【ハイライト動画あり】返り咲きへ好発進！京都産業大学が10トライ＆完封スタート。関西大学ラグビーAリーグ開幕節

　

京都産業大学が貫禄を見せつけた。

9月14日（日）、大阪・花園で開催された関西大学ラグビーAリーグ開幕節。第Iグラウンドの第1試合では、京都産業大学（昨季2位）と摂南大学（昨季7位）が激突した。

先制トライは、まず関西リーグ王者への返り咲きを狙う京産大だった。

序盤に相手ペナルティにより敵陣奥のゴール前ラインアウト。看板の強力FWでモールを押し込もうとするが、ここは摂南大が見事なモールディフェンスで押し返す。

しかし摂南大がモール時にペナルティ。アドバンテージをもらうとWTB馬田琳平が右大外へキックパス。これをWTB小林修市が捕球し、両翼によるキック連携から先制トライが生まれた。

まずは堅実に敵陣勝負を仕掛けたい摂南大だが、この日は相手のプレッシャーもあってハンドリングエラーが目立った。

被トライ直後にも中盤でハンドリングエラー。このミスボールから攻守交代を起こしたのは京産大。すぐに展開攻撃を仕掛け、クイックパスで、バックス唯一の下級生（2年）FB宮里快一が右隅へ飛び込み、前半8分に2本目を奪った。

摂南大は、ミスが起点となってカウンターを浴びる展開が続いた。

摂南大はラインアウトがオーバーボールに。これを捕球して京産大が7次攻撃を展開。すると4年生になったNO8シオネ・ポルテレが守備2人を弾く強烈キャリー。

摂南大もSO村上剛琉主将らが素早いリロードでタックルを放つものの、京産大はSH高木城治のテンポ形成からショートサイドを速攻。待ち構えていたLOシオネ・マへが3本目を奪った。（17－0）

摂南大が、快調に飛ばす京産大のリズムを狂わせたのは前半15分だ。

ウォーターブレイク後の相手投入スクラム。ここでPR秋本一喜、HO鳥井一希、PR門田雄之助を第1列として、大学最強クラスの京産大スクラムに対抗する。

すると直後の相手アタックで、摂南大CTB公文毅京が好タックル。ペナルティを誘って、ようやく敵陣に侵入。相手が2連続のペナルティを犯して序盤最大のチャンスが到来した。

しかし、ここで痛恨のタッチキックミス。格上相手にミスや反則を少なくしてロースコアに持ち込みたかったが、逆の展開となって窮地が続いた。

前半20分には摂南大が初のスクラム・ペナルティ（コラプシング）を犯し、3分後にはスクラムからの一次攻撃で相手CTB奈須貴大に突破＆独走を許し、4トライ目を奪われてしまう。（24－0）

さらに1トライを失うなど、防戦の時間が多かった摂南大は前半最後にふたたびビッグチャンス。京産大の危険なタックルから右奥へ前進。しかしノックフォワード。31点ビハインドで試合を折り返すことになった。

後半は京産大の「個」も躍動した。

その一人が2年生FB宮里快一だ。後半5分には相手ロングキックを背走しながらキャッチ、そして特大キック。自陣22mから敵陣22mまでエリアを獲り、摂南大をさらに苦しめる。

すると直後だ。相手ラインアウトからのアタックで京産大の「個」を代表するNO8シオネ・ポルテレが強烈タックル。落球を誘うと、得点感覚に長けるCTB奈須が拾い、またも相手ミスからトライを奪った。（38－0）

後半18分には猛タックラーのFL平野龍も魅せる。

中盤の相手アタックに対して鋭い出足で刺さる。ハンドリングエラーを誘うと、今秋副将に就いたSO吉本大悟の的確な判断から突破が生まれ、WTB小林がフィニッシャーとなった。（45－0）

さらにモールでも一本を追加し（後半31分）、得点を「50」の大台に乗せた京産大。途中出場のPR佐名木風雅（2年）の強烈ランでのトライなども加えて、10トライ＆完封の60－0でリーグ初戦を飾った。

摂南大は初戦でノートライに終わったが、後半は5トライを奪われながらペナルティの数が「1」。規律面も修正しながら闘ったが、攻守両面に課題の残るスタートとなった。

そんな摂南大は次戦で、関西2連覇を狙う1勝の天理大学と9月28日（日）に遠州灘海浜公園球技場でぶつかる。初戦の悔しさをエネルギーに変えられるか。

一方の京産大は、その天理大に初戦で0－62で敗れた1敗の関西大学と同日、紀三井寺公園陸上競技場で相まみえる。

文： 多羅 正崇