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【ハイライト動画あり】ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ、48得点&無失点で圧勝。5連勝でワラビーズとのテストマッチへ
ラグビーレポート by 斉藤 健仁MOMのNO8ベン・アール(ライオンズ)
イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの代表で構成され、4年に1度結成されるドリームチーム「ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」。今夏は12年ぶりにオーストラリアに遠征している。
7月19日(土)のオーストラリア代表とのテストマッチを前に、ライオンズは6月28日(土)のフォース戦から11日間で4連戦を行っており、その最終戦となる12日(土)は、オーストラリア代表と、ニュージーランド代表経験者で構成される「AUNZ Invitational XV」(オーストラリア・ニュージーランド連合)とアデレードの「アデレード・オーバル」で対戦した。
ライオンズのアンディ・ファレルHC(ヘッドコーチ)は、9日(水)に行われたブランビーズ戦(○36-24)から先発メンバーを総入れ替えし、キャプテンはLO(ロック)マロ・イトジェ(イングランド)に替わって、LO(ロック)タイグ・バーン(アイルランド)がゲームキャプテンを務めた。
バックローには、今ツアー最年少のFL(フランカー)ヘンリー・ポロック、ジャック・モーガン(ウェールズ)、NO8(ナンバーエイト)ベン・アール(イングランド)が入り、BK(バックス)は、SH(スクラムハーフ)ベン・ホワイト(スコットランド)がツアー初先発となった。
また、リザーブにはファレルHCの息子で追加招集として、4度目のライオンズ参加となるSO(スタンドオフ)/CTB(センター)オーウェン・ファレル(イングランド)が名を連ねた。
一方、AUNZ Invitational XVを率いるのは、次期オーストラリア代表指揮官に就任予定のレス・キスHC。LOルーカン・サラカイア=ロト(オーストラリア)とCTB(センター)デビッド・ハヴィリ(ニュージーランド)の2人を共同キャプテンに指名。
メンバーは、キスHCが指揮をとっていたクィーンズランド・レッズの選手を中心に、FL(フランカー)シャノン・フリゼル(東芝ブレイブーパス東京/ニュージーランド)、WTB(ウイング)マリカ・コロインベテ(埼玉パナソニックワイルドナイツ/オーストラリア)。
FB(フルバック)ショーン・スティーブンソン(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/ニュージーランド)、CTBナニ・ラウマペ(元コベルコ神戸スティーラーズ/ニュージーランド)ら、リーグワンで活躍する選手など実力者で構成した。
ライオンズの選手たちにとっても、テストマッチに出場するためのアピールができる絶好の機会となった一戦は、7月12日(土)日本時間の午後7:00に、4万3145人のファンを集めてキックオフされ、ライオンズがこのツアーで見せたことがないファストスタートに成功した。
ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ2025 オーストラリア遠征
【ハイライト動画】B&I・ライオンズ vs. オーストラリア&ニュージーランド連合
前半序盤から相手陣で攻めていたライオンズは7分、相手のダイレクトキックから、FB(フルバック)ヒューゴ・キーナン(アイルランド)がクイックスローし、素早くつないで、WTBドゥハン・ファンデルメルヴァ(スコットランド)がトライを挙げて、5点を先制する。
さらに10分、ラインアウトからボールを継続し、SHホワイトが相手のディフェンスの隙を突いてポストの下を駆け抜けトライ。SOフィン・スミス(イングランド)のゴールでリードを12-0に広げた。
さらに21分、FW(フォワード)で攻めた後、BK(バックス)でボールを左に大きく動かして、WTBファンデルメルヴァが2本目のトライを決める。その後は、AUNZ Invitational XVもチャンスは作ったが、相手ゴールラインを割ることができず、そのまま17-0でハーフタイムを迎えた。
後半に入ってもライオンズの勢いは変わらない。後半4分、ペナルティを得たライオンズが敵陣ゴール前でのSHホワイトのクイックタップから、CTBシオネ・トゥイプロトゥが縦に突いてトライ。ゴールも決まり24-0とした。
9分、ライオンズはSOマーカス・スミス、CTBファレル(ともにイングランド)が途中出場を果たした。その後はAUNZ Invitational XVが攻め込むが、ライオンズのディフェンスの前になかなかトライを奪うことができない。
すると、再びライオンズが攻め込み、22分、ラインアウトを起点に途中出場のLOスコット・カミングス(スコットランド)が走り込んでトライ。25分、モールを押し込んでから、左に大きく展開しWTBファンデルメルヴァが、ハットトリックとなるトライを決め、36-0と試合を決定づけた。
さらに29分にHO(フッカー)ローナン・ケラハー(アイルランド)、36分にはFLヘンリー・ポロック(イングランド)がトライを挙げて、結局、8トライを挙げたライオンズが、AUNZ Invitational XVをノートライに抑えて、48-0で快勝した。
POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)にはライオンズのNO8(ナンバーエイト)ベン・アール(イングランド)が選出された。
「このジャージでプレーするために、長い間一生懸命努力してきたから、どんなチャンスも逃さない。この3、4週間で一緒に積み重ねた練習の成果が、ほとんど発揮できた」。
ライオンズのファレルHCは、「私たちは試合をコントロールして、良いラグビーを展開し、粘り強く戦い続けた。この結果に非常に満足している。チームの状態、メンタル面、改善すべき点において、(ワラビーズとの)テストシリーズに臨む準備が整ったことはうれしい」と前を向いた。
ゲームキャプテンを務めたLOバーンは、「試合前のプランはすべて実行できた。もちろん、最もうれしいのは無失点で抑えたこと。ディフェンスにとって大きな意味があり、来週に向けて大きな自信になる」。
「ブルタックルを決めることができたし、フィジカル的にも対峙できたと思うし、相手のボールを遅らせることもできた」と満足そうな表情を見せた。
AUNZ Invitational XVのキスHCは、「ちょっと残念。集中力が切れた瞬間があった。おそらく28点ほどは、あまりにも簡単なプレーで取られた。多くの選手がしばらく試合に出場していなかったため、簡単な得点を許し、相手に流れを与えてしまったことは残念」と話した。
共同キャプテンのCTBハヴィリは、「ライオンズは強いチームで、彼らが世界一である理由がよくわかった。空中戦でプレッシャーをかけられた。結果は出なかったが、今週のオーストラリアとニュージーランド連合チームのパフォーマンスは誇りに思う。一緒にプレーできて本当に素晴らしい週だった」と振り返った。
オーストラリアに来てから5連勝と、徐々に調子を上げてきたライオンズは、いよいよ来週7月19日(土)に、ブリスベンの「サンコープ・スタジアム」で、オーストラリア代表とテストマッチ第1試合を戦う。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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