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ラグビー コラム 2025年8月31日

【ハイライト動画あり】ラグビー日本代表、前半苦戦もワーナー主将の発言で結束、後半6トライでカナダに大勝。パシフィックネーションズカップ

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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初の主将でチームを牽引したLOワーナー・ディアンズ

8月30日(土)、ラグビー日本代表(世界ランキング13位)は、「アサヒスーパードライパシフィックネーションズカップ2025」(PNC)プールBの初戦、カナダ代表(同24位)と、宮城『ユアテックスタジアム仙台』で対戦した。

エディー・ジョーンズHCは、HO(フッカー)原田衛と、LO(ロック)ワーナー・ディアンズを共同キャプテンに指名。原田はコンディション不良によりメンバー外となったため、23歳のLOディアンズが日本代表で初キャプテンを務めた。

日本代表メンバー

日本代表は、7月のウェールズ代表戦で初キャップとなったPR(プロップ)木村星南とHO(フッカー)江良颯、LOワイサケ・ララトゥブアが初先発となり、FL(フランカー)ベン・ガンター下川甲嗣、NO8(ナンバーエイト)がファカタヴァ アマトと、2023年ワールドカップ組3人がバックローを務めた。

初キャップを挙げたCTBチャーリー・ローレンス

BK(バックス)は、CTB(センター)のチャーリー・ローレンスが初キャップとなり、FB(フルバック)には、ウェールズ代表戦で初キャップとなったサム・グリーンが初めて先発に名を連ねた。

左からWTB長田智希、初キャップを飾ったHO佐藤健次、PR小林賢太

リザーブにはHO佐藤健次、PR小林賢太、CTB廣瀬雄也の3人が控え、出場すれば代表デビューとなる。他にも今年初の代表戦となるFLティエナン・コストリー、CTB/WTB長田智希、そして2023年ワールドカップ以来のテストマッチとなるSH福田健太らが入った。

一方、カナダ代表は8月23日(土)、すでにホームでPNC初戦のアメリカ代表(同18位)に34-20と勝利して幸先の良いスタートを切った。すでに2027年ワールドカップ出場権を持つ日本代表と、フィジー代表以外の4ヵ国は上位3チームに入れば、2027年ワールドカップ出場権が決まる。

かつて、近鉄でBKコーチを務めていたスティーブン・ミーハンHCは、初戦からFW2名、BK3名の先発を入れ替えた。FLはション・パリーがベンチから上がり、キャプテンのルーカス・ラムボールとコンビを組み、NO8にはアメリカ代表戦で4トライを挙げたタイラー・アードロンに替わり、6番に入っていたマシュー・オウォルが移動した。

BKはSHジェイソン・ヒギンズと、アメリカ代表戦でFBとしてプレーした左足のキッカーのピーター・ネルソンが10番に入ったハ

昨年のPNCでは、日本代表はアウェイでカナダ代表と戦い、55-28で快勝している。日本代表にとって、2019年大会以来4度目の優勝を目指すPNC初戦は、31度とまだ暑さの残る午後5:00にキックオフされた。

ラグビー パシフィックネーションズカップ2025

【ハイライト動画】プールB 日本 vs. カナダ|

序盤、「自分たちのテンポで速いスタートをしたい」とワーナー主将が話していた通り、日本代表が積極的にボールを動かし、相手陣に攻め込む。前半3分、スクラムで相手が反則をすると、NO8ファカタヴァがクイックタップから持ち込み、インゴールにねじ込んで中央左にトライ。SO李承信がゴールを決めて7点を先制する。

その後、自陣からでも積極的にボールを展開するが、なかなか追加点を挙げられなかった日本代表は、13分に相手反則からゴール前でPG(ペナルティゴール)を選択し、10-0とリードを広げた。

ただ、その後は自分たちのミスやペナルティでリズムを失い、23分、カナダ代表にモールから押し込まれ、FLパリーにトライを許す。SOネルソンのゴールも決まり10-7、30分にはPGで10-10の同点に追いつかれた。

