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ラグビー コラム 2025年8月23日

女子ラグビーワールドカップ開幕、サクラフィフティーンは初戦でアイルランド代表と対戦

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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女子ラグビー日本代表先発メンバー

8月22日(金)に開幕した「女子ラグビーワールドカップ2025 イングランド大会」。「サクラフィフティーン」こと、女子日本代表(世界ランク11位)は、8月24日(日)にノーサンプトンのフランクリンズ・ガーデンでアイルランド代表(同5位)との初戦を迎える。

今年4月、史上初めてアメリカ代表に勝利し、7月には日本国内最後のテストマッチとなったスペイン代表戦に連勝した後、渡欧した女子日本代表。8月9日に大会前最後のテストマッチで、女子イタリア代表と対戦したが、15-33で敗れた。

その後、ヨーロッパに入ってからも準備を積み重ねてきた。3大会連続6回目の出場となるワールドカップの初戦に向けて、女子日本代表を率いて2大会目となるレスリー・マッケンジーHC(ヘッドコーチ)は、そのイタリア代表戦から先発はBK(バックス)1名を替えた布陣で挑む。

女子ラグビー日本代表先発メンバー

FW(フォワード)の第1列はイングランドでプレー経験のあるPR(プロップ)加藤幸子と、ワールドカップ初先発となるPR北野和子、初出場となるHO(フッカー)公家明日香の3人。

LO(ロック)はともに2大会目の出場となる佐藤優奈
吉村乙華の2人。FL(フランカー)はやはり2大会目となる川村雅未と、3大会目の出場となるキャプテンの長田いろは、NO8(ナンバーエイト)は3大会目のベテランの齊藤聖奈が務める。

BK(バックス)は、2017年大会の「ベスト15」に選ばれた3大会目の出場となるSH(スクラムハーフ)津久井萌と、2度目となるSO(スタンドオフ)大塚朱紗がハーフ団を組む。

CTB(センター)は、7人制で東京五輪に出場した弘津悠と、2度目となる古田真菜のコンビ。WTB(ウイング)には、イタリア代表戦で先発した畑田桜子がベンチに下がり、2大会目の今釘小町が11番に入り、14番には大学生3年で初出場の松村美咲と両翼を担う。FB(フルバック)は初出場の西村蒼空が務める。

控えにはHO谷口琴美、PR峰愛美永田虹歩、LO櫻井綾乃、FL細川恭子、SH阿部恵、SO/FB山本実、WTB/CTB畑田が控える。峰と畑田はベンチからワールドカップ初出場をうかがう。

マッケンジーHCは、「準備を続けていたサイクルからやっと抜け出し、大会が始まっていくという緊張感を高めていきたい。選手には積み重ねてきた準備を誇りに思ってほしい。初戦は大会の流れ、雰囲気、スタンダードの、全てを決めるキーとなる試合になる。この試合に勝つために準備してきた。ジャパンを世界に示す試合になる」と話した。

キャプテンのFL長田は、「チームはいい準備ができていて、今はすごく自信のある状態。今まで日本での合宿や海外遠征でやってきたこと、3年間積み上げてきたものを全部ぶつけて、アイルランドを倒したい」と腕を撫した。

LO佐藤は「試合ではアタックもディフェンスも前に出続けることと、相手はラインアウトや、セットプレーが得意だと思うが、そこに負けないようにラインアウトをリードしてチームにいい流れを持っていきたい」とコメント。

また、司令塔のSO大塚は、「自分がしっかりチームをドライブしていかないといけないという責任を感じた。アタック、ディフェンスともに身体を張り続けたい。前回大会では、スコアを取り切ることが課題になったので、しっかりスコアを取りたい」と語気を強めた。

イタリア代表戦では試合の入りが悪く、相手に主導権を握られた。日本代表としてはワールドカップ経験者を中心に、前半から積極的なアタックとディフェンスを見せて、トライを重ねてペースを掴み、格上から白星を奪いたい。

一方、2大会ぶり8回目の出場となるアイルランド代表のスコット・ベマンドHCも、初戦に臨むメンバーを発表。アイルランド代表は前回のニュージーランド大会に出場していないこともあり、23名中22名がワールドカップデビューとなる。

FW第1列は、PRニーヴ・オダウドと、カメルーン出身で経験豊富なリンダ・ジヨガン、イングランドでプレーし、2年連続でシックスネーションズのベスト15にも選出されているHOニーヴ・ジョーンズの3人で構成する。

LOはルース・キャンベルと、共同キャプテンのサム・モナガンの2人。バックローにはFLフィオナ・トゥイート、共同キャプテンのエデル・マクマホン、NO8はブリタニー・ホーガンが入った。

BKはSHエイヴィーン・ライリー、21歳のSOダナー・オブライエンがハーフ団を形成。CTBはイヴ・ヒギンズと、22歳で今年のシックスネーションズのベスト15にも選出されたイーファ・ダルトンの2人。WTBはアミ=リー・コスティガンとビーヴィン・パーソンズ、FBは7人制でパリ五輪に出場したステイシー・フラッドが入った。

ベンチには2017年大会に唯一出場したベテランのHOクリオナ・モロニー=マクドナルド、20歳のPRエレナ・ペリー、サイヴ・マクグラス、LOイーマ・コッリ=ファロン、FLグレース・ムーア、パリ五輪に出場したSHエミリー・レーン、CTBエンヤ・ブリーン、WTBアンナ・マクガンが名を連ねた。

ベマンドHCは、「大会前の試合をパフォーマンスの向上と、コンビネーションの調整を組み合わせたものとして活用してきた。この初戦でパフォーマンスと、結果を出すために適切なメンバーを選んだ。チーム全体に脅威となる選手たちがいて、フィニッシャーにもピッチに脅威をもたらす選手たちがいる。日本代表は何か策を隠しているでしょう。素晴らしい戦いになることを楽しみにしている」と自信をのぞかせた。

共同キャプテンのFLマクマホンは、メンバーのほとんどが初めてのワールドカップであることについて、「オリンピックに出場した選手もいる。彼女たちは、スポーツ界で想像できる最大の舞台でプレーした経験がある」。

「他の選手たちも皆、世界の舞台で戦うために、それぞれ異なる経験を持っている。動揺はまったく感じられないし、多くの選手が初めてのワールドカップであるようには見えない」と胸を張った。

日本代表はアイルランド代表戦の次に、前回大会王者のニュージーランド代表(同3位)との対戦が、8月31日に控えているだけに、何としてもこの初戦に勝利したい。アイルランド代表との対戦成績は1勝6敗。2017年ワールドカップでは14-24、2021年には12-15と善戦し、2022年は国内で29-10と勝利している。

サクラフィフティーンが格上から白星を挙げて、目標とする決勝トーナメント進出のベスト8に向けて好発進できるか。勝負のワールドカップ初戦は、日本時間8月24日(日)午後8:00にノーサンプトンのフランクリンズ・ガーデンでキックオフされる。

◆日本代表 試合日程(プールC)

・8月24日(日)アイルランド代表 @ノーサンプトン
・8月31日(日)ニュージーランド代表 @エクスター
・9月07日(日)スペイン代表 @ヨーク

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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