールラインアウトから素早いパスを展開し、ライン際にいたWTB(ウイング)浅尾至音(3年)が激走。タックルを受けながらもダイビングして、19-7とする。
36分にはディフェンスの壁を崩され、インゴールを割られてしまうが、前半終了間際の41分にラインアウトモールで小泉が取り返して24-12。前半が終了した。
ハーフタイムがあけた後半は、相手の猛攻に苦しめられる40分間となった。3分、自陣での相手のモールに対抗しきれず、1トライ差に縮められる。しかし、16分には東洋大が敵陣でトライを狙う中で、相手の不当なプレーにより関東学院大にイエローカード。ペナルティトライで東洋大に7点が積まれる。
その後は相手が14人と東洋大が有利な状況下でプレーを再開するも、自陣での戦いを強いられた。21分、関東学院大がトライ。再び1トライ差に迫られる。苦しい時間が続く中、34分に東洋大がチャンスをつかむ。
後半に途中出場でトライを挙げた梅木
自陣から中山がゲインすると、きわどいパスがつながり、33分から途中出場したWTB(ウイング)梅木颯斗(2年)が抜け出して豪快に滑り込む。試合はロスタイムに突入。リードを死守したい東洋大だが、ここで痛い失点を喫する。41分、ロングパスを奪取され独走トライを許し1トライ差に詰め寄られた。
会場に緊張が走る中、東洋大は集中を切らさず、必死のディフェンスで最後の猛攻をしのぎ切る。そしてボールを場外へ蹴り出し、ついにノーサイド。最終スコアは38-31。鉄紺の執念で、薄氷の勝利をもぎ取った。
まとわりつくようなディフェンスに苦戦しながらも、1トライ差を守り抜いた東洋大。POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)を獲得した小泉は、「ディフェンスに力を入れてきたので、苦しい状況でもチームの底力で守りきることができた」と勝因を振り返る。
スコア上では辛勝となったが、そこに力を発揮できなかったという後ろ向きな意味はあまりない。むしろ、関東学院大の勢いと成長を感じさせられる試合だった。その中で東洋大は相手の圧力を受けながらも勝ち切る強さを示し、この一戦は今後の戦いに生きる大きな手ごたえにもなった。
次節は10月12日、開幕2連敗中の法政大学と対戦する。1部昇格初年度から白星を挙げ続けている相手ではあるが油断はできない。
「自分たちの強みを出し切れるように、本当にいい準備をしていきたい」とヴァハフォラウ主将。鉄紺の航海は次なる一戦へ再び舵を切った。
文:北川未藍/写真:市澤結衣(東洋大学スポーツ新聞編集部)
東洋大学スポーツ新聞編集部
2001年(平成13年)創刊。東洋大学における唯一の学生新聞部。
体育会所属の部活動を対象に、取材を行い、紙面・Webサイトを通じて情報を発信。一人ひとりの挑戦やチームの歩みに光を当て、大学スポーツの魅力を発信することを目指して活動している。
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