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指揮官の警戒は最大級だ。
「2013年、ブランビーズはライオンズに勝利しました。そして今年はスーパーラグビーでオーストラリアのトップチーム(全体3位)になりました。この試合がいかに厳しいものになるか、私たちはよく理解しています」(ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ、アンディ・ファレルHC)
4年に一度結成され、南半球の強豪3カ国(ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ)を順に遠征するブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズは、12年前にオーストラリアを訪れている。
その時、スーパーラグビー(SR)豪チームのブランビーズが、ライオンズを2点差(14-12)で破る快挙を成し遂げた。
快挙達成の瞬間、子どものように喜んだメンバーの中には、FLスコット・ファーディー(元釜石SW)、FLコルビー・ファインガア(九州KV)、SOマット・トゥームア(元相模原DB)らがいた。
そして今年、ブランビーズは所属するスーパーラグビー・パシフィックでオーストラリア勢で唯一の4強入り(3位)。変わらぬ競争力を維持しており、ライオンズにとって難敵であることは間違いない。
本番であるオーストラリア代表「ワラビーズ」との対決を控えるライオンズは、先週土曜日(7月5日)、地元SR(スーパーラグビー)チームのワラタスに勝利して遠征3連勝を飾った。
しかし、その内容は21-10の辛勝だった。
共に成功率100%だったスクラム、ラインアウトの優位によって再三敵陣でアタックを仕掛けたものの、トライは3本のみ。ワラタスの勤勉で激しい組織ディフェンスに苦しみ、被スティールやエラーを繰り返した。
7月9日(水)、首都キャンベラのGIOスタジアムで対峙するブランビーズは、オーストラリア代表に参加するメンバーが多いものの、クラブとして過去に勝利した経験を持つことは大きい。
ライオンズのファレルHCは、ワラタス戦から先発を14人替え、メディアから「主力」の声も上がる強力なメンバーを並べた。
まずはチーム主将のLOマロ・イトジェ(イングランド代表)。そしてFW第1列はPRエリス・ゲンジ(イングランド代表)、HOダン・シーハンとPRタッド・ファーロング(ともにアイルランド代表)という欧州最強クラスの3人。
ハーフ団は、ニュージーランド出身の攻撃的SHジャミソン・ギブソン=パーク(アイルランド代表)、七色のキックとパス技術を誇るファンタジスタのSOフィン・ラッセル(スコットランド代表)。
センターはアイルランド代表コンビであるバンディー・アキとガリー・リングローズ。唯一の連続スタメンとなったのは、フルバックのブレア・キングホーン(スコットランド代表)だ。
またリザーブには、最年少二十歳のFLヘンリー・ポロック、元ブランビーズで愛コナート移籍後にアイルランド代表にデビューしたマック・ハンセンも名を連ねた。
「(キャンベラ育ちの)マック・ハンセンは故郷に戻り、ライオンズとしてかつてのチームメイトたちと対戦することは特別な体験になるはずです」
「彼ら(ブランビーズ)は長い間、この日(対戦)を楽しみに待っていて、熱心に練習をしてきたと聞いています。私たち全員にとっても、とても楽しみです」(ライオンズ、ファレルHC)
一方のブランビーズは、同胞ワラタスの健闘に勇気をもらったはずだ。
ヘッドコーチは、12年前にアシスタントコーチとしてブランビーズの快挙を支えた豪州代表のレジェンド、元リコー(BR東京)のスティーブン・ラーカムだ。
ブランビーズのメンバーに関しては、オーストラリア代表としてライオンズと対戦することになりそうな主力が多い。
オーストラリア代表として先週日曜日のフィジー戦(21-18)に出場したPRジェームズ・スリッパ-、PRアラン・アラアラトア、LOニック・フロスト、SOノア・ロレシオ、FBトム・ライトらは、水曜日の試合に出場しない。
ただフィジー戦のリザーブだったバックローのトム・フーパー、加速力抜群のWTBコーリー・トゥールという2人の現役代表がスタメンに入った。
ブランビーズのラーカムHCは「ワラビーズの選手が8人欠場しているので、選手層の厚さという点では痛手です」と認めた上で、「出場するメンバーは(8人のワラビーズ選手と)一年中、一緒にプレーしてきました。試合に向けての準備がどんなものかを知っています」と自信をのぞかせた。
12年前の歓喜を再現してみせる――。すでに指導力に定評があるラーカムHCのコメントから、そんな意気込みが伝わってくる。ライオンズが敗北した遠征前のアルゼンチン代表戦、そして豪遠征での3連勝を観たというラーカムHCは「かなり綿密に研究できました」と話した。
「ライオンズとの対戦は特別な機会です。ライオンズも(苦戦した)ワラタス戦から多くを学んでおり、間違いなくほぼフルメンバーでキャンベラに来るでしょう。選手たちは、この挑戦を本当に楽しみにしています」
挑戦者であるブランビーズに失うものはない。不敵に待ち構えるチャレンジャーが、12年前のアップセットを再現するのか。それともライオンズが威厳を示すのか。注目のキックオフは、水曜日の夜7時だ。
文: 多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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