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ラグビー コラム 2025年9月13日

より力強く、いつも通りに超速で。日本代表、トンガとのパシフィックネーションズ準決勝は「ハードに戦う」

ラグビーレポート by 田村一博
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2024年大会で逃した優勝の座を手にするまで、あと2勝。パシフィックネーションズカップ2025のファイナルラウンド(準決勝、決勝)が始まる。

プールステージでカナダ代表に57-15、アメリカ代表に47-21と勝ち、B組の1位となった日本代表は、9月14日に準決勝を戦う(日本時間の9月15日、午前6時35分キックオフ)。
相手のトンガ代表はサモア代表に30-16で勝利したもののフィジー代表には15-32と敗れ、プールAの2位としてサクラのジャージーと対戦する。

両チームは長く好敵手として戦ってきた間柄だ。2023年のワールドカップ(以下、)直前に戦ったときには日本代表が21-16と勝利。2019年のW杯前にも戦っており、その時の日本代表は41-7と大勝した。
2017年にも39-6と快勝しており、昨年までは日本代表が3連勝も、その前は2011年W杯から2015年時の対戦までトンガ代表が4連勝。お互いを刺激し合う歴史を重ねてきた。

今大会のプールステージの結果により、トンガ代表は2027年W杯への出場権を獲得している。その勢いに加え、カナダ、アメリカ以上のパワーもあるから、日本代表にとっては、簡単に勝利をつかめる試合とはならないだろう。

ハードワークが求められる戦いに、日本代表は前戦のアメリカ戦から先発を3人変えた。
1番が小林賢太から木村星南に。4番はワイサケ・ララトゥブアがジャック・コーネルセンとなった。SHは藤原忍が先発し、福田健太は22番。
ベンチスタートの8人にFWを6人スタンバイさせ、パワフルな相手に対抗する。

試合地のデンバーは高地に位置しており、選手たちにかかるフィットネス面の負担は普段より大きい。ゲームキャプテンを務めるLOワーナー・ディアンズも「練習の時も普段より息がしづらく、しんどい」と言う。
その観点からも、ベンチの6人FWが機能しそう。20番のティエナン・コストリーは、アウトサイドBKのカバーも兼ねている。

エディー・ジョーンズ ヘッドコーチは、この試合に向けて「いいトレーニングができている」と表情は明るい。「移動もあったし、大会3戦目。練習量を調整しながら試合を迎える」とした。
そして、「激しくなっているポジション争いにより、いいセレクションができている」と続けた。

「経験値が高い選手が多くいる」とトンガ代表を警戒する指揮官は、コリジョンで負けないように力強く戦いながら、「戦術的な面を丁寧にやっていってほしい」と選手たちに注文を出す。
「トンガとの試合は初めて」というゲームキャプテンのディアンズは、「すごくフィジカルなプレーをするのは分かっているので、自分たちの超速ラグビーを出しながら、コンタクト面でも強さを出していく」と話した。

ダイレクトなプレーを好む相手に、ハードさで対抗できる選手のひとりが今大会、3戦連続で6番のジャージーを着ることになったベン・ガンターだ。
プールステージの2試合で見せた36タックルはチームで最多。そのうち7タックルは相手を圧倒したもので、貢献度も高い。ターンオーバーも5回成功している。

その高いパフォーマンスについてジョーンズHCは、「グラウンド外での取り組みを変えたことで、ベストな自分を出せるようになっている」と評価。「フィットネス面が高まり、持っているスキルを存分に活かしてプレーできています。相手にヒットするタイミングもいいし、ボールキャリーのペース、アジリティーも優れている」と、起用理由を話した。

3試合連続でSOを任せた李承信についても、「キックをはじめ、ラン、パスと、いいスキルを出してくれている。グラウンド上で(ゲームキャプテンの)ワーナーや周囲とコミュニケーションを取りながらプレーしている」と話し、その力を一貫して出し続けてほしいと期待を口にした。

この準決勝を自分たちのスタイルで勝ち切り、確信を持ってファイナルに進みたい。
昨年大会の決勝で17-41と完敗した相手、フィジーがファイナリストとなるのは、ほぼ間違いないだろう。この1年の成長を実感するためにも、いい状態で次戦へ進む内容をトンガ代表戦に期待したい。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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