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ラグビー コラム 2025年8月19日

【ハイライト動画あり】早稲田大学、セットプレーで優位に立つもペナルティが響いて帝京大学に敗戦。大学ラグビー菅平合宿 練習試合

ラグビーレポート by 早稲田スポーツ新聞会
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ボールを展開するCTB野中

8月17日(日)、日本中のラガーマンが一堂に集う菅平の『サニアパーク』メイングラウンドで、夏の大一番、早稲田大学と帝京大学との一戦が行われた。

帝京大のキックオフで試合が始まると、序盤から早大のディフェンスの厚さが光る。前半2分、LO(ロック)栗田文介(スポ4=愛知・千種)と、FL(フランカー)田中勇成(教4=東京・早実)のダブルタックルで相手ペナルティを誘いターンオーバー。

さらに前半15分、自陣22mライン付近でのモールディフェンスでは、帝京大を完全に抑え込み、堅守を貫く。しかしその直後、一瞬の隙を突かれ痛恨のファーストトライを許してしまう。

すかさず反撃に出た早大は、HO(フッカー)清水健伸(スポ3=東京・国学院久我山)がインゴールにボールをねじ込み、5-7と反撃の狼煙をあげたところで前半戦が終了する。

後半もセットプレーで優位に立つ早大だったが、あと一歩のところで攻めきれない。後半8分、相手ラインアウトのアンストラクチャーから追加点を許すと、そこから立て続けに3トライを献上し、点差を広げられてしまう。

このまま終われない早大は、後半35分にモールで押し切り追加点をあげると、試合終了間際にSO(スタンドオフ)服部亮太(スポ2=佐賀工)が個人技でラインブレイク。反応したWTB(ウィング)山下恵士朗(スポ2=早稲田佐賀)がインゴールに沈めたが、17-35で試合終了。苦汁を舐める夏の一戦となった。

大学ラグビー 菅平合宿 2025

【ハイライト】練習試合 帝京大学 vs. 早稲田大学

春の連戦を終え、全国のラガーマンたちの合宿シーズンとなる真夏のこの時期は、秋に控える関東大学対抗戦前にライバルたちと手合わせができる最後のチャンスでもある。

その中でも早大と帝京大のカードは多くのファンが注目する試合だ。今夏はどっちが強いのか。多くの観客の期待が高まる中、帝京大のキックオフで試合の火蓋は切って落とされた。

試合開始直後からお互い一歩も譲らぬ攻防が繰り広げられる。前半2分、栗田と田中の鋭いダブルタックルでターンオーバーを演出すると、その後もディフェンスフェーズ中にジャッカルに成功。

フィジカルバトルで優位に立った早大は、セットプレーでも鉄壁を見せつけた。8分、ファーストスクラムでプレッシャーをかけ、ペナルティを獲得すると一気に敵陣へ攻め込む。敵陣22mライン付近でラインアウトを獲得した早大はサインプレーで絶え間なくアタックを展開するが、ペナルティーを犯しエリアを自陣22mラインまで戻されてしまう。

しかし、堅守の早大は自陣でのモールディフェンスで、帝京大FW(フォワード)に一度も前進を許さず、これを防ぎきる。いい流れに思えたのも束の間、早大右サイドに数的有利の状況を作った帝京大に、一瞬の隙を突かれ痛恨のファーストトライを許してしまう。

ディフェンスでは一貫した精度の高さを維持するも、アタックではミスやペナルティに苦しめられた早大だが、徐々に攻撃のギアをあげていく。

力強くディフェンスに仕掛けるLO栗田

33分、栗田のビッグゲインから、トライラインに迫り猛攻を仕掛けるも、ボールが手につかずノックオン。このまま試合を折り返すかと思われたが、スクラムで帝京大が2度のアーリーエンゲージの反則を犯し、前半ラストワンプレーは早大のアタックターンとなる。

敵陣22mライン内のラインアウトからCTB(センター)黒川和音(人4=茨城・茗渓学園)がラインブレイクすると、SO(スタンドオフ)野中健吾主将(スポ4=東海大大阪仰星)の持ち出しに反応して、内側に走り込んだ清水が待望のトライを叩き込み、5-7でファーストハーフが終了する。

後半戦も「相手のディフェンスのプレッシャーや、自分たちのミスのせいで上手く攻めれなかった」と服部が振り返るように、早大は自らのペナルティに苦しめられる展開となる。

後半3分、相手スクラムで反則を犯し自陣に攻め込まれるも、追加点だけは阻止したい早大は鉄壁を崩さず、モールディフェンスで帝京大を押し返す。5分には服部とPR(プロップ)杉本安伊朗(スポ3=東京・国学院久我山)がブースターとして投入され、攻撃のテンポに拍車がかかる。

しかし、真紅のジャージーの圧力を前に、なかなかトライに結び付けられずにいると、確実なプレーを重ねる帝京大に10分間でノーホイッスルトライを含む、3トライを献上し、5-28と点差を広げられてしまう。

依然、セットプレーではトライエリアへの侵入を許していなかった早大だが、24分にとうとうモールを押し込まれてしまい、さらに7点を追加される。

やられたままでは終われない早大は28分、再びモールを形成した帝京大を完璧に抑え込み、ノックオンを誘う。スクラムからフェーズを重ね、栗田がディフェンスラインを突破しゲイン。キックで陣地を押し戻すと、見事なキックチェイスで帝京大はたまらずサイドラインを割る。

ゴール前でラインアウトを獲得した早大は、モールでトライラインを叩き、キックを服部が冷静に決め、流れを再び引き寄せる。その流れのまま、帝京大のキックオフボールをキャッチした早大は、自陣でフェーズを重ねる。

ラインブレイクするSO服部

9シェイプの裏にポジショニングしていた服部がボールを受け取り、ラインブレイクをすると、グラウンド左奥に絶妙なキックを放つ。抜け出しに反応していた山下が持ち味の快速でそのままインゴールに飛びこみ一矢報いるも、試合終了のホイッスルが鳴り17-35で今夏は黒星を喫することとなった。

試合後に栗田をはじめとした多くの選手が振り返ったように、「ペナルティの多さが点数に響いた」ことは明らかである。しかしながら、モールディフェンスをはじめとするセットプレー、コリジョンバトルにおいては優位に立った場面が数多く見られたことも事実。

次戦の天理大学も紛れもない強敵だ。選手たちが今回の結果をどのように捉え、いかにミスを少なくしていくかが、次戦のスコアに表れてくるだろう。秋の対抗戦で雪辱を晴らすためにも、決して妥協の許されない日々が続いていく。早大のこれからの躍進から目が離せない。

文:堀内遥寿/写真:清水浬央、大林祐太、伊藤文音(早稲田スポーツ新聞会)

早稲田スポーツ新聞会

早稲田スポーツ新聞会

1959(昭和34)年創刊。人気の野球、ラグビーを中心に早大体育会44部をくまなく取材し、年12回の新聞発行およびWebやSNSによる情報発信を行う。現在部員170名で活動。»早スポHP»Twitter»Facebook

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