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ラグビー コラム 2025年8月14日

ラグビー日本代表、パシフィックネーションズカップに向け合宿メンバーを発表。リーチ、齋藤直人らが不参加、伊藤鐘平と山本秀が初参加

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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エディ・ジョーンズHC

8月末に開幕する「パシフィックネーションズカップ2025」(PNC)に向け、エディー・ジャパンが再始動する。8月12日(火)、日本代表合宿参加メンバー37名が発表され、14日(木)にはエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が、オンライン会見を開いた。

合宿参加メンバー37名を見ると、7月にキャプテンを務めたベテランのFL(フランカー)リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)、フランスでプレーしているSH(スクラムハーフ)齋藤直人(トゥールーズ)などが不参加となった。

一方、今回の合宿から新たに6人が参加する。初めて日本代表合宿に参加するのはLO(ロック)伊藤鐘平(ブレイブルーパス)、JAPAN XVの合宿に参加していた山本秀(リコーブラックラムズ東京)の2人。

伊藤は伊藤鐘史FW(フォワード)コーチの実弟で、兄弟で日本代表に参加することになった。「LOの層が薄いので育成していきたい。伊藤、山本の2人はポテンシャルがあって、安定的なプレーができるかもしれないと選んだ」(ジョーンズHC)。

FLサウマキ アマナキ(横浜キヤノンイーグルス)、FLティエナン・コストリー(コベルコ神戸スティーラーズ)、2023年ワールドカップに出場したWTB(ウイング)長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ)は今年初の日本代表メンバー入りとなり、WTB木田晴斗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)はエディー・ジャパンとなって初の参加となる。

11人がケガや個人的な都合で参加できなかったようだが、今回発表されたスコッドに関して、ジョーンズHCは「強いスコッドだと思う。手応えを感じているメンバーで、誇らしいプレーをしてくれるとだろう」。

「PNCでは、自分たちのラグビーを発展させていきたい。超速ラグビーのアイデンティティーは確立できたと思うが、さらに発展させて、勝てるようなラグビーを構築したい」と話した。

新たなキャプテンは8月30日のカナダ代表戦の前に発表される予定で、アメリカ遠征には、今回選ばれた37名から30名が参加する。

空中戦がポイントとエディ・ジョーンズHC

PNCに向けて、特に着手したいところを聞くと指揮官は「1試合に30回以上ある空中戦に勝たなければいけない。ウェールズ代表との2戦目は、空中戦に勝てなかったので負けて、(ウェールズ代表との)初戦では空中戦に勝てたので勝てた」。

「ここをしっかり強化しないといけないし、日本代表としての独自のやり方を構築していかないといけない」と語気を強めた。

空中戦で特に期待している選手を聞かれてジョーンズHCは、個人よりチームの戦略で考えていると話した上で、「個人を挙げるのであれば、WTB石田(吉平/横浜キヤノンイーグルス)」。

「身長が低い選手にかかわらずものすごく飛べる。空中戦でずば抜けた能力がある。WTB長田は度胸があり、フィットしてきたのでスコッドに入っている。WTB木田は大きくて強くて、空中で競ることのできる度胸のある選手です。WTB石田が成長してポジティブなところに、この2人を強化していきたい」と話した。

また、ディフェンス担当コーチに、かつて神戸製鋼でも指揮を執っていたギャリー・ゴールド氏が正式に就いた。

「ゴールドは経験値の高いコーチで、イングランドのクラブチームでも経験があり、インターナショナルレベルでは、南アフリカ代表の黄金期で4年間コーチし、アメリカ代表のHCも務めた。彼とともに素早く動けるディフェンスを構築したいし、それに早速、着手していきたい」。

今年のPNCは、2027年ワールドカップの出場権を得ている日本代表(世界ランキング14位)、フィジー代表(9位)以外、カナダ代表(25位)、アメリカ代表(16位)、サモア代表(13位)、トンガ代表(19位)の4ヵ国はワールドカップ予選を兼ねている。

日本代表はカナダ代表、アメリカ代表と予選プールで、2位以内に入れば4試合行う(3位の場合は3試合)。世界ランキングで下の相手から、上の相手と対戦できる絶好のチャンスとなろう。

昨年のPNCでは、日本代表は決勝でフィジー代表に決勝で敗れた。ジョーンズHCは、「今回は日本代表にとって素晴らしい大会になるので楽しみ。カナダ代表、アメリカ代表と対戦があり、その後、準決勝、決勝と勝ち進んでいくことが我々の目標。昨年は2位で終えたが、さらに上位で終えたい」と腕を撫した。

8月15日からFWは東京、BK(バックス)は宮崎と分かれて始動し、まずは30日の初戦となるカナダ代表戦に向けて注力していく。

【日本代表合宿メンバー37名】

(所属チーム/キャップ数)
★:代表初招集 ☆:今年初招集

◆FW:22名

PR紙森陽太(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/2)
PR小林賢太(東京サントリーサンゴリアス/0)
PR木村星南(東芝ブレイブルーパス東京/1)

HO江良 颯(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/1)
HO佐藤健次(埼玉パナソニックワイルドナイツ/0)
HO原田 衛(―/12)

PR木原三四郎(東京サントリーサンゴリアス/0)
PR竹内柊平(東京サントリーサンゴリアス/15)
PR為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/11)

LO伊藤鐘平(東芝ブレイブルーパス東京/0)★
LOエピネリ・ウルイヴァイティ(三菱重工相模原ダイナボアーズ/8)
LOワイサケ・ララトゥブア(コベルコ神戸スティーラーズ/2)
LOワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京/23)
LO山本 秀(リコーブラックラムズ東京/0)★

FL奥井章仁(トヨタヴェルブリッツ/0)
FLベン・ガンター(埼玉パナソニックワイルドナイツ/11)
FLサウマキアマナキ(横浜キヤノンイーグルス/5)☆
FLジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ/22)
FL下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス/14)
FLティエナン・コストリー(コベルコ神戸スティーラーズ/6)☆
FLファカタヴァアマト(リコーブラックラムズ東京/14)
NO8マキシファウルア(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/16)

◆BK:15名

SH北村瞬太郎(静岡ブルーレヴズ/1)
SH福田健太(東京サントリーサンゴリアス/1)
SH藤原 忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/12)

SO中楠一期(リコーブラックラムズ東京/2)
SO李 承信(コベルコ神戸スティーラーズ/20)

CTBチャーリー・ローレンス(三菱重工相模原ダイナボアーズ/0)
CTB中野将伍(東京サントリーサンゴリアス/9)
CTBシオサイア・フィフィタ(トヨタヴェルブリッツ/16)
CTBディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/30)

WTB石田吉平(横浜キヤノンイーグルス/2)
WTB長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ/17)☆
WTB木田晴斗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/0)☆
WTBマロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ/8)

FBサム・グリーン(静岡ブルーレヴズ/1)
FB竹之下仁吾(明治大学3年/0)

※SH土永旭(横浜キヤノンイーグルス)がバックアップメンバーとして東京合宿に参加

◆「パシフィックネーションズカップ2025」日程

※プールA:フィジー代表、サモア代表、トンガ代表
※プールB:日本代表、カナダ代表、アメリカ代表

・8月30日(土)17:00 宮城・ユアテックスタジアム仙台
 プールB:日本代表vs.カナダ代表

・9月7日(日)10:05 サクラメント(アメリカ)
 プールB:日本代表vs.アメリカ代表

・9月15日(月) デンバー(アメリカ)
 準決勝or5位決定戦

・9月21日(日) ソルトレイクシティ(アメリカ)
 3位決定戦or決勝

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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