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【ハイライト動画あり】國學院栃木、「夏のセブンズ」を制し初の全国タイトル。大分東明は2年連続で準優勝。全国高校7人制ラグビー大会
ラグビーレポート by 斉藤 健仁初優勝の國學院栃木
12回目を数える『全国高校7人制ラグビー大会』が、長野・菅平高原『アンダーアーマー菅平サニアパーク』で、7月23日(水)~25日(金)に開催された。全国の予選を勝ち抜いた47都道府県代表校と、昨年の優勝校である桐蔭学園(神奈川)の48校が参加した。
3チームずつ、16のプールで予選を行い、カップ(予選プール1位チーム)、プレート(2位チーム)、ボウル(3位チーム)の各トーナメント戦を行い、それぞれ勝者を決める。つまり、カップトーナメント優勝が夏の王者となる。
大会1日目は、A~Pの16の予選プールに分かれて2試合ずつ行われた。プールAは優勝経験のある東海大大阪仰星、プールBは昨年準優勝だった大分東明(大分)、プールCも優勝実績のある流通経済大柏(千葉)、プールDは県予選で佐賀工業に勝利した早稲田佐賀(佐賀)が1位。
プールEは京都工学院(京都)、プールFは松山聖陵(愛媛)、プールGも優勝経験のある報徳学園(兵庫)、プールHは過去3回優勝している東福岡(福岡)が2連勝で、日本一を争うカップトーナメントに進出した。
プールIは初出場の長崎北(長崎)、プールJは準優勝経験のある國學院栃木(栃木)、プールKは倉敷(岡山)、プールLは天理(奈良)、プールMは連覇を狙う桐蔭学園(神奈川)が力を発揮し、プールNは土佐塾(高知)、プールOは伝統校の仙台育英(宮城)、プールPは東海大相模(神奈川)がそれぞれ2連勝で、カップトーナメントに駒を進めた。
ダブルタックルで相手を止める國學院栃木
大会2日目は各トーナメントの1・2回戦が行われ、カップトーナメントでは昨年準優勝の大分東明(大分)、過去3度の優勝を誇る東福岡(福岡)、準優勝2度の國學院栃木(栃木)、昨年優勝の桐蔭学園(神奈川)の4校が準決勝に進んだ。
◆カップトーナメント1回戦
大分東明(大分)21-14 東海大大阪仰星(大阪)
早稲田佐賀(佐賀)28-12 流通経済大柏(千葉)
京都工学院(京都)26-19 松山聖陵(愛媛)
東福岡(福岡)12-7 報徳学園(兵庫)
國學院栃木(栃木)33-5 長崎北(長崎)
天理(奈良)26-0 倉敷(岡山)
桐蔭学園(神奈川)31-0 土佐塾(高知)
東海大相模(神奈川)12-14 仙台育英(宮城)
◆カップトーナメント2回戦
大分東明 35-19 早稲田佐賀
東福岡 28-12 京都工学院
國學院栃木 40-5 天理
桐蔭学園 33-12仙台育英
大会3日目は各トーナメント準決勝、決勝などが行われた。カップトーナメントの準決勝は大分東明vs.東福岡、國學院栃木vs.桐蔭学園が行われた。第1試合は大分東明が34-12で勝利し、2年連続決勝に進出。第2試合は國學院栃木が、昨年優勝の桐蔭学園に19-0で勝利し、桐蔭学園の4大会連続全国大会日本一を止めた。
第12回全国高等学校7人制ラグビーフットボール大会2025
【ハイライト動画】カップトーナメント 決勝:國学院栃木 vs. 大分東明
決勝はともに今大会初優勝、そして初の高校日本一のタイトルを狙う國學院栃木vs.大分東明の激突となった。
カップトーナメントMVPの池田
先手を取ったのは國學院栃木だった。固いディフェンスからボールを奪取し、前半2分、自陣からボールを動かして池田健心(3年)が中央にトライ。家登正宜(3年)がゴールを決めて7点を先制。さらに7分、粘り強くボールを継続し、最後は再び池田が右中間にトライを挙げて、14-0とリードを広げてハーフタイムを迎えた。
14点を追う大分東明は、後半開始早々の1分、ボールを左に展開し、黒岩稜(3年)が内側にステップを切ってトライを挙げ、7点差に追い上げた。
後半4分、國學院栃木が攻め込んだがノックフォーワード。ただ、相手ボールのスクラムにプレッシャーをかけてミスを誘い、すぐにターンオーバー。これを左に展開し、最後は1年の白谷怜大がステップを切って左中間にトライを挙げて、再び14点差とした。
6分にも國學院栃木は、白谷が左隅にトライを挙げ、ラストプレーでも相手ミスでこぼれたボールをキャプテンの福田恒秀道(3年)が拾い上げて中央にトライを挙げてノーサイド。5トライを挙げた國學院栃木が33-7で快勝し、悲願の初の高校日本一を達成した。
MVP:左から難波(ボウル/石見智翠館)荒木(中部大春日丘/プレート)、池田(カップ/國學院栃木)
