明治大学、夏の菅平で敗れた筑波大学と初戦で激突。ラグビー関東大学対抗戦

右LOで出場する菊池優希。献身的なプレーが魅力

9月13日（土）から関東大学対抗戦が開幕。スローガン『完遂』を掲げる明治大学は、14日（日）に『ケーズデンキスタジアム水戸』にて筑波大学との一戦に臨む。

最近の対戦は、8月に行われた菅平での練習試合。前半は安定した試合運びを見せたものの、後半に大量得点を許し、22-31で逆転負けを喫した。

特に後半は、ディフェンスラインのズレを、ランやショートパスで破られるなど、守備の乱れが敗因の1つに。しかし、菅平合宿の最後の練習試合となった帝京大学戦では、前に仕掛けるディフェンスで相手のアタックを封じ込めるシーンも見られ、合宿期間で大きな成長を遂げている。

今節でもラインオフサイドなどの規律面を徹底し、クオリティの高い守りを生み出せるかがポイントとなるだろう。

夏合宿を通し、選手たちは手ごたえを感じている。「春シーズンの反省点だったディフェンス面やセットプレーで、すごく成長を感じることができた」（HO/フッカー西野帆平・文4＝東福岡）。菅平で高めたチーム力を、秋シーズンの初戦でそれだけ発揮できるかにも注目したい。

今節では、メンバー23人中7人が秋シーズンの公式戦デビューとなる。春先からアピールを続けた選手が多く名を連ね、非常に楽しみな布陣だ。

FW（フォワード）では、4年生で対抗戦デビューを果たす右LO（ロック）菊池優希（政経4＝山形中央）に注目だ。

春シーズンはリザーブでの出場が多かったが、献身的なプレーやセットプレーで貢献しチームの春シーズンMVPにも選出。菅平での帝京大学戦ではラインアウトスチールで存在感を放つなど、明大FW陣に欠かせないプレーヤーになりつつあり、ラストイヤーで悲願のスタメン定着を狙う。

春季大会で紫紺デビューを果たしたSH後藤快斗

そしてBK（バックス）では、SH（スクラムハーフ）後藤快斗（政経1＝桐蔭学園）とFB（フルバック）古賀龍人（商1＝桐蔭学園）が対抗戦デビューとなる。

両者ともに昨年度の花園（全国高校大会）で優勝を経験し、高校日本代表にも選出された逸材。春シーズンでも紫紺に袖を通すなど、ルーキーながら貢献度は高い。積極性のあるフレッシュなプレーで明大に勢いをもたらすだろう。

リザーブでは、久保太進（法2＝長崎北陽台）が対抗戦デビュー。また、富田陸（政経4＝大阪桐蔭）は、2年ぶりの秋シーズン出場。恵まれた体格とフロントローらしからぬフットワークで、明大の起爆剤となることは間違いない。

対する筑波大は、菅平での明大戦からスタメンを3人変更。FW・BKが一体となったスピードあふれるアタックで、明大に襲い掛かる。

注目は、右FL（フランカー）の中森真翔。191センチ・96キロと大柄ながら、明大戦では約50mを独走しトライを挙げるなど、抜群の脚力が武器だ。長身を生かした空中戦など、攻守両面で注意が必要なプレーヤーだ。

また、FBで出場する内田慎之甫もキーマンとなる。高校2年時から花園を沸かせた世代屈指のスピードスターは、大学入学後もルーキーながらスタメンを勝ち取っている。167センチと小柄ながらも体幹を生かした力強いランは、大きな脅威となるだろう。

ついに始まる勝負の秋。「しっかり1日1日積み重ねて、日本一を目指してがんばっていきたい」（菊池）。紫紺の覇権復活へ、チーム一丸となって挑む。

文・写真：晴山赳生（明大スポーツ新聞部）