関西大学Aリーグ、花園で開幕！昨季の関西王者・天理大は春に敗れた関大と対戦

関西大学 vs. 天理大学

9月14日、東大阪市花園ラグビー場にて「2025ムロオ関西大学Aリーグ」が開幕する。この日は全8チームが集合し、2つのグラウンドに分かれて4試合が行われる。昨季の関西王者・天理大は第1グラウンドの第2試合（14:00）で昨季8位の関西大と対戦する。関西大は昨季8位とはいえ、めきめきと力をつけており、今年の春季トーナメント2回戦では天理大を19－17で下した（5月25日）。その後、優勝した立命館大に15－26で敗れたが、今季の関西リーグは大混戦になることを予感させる活躍だった。

天理大はこの春、一部部員の不祥事で、部長が解任され、小松節夫監督は3か月の職務停止の処分を受けた。チームの全体練習も約1か月はできなかった。開幕前、全チームが集った記者会見で上ノ坊駿介・共同キャプテンは、「チーム全体で規律の部分や品位をしっかり見直し、新しい天理大ラグビー部のチームを作ろうと、みんなで話し合いました」とコメントした。

小松監督は、リーグ開幕直前の現場復帰となり、菅平高原での夏合宿も不在だった。「小松監督の的確な指導はしていただけなかったのですが、八ツ橋修身BKコーチ、FWの比見広一コーチに指導していただきました」（上ノ坊）。夏合宿では帝京大、早大、明大など関東の強豪大学に完敗。スクラムで押し込まれるなど調整不足を露呈したが、粘り強いディフェンスは見せており、シーズンを通して、どこまで成長できるか、一戦一戦が例年以上に大切な試合になる。

対する関大は、佐藤貴志監督就任3シーズン目になり、従来の堅守速攻のスタイルに加えて、監督が重視するブレイクダウン（ボール争奪局面）、スクラムなどセットプレーを強化してきた。それが、今春の天理大からの27年ぶりの勝利に結びついた。しかも、この試合には、キャプテンのFL奥平一麿呂、副キャプテンのSO崎田士人という軸を怪我などで欠いていた。チームの自信になったのは間違いない。

　

9月12日に発表されたメンバーでは、崎田はSOに入り、奥平はリザーブ席からのスタートになる。LO中村豪（4年）、FL岡田薫留（3年）、NO8中川一星（3年）らパワーのある選手も揃い、FWのセットプレーで優位に立ち、接点でも圧力をかけたい。BKは崎田に加え、CTB吉良陸人（3年）に安定感があり、FBではキック力のある1年生の堂免遙生が出場する。

対する天理大は、昨季までFLだった太安善明（3年）が今季よりHOを務め、ハードタックラーの川越功喜（3年）、身長196cmのアリスター・サウララ（2年）が両FLに並ぶ。プレーメイカーのSOは上ノ坊駿介。U23日本代表にも選出される逸材だが、今季はFL池田征士（4年）と共同キャプテンとなり、さらに責任感あるプレーヤーに成長している。春に不在だった選手では、NO8木下颯（4年）、SH朝倉達弥（4年）、WTBフコフカ・ルカス（1年）らがおり、このあたりのパワーある選手がボールを前に運べば、持ち前の素早いテンポの攻撃ができるだろう。天理大としては、夏に関東勢に圧倒されたスクラムをどこまで修正できているかが勝利のカギになる。見逃がせない戦いだ。

文：村上 晃一