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ラグビー コラム 2025年9月29日

【ハイライト動画あり】好プレーを試合時間で振り返る。1勝「帝京大学」×1敗「日本体育大学」!関東大学対抗戦2025

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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2度目の5連覇を狙う帝京大学。関東大学対抗戦の2戦目はナイトゲーム。9月27日(土)の東京・秩父宮ラグビー場で、1敗の日本体育大学とぶつかった。

帝京大のメンバーは、要所にCTB大町佳生主将や主力ハーフ団(SH武智成翔、SO本橋尭也)ら主軸を起用しつつ、公式戦デビューの4年生HO沼澤健一郎(名護)やルーキーNO8藤久保陸(東海大相模)などもメンバー入りしていた。

それでも結果は113-7と圧巻だった。

通常は、勝利が濃厚になるにつれ得点ペースが落ちるものだ。それは勝利を確信した陸上ランナーが減速する姿にも重なる。

しかし帝京大は違う。淡々と得点を重ね、今回も後半が前半の8トライを「1」上回る内容だった。後半30分までにリザーブ8人全員が出場し、経験の浅い選手もいた23人全員で、ノーサイドというゴールまで全力で走りきってみせた。

だが日体大も随所でハードワークが光っていた。「113-7」という最終スコアには表れない好プレーがいくつもあったのだ。

ここからは、帝京大と日体大、それぞれが見せた好プレーを、試合時間とともに振り返ってみたい。

ラグビー 関東大学対抗戦2025(9月27日)

【ハイライト動画】帝京大学 vs. 日本体育大学

日本体育大学【5分40秒】

先制された日体大が、ディフェンスから帝京大のプランを崩した。

強烈なタテ突進から先制を許した7点ビハインドの日体大。ふたたび自陣22m内でピンチを迎えた。

ここで帝京大の主力PR森山飛翔の強烈キャリーに対して、日体大LO石塚翔真が足に絡みつく低空タックル。孤立した相手にすかさずスティールをお見舞いしたのは、「國學院栃木」のヘッドキャップをしたFL岡部義大。そして観客席を沸かせるレフェリーの笛。

その直後、日体大SH原田来紀がクイックスタート。その後のロングキックを捕球してタッチに逃れたのは昨季チャンピオンの方だった。

日体大のエリアは自陣22mからハーフ付近まで大きく前進。「ハイスピード・ランニングラグビー」のマインドと好守が連動した好プレーだった。

帝京大学【11分50秒】

帝京大が中盤スクラムから2フェーズでトライを取り切った。

日体大の抵抗にあった帝京大は、7点リードの前半11分。スクラムから右サイドの4対3をクイックハンズから見事に攻略し、突破創出。基本に忠実なプレーで敵陣奥に侵入すると、ロングパスからPR森山へ。

相手守備を的確に“いなす”落ち着きあるキャリーで、日本代表合宿にも招集された森山が2本目を奪った。

森山はそのトライ後、すぐに立ち上がり、駆け足で自陣方向に戻っていった。帝京大のスタンダードを内外に示すような、質の高いボディランゲージだった。

帝京大学【37分】

帝京大の強さを象徴する実質的な「ST(スクラム・トライ)」が生まれた。

帝京大が4年生HO沼澤の公式戦初トライ(前半23分)などで40-0とリードを広げ、敵陣ゴール前で迎えた、日体大ボールのスクラム。

帝京大の先発フロントロー(PR上野凌大、HO沼澤、PR森山)を先頭にヒットから体勢を崩すと、8人全員のレッグドライブで圧倒。

トライエリアにこぼれ出たボールを押さえたのはSH武智だったが、実質的にはスクラム・トライ。日体大は今季強化してきたスクラムに課題を残す結果となった。

日本体育大学【63分20秒】

80点ビハインドの日体大がチーム初トライを奪ってみせた。

後半開始から3連続トライを記録した帝京大のリードは実に80点。敗戦が決定的となるなか、日体大のハードワークが実った。

リスタートのキックオフ後、日体大が敵陣22付近で帝京大のパスミスを誘う好タックル。敵陣で攻守交代が生まれた。ここまでラインアウトモールでは力強い守備を見せるなど、ファイトを続けていた日体大にチャンスが巡ってくる。

ここで守備に獅子奮迅だった大黒柱、FL岡部が内に切り込んで突進。ここで相手タックラーを弾いて直進する豪快なランを繰り出し、試合開始65分でチーム初トライ。大敗ムードに抗い、一矢報いてみせた。(80-7)

だが帝京大は手を緩めてはくれないチームだった。

「今日は初めて秩父宮のグラウンドに立つ選手や、ナイトゲームでの試合など、いろいろと環境が変わる中、自分たちのやるべきことを80分間通してできたゲームだったと思います」(帝京大・CTB大町主将)

その後も帝京大は、前半からトライの起点となっていたルーキーFB吉田琉生のハットトリックを含む5トライを奪取。開幕2連勝として、10月12日(土)、2敗の青山学院大学との一戦へ弾みをつけた。

一方、昨季対抗戦最下位(8位)の日体大は、引き続き昨季上位陣との試合が続く。

次戦の相手は1勝1敗の明治大学だ。対抗戦Bからの昇格初年度だった昨季は0-101の完敗だった。10月11日(土)、舞台となる神奈川・大和スポーツセンター競技場で、この一年間の成長と経験値を示したい。

文: 多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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