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【ハイライト動画あり】リーグ王座奪還を狙う「東西強豪」が熱戦!関西リーグの「京都産業大学」vs.関東リーグ戦の「東海大学」。大学ラグビー菅平合宿2025練習試合
ラグビーレポート by 多羅 正崇
共に「リーグ王座の奪還」を通過点として、さらなる高みを目指す東西強豪が、菅平で熱戦を繰り広げた。
西からは、昨季関西4連覇を逃したものの、4大会連続の大学選手権ベスト4を遂げた京都産業大学。今季こそ「5度目の正直」で4強の壁を突破したいところだ。
2025年の春季トーナメントは、決勝戦で戦力充実の立命館大学に12-29で敗れ、大会4連覇を阻まれた。
約3週間後の9月14日(日)には、「関西王者」奪還を狙う関西Aリーグの開幕戦(vs.摂南大学@花園第1G)を控えている。いよいよエナジーと遂行力を高めていきたい状況で、8月24日(日)、長野県上田市菅平のサニアパークで、関東大学リーグ戦に所属する東海大学とぶつかった。
かたや、東から菅平に上ってきた東海大。
昨季は関東リーグ戦で3位(4勝2敗1分)となり、前人未踏のリーグ戦7連覇を逃した。さらに大学選手権では初戦で明治大学に17-50で敗戦を喫した。
京産大と同様、まずは「リーグ王者返り咲き」を狙っていきたい東海大。同じく3週間後の9月14日に開幕戦(立正大学@東海大G)を控える。
まず予告された東海大の先発を見てみると、フロントローがPR小柳竜晟(4年・熊谷)、HO川村航平(2年・茗溪学園)、PR杉浦皓亮(4年・名古屋)。
バックファイブはLO中村太志朗(3年・大産大附)、LOトゥポウ・ランギ(1年・東海大福岡)。そしてFL張剛士(3年・関大北陽)、FL宮前翔斗(4年・京都工学院)、NO8薄田周希主将(4年・東海大仰星)という強烈な3人。
ハーフ団はSH山田莞大(4年・大阪桐蔭)、SO北村光基(4年・東海大仰星)。コンラッド・セブンスター(3年・モニュメント・ハイスクール)は、スキル豊富な古屋健太朗(4年・秋田工)とのセンターコンビ。
大学ラグビー 菅平合宿 2025 練習試合(8月24日)
【ハイライト】京都産業大学 vs. 東海大学
両ウイングは鬼頭慶(1年・中部大春日丘)と正木空馬(2年・京都工学院)。フルバックは浦本明惟(2年・松山聖陵)となった。
もう一方、京産大の予告された先発メンバーも見てみよう。
京産大の看板でもあるフロントローは、PR猿渡翔眞(4年・京都成章)、昨季選手権はフランカー先発のHO平野龍(4年・札幌山の手)、PR佐名木風雅(2年・関大北陽)。
LO石川東樹(3年・大分東明)、LOシオネ・マヘ(2年・高川学園)。バックローはFL一柳尚斗(3年・兵庫工業)、FL伊藤森心(4年・松山聖陵)、そして最上級生となったNO8シオネ・ポルテレ(目黒学院)が入った。
ハーフ団はSH高木城治(3年・東福岡)とSO吉本大悟(4年・東海大仰星)。センターコンビは奈須貴大(4年・光泉カトリック)とナブラギ・エロニ(3年・大分東明)。
バックスリーはWTB馬田琳平(3年・東福岡)、WTB小林修市(4年・京都成章)、そして沖縄出身のFB宮里快一(2年・名護)となった。
前半に菅平のギャラリーを沸かせたのは東海大だ。
前半7分に京産大のラインアウトスローがオーバーボールに。これを捕球したのがすでに主力の貫禄のあるジャッカル名手、2年生フッカーの川村航平だ。
捕球直後に無人エリアへロングキック。フロントローとは思えぬ的確な足技&チェイスでエリアを前進すると、こちらはラインアウトを成功させて敵陣22mアタックを開始。
京産大が強みとするラック近場を避けたロングパスから、LO中村太志朗が豪快に突破。先制トライを奪った。(7-0)
京産大も「伝家の宝刀」スクラムで前半16分にペナルティを奪い、昨季主力のWTB小林修市もビッグタックルでターンオーバーを誘う。しかしトライ寸前のラストパス、ラインアウトが乱れてボールポゼッションが伸びない。
一方の東海大は、豊富な活動量で京産大の一度のミスをチャンスに変える。ルーズボールに仕掛け、全員が献身的にチェイスし、敵陣攻撃を呼び込んだ。
そして前半28分。劣勢時の相手のパスミスを拾い、カウンター一気でWTB正木が独走トライ。攻め続けていた京産大にとってはメンタルを揺さぶられる一本となった。(14-0)
京産大は優勢のスクラムにおいてもアーリープッシュなどの反則が増え、強みを生かし切れない。
一方でラインアウトが安定している東海大。さらに前半34分にラインアウトからの連続攻撃で3本目。CTBセブンスターを囮にしたパスからFL宮前がビッグゲイン。そのまま少ないフェーズでモメンタムで獲り切った。(21-0)
前半は東海大が21-0で制した。
すると21点ビハインドの京産大が、後半に逆襲する。
まず後半開始早々にキックリスタートから連続攻撃。強みのフィジカリティで着実にゲインを切りながら、高速テンポでワイド攻撃を展開。
最後は完璧な数的優位をつくりだし、SO吉本が逆襲の火蓋を切るチーム1本目(21-7)を奪った。
2本目はスクラムのペナルティから。お互いにフロントローが雄叫びを上げる一触即発の空気のなか、後半12分に京産大がペナルティ誘発。
ここからエリアを前進して徹底したフォワード勝負。激しい近接戦からチーム2本目を獲り、7点差(21-14)に迫った。
東海大にとって大きかったのは、少ないチャンスで獲り切ったことだ。
後半20分過ぎ、京産大のスクラムにプレッシャーを受けながらも、8人一体の低い姿勢で逆にペナルティを誘う。
ここから敵陣侵入。後半25分にチーム文化でもあるモールでHO川村がグラウンディング。26-14とリードを広げてみせた。
さらに後半34分にはスクラム・ターンオーバーまで披露。京産大のプッシュが緩む局面を見逃さなかった。
京産大も最終盤にハイテンポのワイドアタック。豊富な武器を示すチーム3本目を奪ったもののタイムオーバー。反撃は届かず、東海大が26-21で接戦を制した。
文: 多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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