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ラグビー コラム 2025年6月25日

江良颯と奥井章仁、大阪桐蔭高校と帝京大学で日本一を経験した2人が目指すもの。ラグビー日本代表

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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江良颯(左)と奥井章仁

6月16日(月)から、例年通り宮崎で合宿を敢行しているラグビー日本代表。2025年最初のメンバー発表で、37名の選手のうち、13名が初の代表入りとなった。

その中で、大阪桐蔭と帝京大学で7年間同級生、そして「花園」こと、全国高校ラグビー大会、そして大学選手権で日本一を経験した2選手が揃ってスコッドに名を連ねた。

それは、HO(フッカー)江良颯(クボタスピアーズ・東京ベイ)と、FL(フランカー)奥井章仁(トヨタヴェルブリッツ)の2人で、中学校時代の大阪府選抜時代からチームメイトだ。

初の代表入りの一報を聞いて、江良は「うれしかったですし、幼い頃からの目標だったので、家族に伝えた」。また、奥井は「すごくワクワクしたし、リーグワンのトップの選手と一緒にやるのが楽しみ。世界レベルでどれだけできるかチャレンジできる良い機会なのでがんばりたい」と声を弾ませた。

高校、大学の同級生と同じタイミングで日本代表に選ばれたことに関して、奥井は「颯や(為房)慶次朗(スピアーズ)といった同期と一緒なのでうれしい」と声を弾ませた。

対して江良は「ずっと一緒にやってきた章仁と、日本代表で一緒にできるのは感慨深いし、あいつがいるからこそ、これまでがんばれたところもあるので、日本代表でともに成長できるのはうれしい」としみじみと話した。

HO江良 HOは若い3人でポジション争い

昨季、帝京大学のキャプテンとして、大学選手権3連覇に貢献した江良は、アーリーエントリーから6試合に出場し、日本代表入りを期待されたが、シーズン終了後に手術をしたため、代表活動に参加することは叶わなかった。

江良は今シーズンのリーグワンでも、シーズン当初から南アフリカ代表HOマルコム・マークスとポジション争いを続け、19試合に出場。9試合で2番を背負ってチームの準優勝に貢献し、初の代表入りとなった。

「選ばれた以上2番を目指していきたい。スクラムの低さとスピードで世界を倒していきたい」と語る。

一方、帝京大学の副キャプテンだったFL奥井は、バックローのポジション争いの激しいヴェルブリッツで、昨シーズンはアーリーエントリーでは出場することはできなかった。

しかし、今シーズンはオフのニュージーランド留学を経て、第5節から試合に出場。NO8(ナンバーエイト)姫野和樹、FLマイケル・フーパーら世界的な選手がいる中で、9試合中8試合で先発出場を果たした。

そして、5月の「JAPAN XV」でも存在感を示し、ニュージーランド学生代表戦やホンコン・チャイナ代表戦で7番を背負い、6月の菅平での強化合宿を経て、初の日本代表入りとなった。

「今シーズン、リーグワンに出場できたことが自信になったし、それで日本代表に選ばれたと思うので、チームに存在感を示していきたい」と奥井。

当然、2人は日本代表を率いるエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)の指導も初めてのこと。

FL奥井(後ろは下川)

先に5月の大分合宿から薫陶を受けている奥井は、「(コーチ陣からは)ジャッカルをしてほしいと言われているし、ディフェンスやブレイクダウンを評価してもらったと思う。バックファイブで外国出身者ではないのは、僕と(下川)甲嗣さんだけなのでがんばっていきたい」と前を向いた。

宮崎合宿で初めてジョーンズHCの指導を受けている江良は、「エディーさんは常にフィールド内外で、何か気づいたら言ってくれる。自分がフォーカスするポイントを明確にしてくれ、良いイメージでラグビーができている」と笑顔を見せた。

さらに江良は「HOとしてスクラムと、ハードワークをし続けたい。スクラムは低さ、芝というところを意識していて、自分の強みは低さなので合うと思うし、初めて(代表で)組んだとき、初めてとは思えないほどしっかり組めたので、すごくポジティブ」と話した。

もちろん、2人がともに目指すのは、桜のジャージーを着て2027年ワールドカップへの出場だ。

江良は「代表戦も幼い頃から見ていたし、ワールドカップはラグビー選手にとって最高の舞台なので、ひたむきに努力していきたい」と言えば、奥井も「1つ1つ、試合に出ていきたい。サイズが小さいのは僕だけなので、7番として運動量、ジャッカルでアピールしていきたい」と腕を撫した。

江良と奥井は切磋琢磨しながら、高校2年時に大阪桐蔭の花園初制覇に大きく貢献し、2人とも高校日本代表に選ばれた。ともに帝京大学に入学すると、1年時から試合に出場し、大学2年から帝京大の大学選手権3連覇に中心選手として寄与した。

リーグワンこそ違うチームへと進んだが、江良と奥井は、再び日本代表という舞台で切磋琢磨を続け、ラグビー選手としてさらなる進化を続けていく。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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