さらに31分、日本代表はラインオフサイドなど、反則の繰り返しにより、LOワイサケ・ララトゥブアがイエローカード(10分間の退室)となり、数的不利となってしまう。

それでも攻めの姿勢を貫いた日本代表は、相手にスクラムの反則からSH藤原忍がクイックタップで仕掛けて、最後はLOディアンズが中央にトライを挙げて、17-10と再びリードして前半を終えた。

ハーフタイム、「1人1人が(個人のプレーに)なりすぎていた」と感じたLOワーナーキャプテンは、「ワンチームになって、全員で全員のためにプレーしないといけないという言葉をかけた」という。

後半、序盤も相手に差し込まれたが、ディフェンスで粘って失点を許さなかった。すると13分、相手ボールをターンオーバー、途中出場のSH福田が裏にキックを蹴って「50-22」を決めて相手陣奥でチャンスを迎えた。

そして15分、ボールを継続し、最後はFBグリーン、CTBディラン・ライリー、NO8ファカタヴァとつないでトライ。難しい角度のゴールもSO李が沈めて、24-10としてリードを広げた。

初先発で初トライを挙げたFBサム・グリーン

その後はジャパンのペースとなる。CTBローレンスのキックから相手陣に入ると19分、スクラムを押し込んだ後、ボールを継続。最後はFBグリーンが右隅に押さえて29-10。

25分にはモールを押し込んで、FLベン・ガンターがトライ(36-10)。33分には途中出場のCTB廣瀬のキックで相手陣に攻め込み、ラインアウトを起点にWTB長田がトライを挙げて43-10とした。

後半2トライを挙げたWTB石田吉平 代表3試合目で初トライ

攻撃の手を緩めなかった日本代表は、37分にモールを組んだ後、途中出場のHO佐藤からのパスを受けたWTB石田吉平がトライ。その後、相手に1トライを許したが、ロスタイムに再び石田がトライを挙げ、57-15でノーサイドを迎えた。

後半6トライ、40得点を挙げた日本代表が、4トライ以上のボーナスポイントを含む勝ち点5を得て、プールB首位に立った。この試合のPOM(プレイヤー・オブ・ザ。マッチ)は前半からフィジカルに戦い、トライも挙げた日本代表のFLガンターが選出された。

普段も仲が良い、POMのベン・ガンターとLOワーナー・ディアンズ

敗れたカナダ代表のミーハンHCが、「残念ながら、今夜は先週と同じレベルのパフォーマンスを発揮できなかったが、今後も努力を続けていく」と言えば、キャプテンFLラムボールは、「最初の40分間はよく粘れたが、最後の20分で相手に押し切られた」と肩を落とした。

後半、地力の差を見せて快勝した日本代表のジョーンズHCは、「キャップ数が1以下の選手が10名いた。前半、試合が思うように進まなかった際には、選手たちがやや個人プレーに走って、数多くのペナルティを与えてしまった」。

「しかし、ハーフタイムにワーナー主将の下、選手たちは再び結束を取り戻し、後半は、非常にチームとしてのまとまりを見せてくれた」と振り返った。

初キャプテンの大役を勝利で終えたキャプテンLOワーナーは、「PNCという大会の初戦で良いスタートを切ることができ、(キャプテン)最初の試合に勝ってうれしい」と破顔した。

9本中8本のキックを決めたSO李承信を称える選手たち

反則が8と多かった前半の戦い方や、ハイボールの処理などにまだまだ課題を見せたものの、しっかりと持ち前のアタック力を見せて勝ち点5を得て白星スタートを切った日本代表。

この後は渡米し、日本時間9月7日(日)午前10:05にプールBの2戦目、敵地でアメリカ代表に挑む。

なお、カナダ代表は予選プールを1勝1敗(勝ち点5)で終えた。日本代表がアメリカ代表に勝てば、プールBの2位が決まり、2027年のワールドカップ出場が決まる。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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