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ラグビー コラム 2025年9月9日

東洋大学ラグビー部、関東大学リーグ戦を前に夏の菅平で得た自信

ラグビーレポート by 東洋大学スポーツ新聞編集部
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ハドルを組む東洋大学

標高およそ1300m。真夏の菅平高原に鉄紺の汗が滴った。1週間の合宿で、東洋大学ラグビー部が見せたもの。それは、「心の変化」だった。

昨年の大学選手権では、ルーツ校である慶應義塾大学を前に「相手が強いと思い込んで、身構えてしまった」と振り返る選手が多かった。

春も関東大学対抗戦のチームに大敗を喫したが、その悔いを修正し、帝京大学戦では数字で見れば大敗ながらも、内容で食らいついた。結果以上に「自信を持てば張り合える」という感覚を選手たちはつかんでいた。

その手応えを抱いて臨んだのが、今回の菅平合宿だ。

ここでは、春から積み重ねてきた技術を最後の追い込みで磨き上げた。ラックスピードをさらに高め、ラインアウトの安定感を増し、ハイパント処理にも厚みを加える。細部の精度を丁寧に仕上げたことで、プレーに迷いがなくなった。

そして、そのプレーを支えたのが「声」だった。練習の合間に組まれるハドルでは、誰か1人がリードするわけではなく、自然に声が飛び交う。

大学ラグビー

互いに背中を押し合う言葉が続く中、Cチームの練習試合でPR(プロップ)松下勇次郎が放った「ヒーローになれるチャンスだ」という一言は特に印象的だった。仲間の言葉が自信を後押しし、その輪がチーム全体へと広がっていく。プレーと声、その両輪が自信を支える『裏付け』となっていた。

そうして育まれた空気は、試合の場で表れた。最終日に行われた慶大との練習試合では、臆することなく挑み、互角の戦いを演じてドロー。選手たちの口から出たのは、「自信を持ってプレーできた」という言葉だった。敗北から積み重ねてきたものが、勝負の場で発揮できる力に昇華されてきている。

SO林星安(東洋大学)

4年生・SO(スタンドオフ)林星安の姿もまた、その変化を象徴していた。これまで公式戦での出場は限られていたが、「Cチームの時に工夫をしたり、いつでも出られる準備をしてきた」と振り返る。

地道な積み重ねを経て、8月18日の筑波大学との練習試合では「やっぱり、俺でしょ」と強気のマインドで挑み、慶大戦でも冷静なキックで流れを引き寄せた。「気負わないように、自分なら大丈夫という気持ちで蹴った」と語る言葉には、日々の工夫と鍛錬を経て培われた揺るぎない自信がにじんでいる。

林だけではない。誰もが積み上げたものを自信に変えてグラウンドに立っている。その空気が、菅平での1週間を通じて確かに強まっていた。

この夏、東洋大学は臆することなく突き進む力を得た。秋のリーグ戦、その力がどんな景色を切り拓くのか。答えは、鉄紺の背中が示していく。

文/写真:北川未藍(東洋大学スポーツ新聞編集部)

◆ラグビー関東大学リーグ戦 試合予定

・09月14日(日)15:00 東洋大学vs.日本大学(東洋大学G)
・09月28日(日)11:30 東洋大学vs.関東学院大学(上柚木)
・10月12日(日)14:00 法政大学vs.東洋大学(熊谷B)
・10月25日(土)13:00 立正大学vs.東洋大学(川越)
・11月03日(月)11:30 東洋大学vs.東海大学(えどりく)
・11月16日(日)13:00 流通経済大学vs.東洋大学(小田原)
・11月30日(日)14:00 大東文化大学vs.東洋大学(秩父宮)

東洋大学スポーツ新聞編集部

2001年(平成13年)創刊。東洋大学における唯一の学生新聞部。
体育会所属の部活動を対象に、取材を行い、紙面・Webサイトを通じて情報を発信。一人ひとりの挑戦やチームの歩みに光を当て、大学スポーツの魅力を発信することを目指して活動している。

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スポトウ|東洋大学スポーツ新聞編集部
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