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ラグビー コラム 2025年9月25日

リベンジなるか「東海大学」×初勝利狙う「法政大学」。関東大学リーグ戦2025

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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2025年の関東大学リーグ戦1部が、9月13日(土)に開幕した。

近年は混戦が常態化している関東リーグ戦。今年も8大学による総当たり戦から目が離せない。

ただ関東リーグ戦勢は2006年度(関東学院大学)以来、大学チャンピオンから遠ざかっている。

昨季リーグ王者の大東文化大学、進境著しい昨季2位の東洋大学、過去3度決勝に進出している東海大学(昨季3位)などなど、リーグ戦勢の奮起に期待したいところだ。

その東海大は、昨季前人未踏のリーグ7連覇を逃しており、今季は捲土重来を期するシーズンだ。

ただ立正大学(昨季6位)とのリーグ開幕戦では、東海大の従来の強みを発揮していた。

堅固なセットプレー、FWの推進力、スピーディーなバックス展開――。前半25分過ぎまで拮抗したが、終わってみれば50-3のビッグスコア。守ってはノートライ、攻めてはモールやサインプレーなどから8トライを奪い、開幕白星スタートを切った。

印象的だったのは、東海大のセットプレーとキックゲームだ。

セットプレーで存在感を示していたのは個性的な3人のフロントロー。大学3年でスクラム最前列に転向したというPR小柳(木に夘)竜晟は、強烈なタックルで再三ターンオーバー。序盤の主導権争いに貢献した。

残る2名、ボールスティールも得意な安定感あるHO川村航平、そしてフィールドの突進でも魅せるPR杉浦皓亮も強烈。前半26分にはその3名を最前列としてスクラム・ペナルティを誘った。

このスクラムからエリア前進後、東海大はモールでHO川村自身が2本目。均衡を破り、チームは大勝ペースの軌道に乗った。

またキックゲームでは、ルーキーだった昨季から活躍する松山聖陵出身のFB浦本明惟が、好キックを連発。SO北村光基も正確なハイパントを上げ、コンテストに強いウェスリー・トンガが競り合い、プレッシャーを与えていた。

5月の帝京大学戦(春季大会Aグループ)では0-111という衝撃的な大敗を喫した東海大だが、夏を越えてスケールアップしてきた印象だ。

今後さらなる成長が期待される東海大は、今週土曜日(9月27日)、神奈川・小田原市城山陸上競技場で、1敗の法政大学とぶつかる。

その先発メンバーを見てみると、フォワードはPR柳(木に夘)、HO川村、PR杉浦のフロントロー、FL薄田周希主将らは変わらず。ここに東海大福岡高のルーキーLOトゥポウ・ランギ、FL宮前翔斗が入った。

バックスはWTB正木空馬が先発入り。そのほかSH川久保瑛斗、SO北村光基の4年生ハーフ団、インサイドのCTBコンラッド・セブンスター、ロングキッカーのFB浦本らは変わらない。大勝した開幕節の流れを汲むスタメンとなった。

一方で黒星スタートとなった法政大。

昨季はリーグ5位(4勝3敗)で2年連続の大学選手権出場を逃したが、東海大には29-19で勝利。当時ルーキーのFL大沢空を筆頭とした前に出るDFシステムがハマり、セットプレーの奮闘もあって金星を奪った。

今季は東京山九フェニックスを指導していたケン・ドブソン氏がヘッドコーチに就任。テンポ形成からリズムをつくるアタッキングラグビーを志向する。

クラブキャプテンはFB北川拓来、ゲームキャプテンはCTB田中大誠。バイスキャプテンは昨季インターセプト・トライで東海大撃破に貢献したLO細川幹太が起用された。

ただ現状は主力にケガが多く、開幕節では主将のFB北川とCTB田中を共に欠き、法政唯一のU23日本代表だった大器、NO8宮下晃毅も欠場。

迎えた流通経済大学戦との開幕戦は14-26で敗戦。敵陣でのボールセキュリティにミスが続き、逆にカウンターからソフトなトライを許すなどした。「取れるところで取る」決定力が今後の課題のひとつだろう。

2季連続の東海大撃破をめざす一戦のスターターは4名変更。

フロントローの2、3番がHO本橋陽助、PR本山淳祥に代わり、ナンバーエイトには突進力十分の3年生、植浦慎仁が起用された。

スタンドオフは開幕節のルーキー小林利仁(昌平)から、昨季主力の2年生SO佐川一眞に。その他バックスの変更はないが、開幕節はセンター起用だった炭竈柚斗がウイングに移り、181センチの2年生・渡辺圭祐がセンターとなった。

東海大が昨秋のリベンジを達成し、リーグ戦王者の奪還へ加速するのか。それとも法政大の初勝利か。注目のキックオフは午後3時だ。

文: 多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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