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ラグビー コラム 2025年7月28日

ベスト8に挑む日本代表メンバーが決定。女子ラグビーワールドカップ

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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ワールドカップに挑むラグビー女子日本代表

女子日本代表が、スペイン代表に2連勝を飾った翌日の7月27日(日)、日本ラグビー協会は、8月下旬にイングランドで開幕する女子ラグビーワールドカップに臨む、「サクラフィフティーン」こと、女子ラグビー日本代表のワールドカップ登録メンバー32名(FW:20名、BK:12名)を発表した。

登壇者は2大会前にチームを率いた有水剛志ナショナルチームディレクター、前回大会に続き、指揮官を務めるレスリー・マッケンジーHC(ヘッドコーチ)、そして3大会目の出場となるキャプテンのFL(フランカー)長田いろはの3名だった。

左から有水剛志ディレクター、長田いろは主将、レスリー・マッケンジーHC

最初に32名の選手の名前がマッケンジーHCによって読み上げられた。選手の多くは、会見の直前、SNSでメンバーに入ったことを知ったという。36名で合宿していたため、4名が惜しくも渡欧することはかなわなかった。

SH(スクラムハーフ)は2名の選出となった。2人のうちどちらかがケガした場合は、SHとしてプレーできるWTB(ウィング)安尾琴乃が、スペイン代表との第1テストで負傷したため、合宿に参加していたSH妹尾安南が追加で招集される予定だという。

32名の構成を見てみると、3大会連続出場が長田キャプテンを筆頭にNO8(ナンバーエイト)齊藤聖奈、SH津久井萌、SO(スタンドオフ)山本実の4名。そして、2大会目の選手が16名(櫻井綾乃のみ、2017年大会と今大会選出)、そして初出場となる選手は大学生4人を含む、12名とバランスの良い構成となった。

一番のベテランは3大会連続出場の齊藤(49キャップ)で、最年少は大学3年生のPR(プロップ)町田美陽、WTB松村美咲の2人となった。32名の所属チームの内訳を見ると、『横河武蔵野アルテミ・スターズ』『MIE PEARLS』『東京山九フェニックス』の3チームから、最多となる6名が選出された。

有水ナショナルチームディレクターは、「2025年ワールドカップに、女子代表が3大会連続で出場することになる。ベスト8をターゲットにこれまで強化をしてきた。アイルランド代表戦からニュージーランド代表戦、スペイン代表戦と3つの試合で、必ずプールステージを突破して、ノックアウトステージまで進んでいくものと思っている」と話した。

日本代表を率いて2度目W杯出場となるマッケンジーHC

続いてマッケンジーHCは、「メンバーを発表できて、とてもうれしく思っているし、全員のことを誇りに思っている。(前回の)3年前とは全く違ったチームとなったが、違う形でのチャレンジが待ち受けている」と話した。

そして、メンバー選考に関して「競争力があり、フィジカルでポジティブなグループを作った。チームとしても個人としても、それぞれがチャレンジングな環境に行き、お互いにライバル争いを熾烈にする環境を築き上げてきたのは、プレイヤー自身の力。ヘッドコーチとしては、とても悩ましい問題ではあったが、選考は素晴らしい結果になっていると思う」と胸を張った。

前回大会から手応えを感じているところを聞かれると、「合宿に充てられる時間、一緒にツ遠征に行く時間、そして常に一致団結しながらトレーニングをする時間が増えたことも、前回の大会からチームとしてレベルアップができた大きな要因」。

「また(FWコーチのマーク・ベイクウェル、BKコーチのベリック・バーンズなど)スタッフ陣も充実したと実感をしている。コーチ陣の充実は、大きく3年間で変わったと思う。準備や試合、プレーに臨む自信はプレーヤーの情熱や、周りに裏付けされるものだと思う。大会のパフォーマンスに関しては迷いはない」と語気を強めた。

3度目の出場となる長田キャプテン

3回目の出場となるFL長田キャプテンは「メンバー発表や記者会見があり、本当にもうワールドカップだなという実感が湧いている。どの試合もチャレンジングな試合になると思うが、サクラフィフティーンの準備してきたことをしっかり出し切って、プール戦を突破してベスト8以上を目指していく」と前を向いた。

