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ラグビー コラム 2025年8月8日

エディ・ジョーンズHC、ウェールズ代表2連戦を振り返り、ラグビー日本代表の強化ポイントを4つ示す

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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報道陣に語りかけるエディ・ジョーンズHC

8月7日(木)、東京都内で男子15人制日本代表を率い、今夏のテストマッチシリーズを終えたエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が、メディアブリーフィングを行った。

再び、日本代表を率いて1年半が経った。7月は1勝1敗だったウェールズ代表とのテストマッチシリーズで、ジョーンズHCは4つのエリアについて学んだという。

「1つ目は、感情をどうコントロールするかというスキルを育成しないといけない。(1戦目で勝利した後)ウェールズ代表の2戦目、若手からすると 2戦目に照準合わせるのは大変で、訓練が必要です。そこに着手していく」。

「2番目はアタックのバランス。近年のラグビーは、空中でのコンテストが激化している。各試合で30回、空中のコンテストがある。キックを交えながら、アタッキングゲームをしないといけない。(8月末からの)PNC(パシフィックネーションズ・カップ)で発展させていきたい」。

「3つ目はディフェンスの安定。すぐに発表されるが、新しいディフェンスコーチの下、容赦ないディフェンスのスタイルを確立していきたい」。

「4つ目は、リーダーシップを強化、育成しないといけない。ウェールズ代表では、リーチ(マイケル)が戻ってきた。素晴らしい仕事をしてくれた」。

「だが、キャリアの終盤を迎えている選手で、毎回最後だという気持ちでやっている。彼のリーダーシップがなくなったところで、誰がそこを埋めるか。PNCでは、そこを強化、育成する絶好のチャンスだと思う」と語った。

ウェールズ代表との2試合で、ラック周り、ブレイクダウンの評価は?と聞かれて指揮官は、「基本的には良かった。ただ、ファーストフェーズは良くなかった」。

「2戦目では、ファーストフェーズで4回、ターンオーバーされた。また、2戦目は相手のダブルジャッカルに対処することができなかった。だが、方向性は間違っていないと思う」と話した。

また、8月上旬までオーストラリアで行われていた、ブリティッシュ&アイリッシュライオンズのツアーもジョーンズHCは大いに楽しんだようだ。

日本代表の強化について語る

ジョーンズHCは、「(ライオンズvs.オーストラリア代表)特にテストマッチの2戦目は、久々に素晴らしいテストマッチを見た。ジャパンがトップレベルで戦うとなると、あのような試合でも競らないといけない」。

「我々もラック周りで、かなりハードにプレーして、すぐに動かして大きなスペースにボールを運ぶ。スキル、パワー、ペースが必要。そして、しっかりチャンスをものにする」。

「常にラグビーは発展している。日本代表は新しい戦い方を見いださないといけない。他のチームを真似ることはできない。大きなチャレンジ」と振り返った。

また、2015年ワールドカップで、自身が日本代表を率いて南アフリカ代表に勝利した「ブライトンの奇跡」から、9月で10年になる。

日本代表が南アフリカ代表に勝利した影響を聞かれて、ジョーンズHCは「ラグビーがポピュラーなスポーツになり、子どもたちがラグビーをやりたいと思ったり、多くのスポンサーがラグビーに注目したり、他国もジャパンとの対戦を望んだと思う」。

「そして自分たちが大舞台に立ち、トップの仲間入りできた。リーグワンがプロになる火付け役になったのかもしれない」と懐かしそうに話した。

さらに、11月上旬には日本代表と、その南アフリカ代表が対戦する可能性が浮上している。南アフリカ代表と対戦したいのか?と聞かれて、ジョーンズHCは「世界のベストチームとプレーすると学べる。それ以上のものはないと思う」。

「時間もスペースもない、そして、フィジカル的にも圧倒されることがわかっている。そういう環境の中でプレーしないと経験できないことがある。実現すれば素晴らしいチャンスだし、世界のベストチームに対して、自分たちがどこにいるか、ベンチマークとなる」。

「南アフリカ代表は、パワーゲームを新しいレベルまで引き上げている。我々は真逆のことをしなければいけない。素晴らしいチャンスだし、実現することを願っている」と話した。

また、PNCを経て、秋のテストマッチ期間では、国内でオーストラリア代表と対戦。その後、渡欧しアイルランド代表、ウェールズ代表の強豪との対戦が控えている。

そのことに関して指揮官は、「テストマッチごとに成長すること。しっかりと 相手に対して攻めの姿勢を取り、ジャパンらしく戦う。それを各テストマッチで長い時間できるようにしていきたい。PNCの後、素晴らしいツアーが控えている」と先を見据えた。

「今は(8月30日の)カナダ代表戦しか考えていない」と話す指揮官に、2027年ワールドカップはどんな大会にしたいか?とたずねると、「2015年、2019年ワールドカップは、世界中がジャパンを見たいという大会だった。それをもう1回やりたい。ワールドカップの初戦の前日までには、それを達成できるようなチームを作りたい」と語気を強めた。

8月中旬にPNCに向けたラグビー日本代表が発表される予定だ。ジョーンズHCは再び、目の前のコーチング、テストマッチに集中していく。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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