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ラグビー コラム 2025年8月25日

ラグビー日本代表、カナダ代表戦に向け宮崎で準備を進める。パシフィックネーションズカップ

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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宮崎で合宿中のラグビー日本代表

8月30日(土)に「パシフィックネーションズカップ2025」(PNC)の初戦、カナダ代表戦を迎える「エディー・ジャパン」こと、ラグビー日本代表

8月15日(金)から3日間は、FW(フォワード)とBK(バックス)に分かれて合宿を行っていたが、18日(月)からは宮崎でFWとBK一体となって合宿を行っている。22日(金)は報道陣に、23日(土)は一般にも公開された。

日本代表を率いるエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)は、「FWは(7月の)ウェールズ代表との1試合目はスクラムで圧倒していたが、2戦目は初戦ほど圧倒できていなかった。スクラムの優劣はいろいろな要素があるが、ジャパンはスクラムに取り組み続けていて武器になると思っている」。

ジョーンズHCの評価が高かったCTB廣瀬

また、「BKはキック時のWTB(ウイング)のポジショニングは改善しているし、CTB(センター)廣瀬雄也(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)は途中から合流したが感心しているし、成長している」と話した。

8月20日までは6日間連続で練習を行い、21日は完全にオフとなり、22日、23日と再び全体練習を行った。8月は毎日、練習のテーマを設定しており、22日は「スピードデイ」、20日、23日は「コンタクトデイ」だったという。

22日の全体練習は、暑さ対策のため、午前7:00からの公開となった。ただ、選手たちは6日間連続の練習、そしてオフの後、朝からの練習ということでパスミスなどが目立った。

そのためジョーンズHCは練習を中断して、「ジャパンが求めているスタンダードで練習できていなかったので、このままやるか、止めるか判断を促した」という。

練習は続行されたが、指揮官は「10年前だったらギャーギャーわめき散らしていたと思うが、今は選手たちに自主性を持たせて、選択肢を与えることで、やるのかやらないのかということを決めさせた。大概は正しい判断をしてくれる」と振り返った。

ファンが見守る中、コンタクトありの激しいセッション

一転、600人のファンが見守る中、午後5:00から行われた23日の全体練習は、選手たちの集中力は高く、ジョーンズHCは「合宿で2度目の身体を当てるセッションで、1度目より改善できたし、戦術面でいろいろ落とし込んでいる。(今日は)素晴らしい努力、遂行力を見せてくれた。特に練習の序盤が良かった」と満足げに話した。

すでにアメリカやトンガでPNCが始まった。日本代表(世界ランキング14位)と同じプールBでは、カナダ代表(同25位)が、アメリカ代表(16位)に34-20、フィジー代表(9位)が属するプールAでは、トンガ代表(19位)がサモア代表(13位)に、30-16で勝利した。

なお、2023年ワールドカップの成績で出場権を得た、日本代表とフィジー代表を除く4ヵ国(サモア、トンガ、アメリカ、カナダ)のうち、上位3チームがPNCで2027年ワールドカップの出場権を得る。

ジョーンズHCは改めてPNCを通して「PNCの初戦の2試合を見てもわかるように、インテンシティが上がっているので、日本代表の現状がわかる良い大会になると思う。新しい戦い方を試しているが、試合の状況に応じて柔軟に戦うところが一番見たいし、ディフェンスの安定性も見たい」と話した。

指揮官が評価していたSO李

また、カナダ代表戦に期待している選手を聞かれると、「CTB廣瀬はメンバーに入っていなかったが、与えられたチャンスをものにしようとしている。SO(スタンドオフ)李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)も良い練習をしていた」。

「カナダ代表戦はフィジカルでカオスになると想定している。相手はワールドカップの出場権を得るために必死で戦ってくるので、スパイン(背骨のポジション)である15、9、10、2、8番が大事になってくる」と語気を強めた。

日本代表は仙台で行われるカナダ代表戦の後、アメリカに移動。9月6日(日本時間7日)にアメリカ代表と戦い、その後も準決勝、決勝といったファイナルステージ(または順位決定戦)を戦うためにアメリカに滞在する。

昨年は国内で行われたファイナルステージ決勝で、フィジー代表に17-41で敗れて準優勝だったため、選手たちは「今年は優勝したい」と声を揃えた。

チームをリードしたいとSH藤原

アタックをリードするSH(スクラムハーフ)藤原忍(スピアーズ)は「ジャパンで強みである、パスとランのアタックをして、キックを織り交ぜたい。PNCで優勝するためには1人1人のエフォートが大事。僕はテンポや判断を大事にし、チームをリードしていきたい」とコメント。

司令塔のSO李は「北九州の試合は(ウェールズ代表に勝って)自信になったし、ジャパンのアタックは、どんな相手でも通用すると手応えを感じた。空中戦やブレイクダウンは課題がクリアになったので、それを修正してPNCに臨みたい」と冷静に先を見据えた。

日本代表2年目、セットプレーに期待がかかるPR(プロップ)為房慶次朗は、「世界で戦うのに一番大事なのはスクラム。だからスクラムを伸ばしていきたい。PNCはFW主体のチームが多いので、フィジカル、スクラムで負けないようにがんばっていきたい」と言葉に力を込めた。

PNCでもランと空中戦に期待がかかるWTB石田

7月のウェールズ代表で代表デビューを飾ったWTB(ウイング)石田吉平(横浜キヤノンイーグルス)は、「ウェールズ代表戦は課題がたくさん見つかった。そこを修正しないと世界のレベルで戦うことが難しい」。

「コーチ陣からは捕まらないところと、このサイズでどれだけハイボールで勝負できるかを要求されている。チームでは他にもすごいWTBがいるので、競い合いながら成長していきたい」と前を向いた。

リーダーの1人として期待されているHO(フッカー)原田衛は、「パスとランでボールを動かすことは、自分たちのアイデンティティ。新しい動かし方が入ってきたので、みんなでやっている。PNCでは違ったジャパンの攻め方を見せることができると思う。カナダ代表戦は日本でできるPNC最後の試合なので、勝つ姿をお見せしたい」と腕を撫した。

今週はいよいよゲームウィーク。日本代表は宮崎でコンディションを調整しながらチーム力を高めていく。8月28日(木)には、カナダ代表戦の試合登録メンバーと合わせて、新キャプテンも発表される予定だ。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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