大会にどういった気持ちで臨むかと聞かれて、スキッパーは「初めてキャプテンとして臨む大会なので、行ってみないとわからない緊張感や、プレッシャーがあると思うが、自分らしくいきたい」。

「どこのチームも大会に向けて、しっかり準備してきていると思うので、3試合ともチャレンジングな試合になると思っている。その中でも、私たち自身にフォーカスを当てて、他の国に負けないぐらい、しっかり準備をしてきたので自信を持って戦いたい」と腕を撫した。

チームは8月2日に渡欧し、イタリアで合宿。9日にはワールドカップ前、最後のテストマッチであるイタリア代表戦に臨む。

サクラフィフティーンが目指すのは予選プールを突破してのベスト8以上だ。まずはワールドカップの初戦、8月24日のアイルランド代表戦勝利に向けて一致団結して、準備を重ねていく。

◆2025年ワールドカップ試合予定(プールC)

・8月24日(日)アイルランド代表@ノーサンプトン
・8月31日(日)ニュージーランド代表@エクスター
・9月07日(日)スペイン代表@ヨーク

◆2025年女子ワールドカップ 女子日本代表登録メンバー
※ポジション 選手名(所属チーム/在籍先/キャップ数)

◯:ワールドカップ2大会目
◎:ワールドカップ3大会目

・PR加藤幸子(横河武蔵野アルテミ・スターズ/セコム/29)◯
・PR北野和子(MIE PEARLS/住友電装/21)◯
・PR小牧日菜多(東京山九フェニックス/山九/21)◯
・RP永田虹歩(MIE PEARLS/株式会社誠文社/29)◯
・PR町田美陽(日本経済大学女子ラグビー部/日本経済大学3年/3)
・PR峰愛美(日本体育大学ラグビー部女子/日本体育大学4年/11)

・HO公家明日香(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/後藤衛生コンサルタント/21)
・HO小鍛治歩(東京山九フェニックス/OSPホールディングス/11)
・HO谷口琴美(横河武蔵野アルテミ・スターズ/エヌケイエス/25)◯

・LO櫻井綾乃(横河武蔵野アルテミ・スターズ/NTTファシリティーズ/22)◯
・LO佐藤優奈(東京山九フェニックス/山九/23)◯
・LO吉村乙華(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/埼玉縣信用金庫、28)◯

・BR川村雅未(横河武蔵野アルテミ・スターズ/三幸学園 東京リゾート&スポーツ専門学校/21)◯
・BR向來桜子(日本体育大学ラグビー部女子/日本体育大学4年/21)◯
・BR齊藤聖奈(MIE PEARLS/エイワテック/49)◎
・BR長田いろは(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/関東食糧/39)◎※キャプテン
・BR細川恭子(MIE PEARLS/住友電装/17)◯
・BRンドカ ジェニファ(北海道バーバリアンズディアナ/メディカルシステムネットワーク/14)

・SH阿部 恵(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/アールディーシー/31)◯
・SH津久井萌(横河武蔵野アルテミ・スターズ/リベスト/41)◎

・SO大塚朱紗(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/ワンロジスティクス/35)◯
・SO山本 実(YOKOHAMA TKM/37)◎

・CTB安藤菜緒(BRAVE LOUVE/バリュエンスホールディングス/12)
・CTB小林花奈子(横河武蔵野アルテミ・スターズ/湘南鎌倉総合病院/20)
・CTB畑田桜子(日本体育大学ラグビー部女子/日本体育大学4年/8)
・CTB古田真菜(東京山九フェニックス/(株)NTTファシリティーズ/35)◯

・WTB今釘小町(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/オキナヤ/30)◯
・WTB香川メレ優愛ハヴィリ(ナナイロプリズム福岡/セルソース/5)
・WTB松村美咲(東京山九フェニックス/早稲田大学3年/12)

・FB西村蒼空(MIE PEARLS/長工/20)
・FB松田凜日(東京山九フェニックス/TOPPAN/14)◯

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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