カップトーナメントのMVPには、決勝で2トライを挙げた國學院栃木の池田が選出。「MVPになれると思っていなかったのでうれしい。セブンズアカデミーの経験が活きたと思う。気持ちで負けなかったことが大きかった」。
プレートトーナメントは、決勝で中部大春日丘(愛知)が早稲田実業(東京)を22-21で下し優勝、MVPには荒木奨陽(3年)が選ばれた。ボウルトーナメントは石見智翠館(島根)が決勝で尾道(広島)に21-12で勝利し、MVPには難波剛司(3年)が選出された。
初の日本一に輝いた國學院栃木の吉岡肇監督(今大会は部長)は「日本一は初体験なので感無量。全試合で失点は0か5か、7点で2トライ取られる試合はなかった。ディフェンスの勝利。國栃らしく、誰がというよりか、國栃ファミリーの力での優勝だった」と感慨深げだった。
監督の息子・吉岡航太郎コーチ(7人制大会は監督)は「7月5日頃からセブンズの練習をした。(キャプテン福田恒秀道の父でセブンズのコーチ)福田恒輝コーチに落とし込みをしてもらった。僕は福田コーチの教え通りに指導し、恒(秀道)も池田もセブンズアカデミーの経験があるので、主体性を持ってチームトークしていた」と選手を称えた。
右が福田恒秀道キャプテン
福田キャプテンは「セブンズの練習が始まったときから日本一と言ってきて、自分たちの代で初優勝できてうれしい。自分たちが一番きつい練習をしてきた自負があり、全員がきついときにハードワークできたことが優勝できた要因だと思う」。
「ゼブンズを通して、チームの一体感が出てきて、1人1人がチームのためにプレーしてくれた。花園にもつながる」と冬を見据えた。
15人制の関東大会で優勝し、全国高校生セブンズで高校初のタイトルを奪取した國學院栃木。少し休んだ後、15人制ラグビーに切り替えて、今シーズンこそ花園で初の日本一を狙っていく
初の日本一に輝いた國學院栃木
◆予選プール結果
プールA:東海大大阪仰星(大阪/カップトーナメント進出)
東海大大阪仰星21-12立命館慶祥(北海道)
立命館慶祥34-5高川学園(山口)
東海大大阪仰星45-14高川学園
プールB:大分東明(大分)
大分東明38-12秋田工業(秋田)
秋田工業59-0飯田(長野)
大分東明40-0飯田
プールC:流通経済大柏(千葉)
城東(徳島)31-7倉吉東(鳥取)
流通経済大柏66-0倉吉東
流通経済大柏38-10城東
プールD:早稲田佐賀(佐賀)
早稲田佐賀42-7東海大静岡翔洋(静岡)
東海大静岡翔洋28-19黒沢尻北(岩手)
早稲田佐賀43-21黒沢尻北
プールE:京都工学院(京都)
名護(沖縄)36-7山形南(山形)
京都工学院33-12名護
京都工学院62-0山形南
プールF:松山聖陵(愛媛)
松山聖陵36-7日本航空石川(石川)
昌平(埼玉)33-0日本航空石川
松山聖陵26-17昌平
プールG:報徳学園(兵庫)
早稲田実業(東京)26-0石見智翠館(島根)
報徳学園40-21石見智翠館
報徳学園40-19早稲田実業
プールH:東福岡(福岡)
東福岡33-12富山第一(富山)
茗溪学園(茨城)19-17富山第一
東福岡42-7茗溪学園
プールI:長崎北(長崎)
長崎北66-0若狭東(福井)
長崎北50-0東海大甲府(山梨)
東海大甲府54-5若狭東
プールJ:國學院栃木(栃木)
國學院栃木38-0高鍋(宮崎)
高鍋45-5熊野(和歌山)
國學院栃木33-7熊野
プールK:倉敷(岡山)
岐阜聖徳学園(岐阜)21-14松韻学園福島(福島)
倉敷36-12松韻学園福島
倉敷42-26岐阜聖徳学園
プールL:天理(奈良)
桐生第一(群馬)33-5熊本工業(熊本)
天理57-5桐生第一
天理36-0熊本工業
プールM:桐蔭学園(神奈川)
桐蔭学園17-5尾道(広島)
桐蔭学園28-22中部大春日丘(愛知)
中部大春日丘41-17尾道
プールN:土佐塾(高知)
土佐塾19-17開志国際(新潟)
土佐塾26-10青森山田(青森)
開志国際47-15青森山田
プールO:仙台育英(宮城)
鹿児島実業(鹿児島)43-28光泉カトリック(滋賀)
仙台育英33-7光泉カトリック
仙台育英26-12鹿児島実業
プールP:東海大相模(神奈川)
東海大相模35-0高松北(香川)
高松北26-14朝明(三重)
東海大相模47-12朝明
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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