ツアー7連勝中のブリティッシュ＆アイリッシュ・ライオンズ、ワラビーズとのテストマッチ第2戦に挑む

B＆I・ライオンズvs.オーストラリア

イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの代表で構成され、4年に1度結成されるドリームチーム「ブリティッシュ＆アイリッシュ・ライオンズ」。今夏は12年ぶりにオーストラリアに遠征、残りはテストマッチ2戦となった。

7月26日（土）はワラビーズこと、オーストラリア代表とのテストマッチの第2戦がメルボルンの『メルボルン・クリケット・グラウンド』（MCG）で行われる。

ライオンズは6月28日（土）のフォース戦を皮切りに、これまでオーストラリアで7試合を戦い、7月19日（土）のワラビーズとの第1テストマッチには27-19、22日（火）に行われた、ファーストネーションズ＆パシフィカXV戦に24-19と勝利し、ツアーでは負けなしの7連勝。

アンディ・ファレルHC（ヘッドコーチ）は、ワラビーズとの第1戦からFW（フォワード）2名、BK（バックス）1名の計3名の先発を入れ替えた。

ブリティッシュ＆アイリッシュ・ライオンズ

FWは、左PR（プロップ）にアンドリュー・ポーター（アイルランド）が先発。エリス・ゲンジ（イングランド）がベンチに下がり、HO（フッカー）ダン・シーハン（アイルランド）、右PRタイグ・ファーロン（アイルランド）と、アイルランド代表＆レンスターのトリオが第1列を構成する。

LO（ロック）はキャプテンのマロ・イトジェ（イングランド）と、ジョー・マッカーシーに替わってオリー・チェッサム（イングランド）が先発。バックローに変更はなく、FL（フランカー）タイグ・バーン（アイルランド）、トム・カリー（イングランド）、NO8（ナンバーエイト）ジャック・コナン（アイルランド）となった。

BK（バックス）は、SH（スクラムハーフ）ジャミソン・ギブソン＝パーク（アイルランド）、SO（スタンドオフ）フィン・ラッセル（スコットランド）が今回もハーフ団を組む。

インサイドCTB（センター）は、当初アイルランド代表のCTBガリー・リングローズの先発が予定されたが、脳しんとうの疑いで見送った。シオネ・トゥイプロトゥ（スコットランド）もケガのため、今ツアー最年長のバンディー・アキ（アイルランド）が入り、13番のヒュー・ジョーンズ（スコットランド）とコンビを組む。

WTB（ウイング）ジェームズ・ロウ（アイルランド）、トミー・フリーマン（イングランド）、FB（フルバック）ヒューゴ・キーナン（アイルランド）のバックスリーは、2戦連続の先発となった。

リザーブでは、FWにHOローナン・ケラハー（アイルランド）、PRゲンジ、ウィル・スチュアート（イングランド）、LOジェームズ・ライアン（アイルランド）、ウェールズ代表として今回唯一参加のFLジャック・モーガンが入った。

BKはここまで7合全てにメンバー入りしているSHアレックス・ミッチェル（イングランド）、22日のファーストネーションズ＆パシフィカXV戦でキャプテンを務めたSO/CTBオーウェン・ファレル（イングランド）がメンバー入りし、日本代表SH齋藤直人と同じトゥールーズ（フランス）でプレーするFBブレア・キングホーン（スコットランド）が入った。

LOライアン、FLモーガン、SO／CTBファレル、FBキングホーンと、ファーストネーションズ＆パシフィカXV戦に出場した4人を新たにテストマッチのメンバーに入れたファレルHCは、「第1テストを終えて良いスタートを切ることはできたが、ワラビーズから大きな反撃があることは承知している」。

「ブリスベンでの彼らの実力を皆が目の当たりにした。先週よりもさらに良いプレーをしなければならないことは分かっている。世界有数のスタジアムであるMCGで、10万人のサポーターの前でプレーする機会こそが、ライオンズ・ツアーの唯一無二で特別な魅力」。

「そして、ライオンズのサポーターがチームを後押しし、素晴らしい雰囲気を創り出すことを私たちは知っている」と話した。

一方、連敗すると今ツアーの負け越しが決まってしまうオーストラリア代表のジョー・シュミットHCは、第1戦では、接点でライオンズにブレイクダウンで劣勢になったことを受けて、FW3名の先発を変更した。

FWは145キャップのPRジェームズ・スリッパー、82キャップのアラン・アラアラトアのベテラン2人は引き続き先発するが、HOをマット・フェスラーから、デーヴィッド・ポレッキに変更。

LOはニック・フロストと、ジェレミー・ウィリアムズに替わって2023年ワールドカップではキャプテンも務めたウィル・スケルトンが先発する。FLも推進力のあるロブ・ヴァレティニが、ニコラス・チャンピオン・ドゥ・クレスピニーに替わって先発に入り、フレイザー・マクライト、主将のNO8ハリー・ウィルソンとバックローを形成。

BKに変更はなく、SHジェイク・ゴードン、SOトム・ライナーのハーフ団、CTBはレン・イキタウ、21歳のジョセフ＝アウクソ・スアアリイのコンビ、WTBハリー・ポッター、マックス・ジョーゲンセン、FBトム・ライトが引き続き出場する。

ベンチには、FWを6人入れた。HOビリー・ポラード、PRアンガス・ベル、トム・ロバートソン、LOウィリアムズ、FLランギ・グリーソン、カルロ・ティッツァーノ、SHテイト・マクダーモット、WTBベン・ドナルドソンが入った。

シュミットHCは、「チームは、非常に厳しい最初のテストを乗り越え、メルボルンでの1週間の準備で、チームとしての結束力を高めることができた。先週の後半の試合で自信を得たが、土曜日の夜、激しい戦いを繰り広げるライオンズに対して、さらに改善が必要であることを認識している」と冷静に試合を見据えた。

ライオンズはオーストラリア代表にはこれまで26回対戦し、19勝7敗と勝ち越している。オーストラリア代表は、2001年と2013年、ライオンズとの第1戦に敗れたものの、35-14、16-15と逆転勝利を収めて連敗を回避している。

ライオンズが2連勝してツアー勝ち越しを決めるか。ワラビーズが10万人の地元ファンの前で意地を見せて、1勝1敗のタイに持ち込むか。世界のラグビーファン注目の一戦は、7月26日（土）、日本時間の午後7:00にキックオフされる。

文：斉藤健仁