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ラグビー コラム 2025年6月9日

【ハイライト動画あり】國學院栃木、桐蔭学園を圧倒して4年ぶり4度目の優勝。関東高校ラグビー大会

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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Aブロックで優勝した國學院栃木

夏の関東王者を決める『第73回関東高校ラグビー大会』が、6月6日(金)~8日(日)に、栃木県『佐野市運動公園清酒開華スタジアム(陸上競技場)』と『ハートフル保険フィールド』(佐野市運動公園第2多目的球技場)で行われた。

予選を勝ち抜いた1都7県の代表28校が、都県大会の結果をもとに、A~Gの7ブロックに4校ずつ振り分けられた。6月6日(金)は開会式と女子公開競技が実施され、7日(土)に各ブロックの1回戦、そして8日(日)に各ブロックの決勝と3位決定戦が行われた。

実質的な夏の関東王者を決めるAブロックには、関東新人大会と春の選抜大会の王者で、花園連覇中の桐蔭学園(神奈川)、花園ベスト4の國學院栃木(栃木)、東京王者の目黒学院、茨城の名門校・茗渓学園の4校が入った。

1回戦は、桐蔭学園が目黒学院に17-14で辛勝。國學院栃木は茗溪学園を13-0で零封して、決勝に駒を進めた。桐蔭学園vs.國學院栃木のカードは3年連続となった。

関東のライバル同士は、昨季の花園準決勝では桐蔭学園が25-14、2月の関東新人でも、準決勝で対戦して桐蔭学園が32-7で勝利していた。しかし、この試合の主導権を握ったのはリベンジに燃える地元の國學院栃木だった。

前半開始早々の1分、キックカウンターからボールを継続、FW(フォワード)が前に出た後、キャプテンCTB(センター)福田恒秀道(3年)が抜けだし、ラストパスをFB(フルバック)手塚慈英(3年)に通して、左中間に先制トライを挙げて、5点を先制。

トライを挙げる國學院栃木WTB池田

さらに國學院栃木は攻撃の手を緩めず、14分にはゴール前のモールを起点にBK(バックス)陣が右に展開し、再びFB手塚が抑え、自身でゴールも決めて、12点をリードする。さらに17分、スクラムを起点に左に運んでWTB(ウイング)池田健心(3年)が押さえて、19-0とリードした。

桐蔭学園も24分、相手ゴール前のラインアウトのチャンスでモールを押し込み、最後はFWが近場を攻め続けて、NO8(ナンバーエイト)足立佳樹(3年)が左中間にねじ込んでトライ。SO(スタンドオフ)竹山史人がゴールを決めて、7点を返した。

2025年度 第73回関東高等学校ラグビーフットボール大会

【ハイライト動画】Aブロック決勝 桐蔭学園 vs. 國學院栃木

だが、桐蔭学園の反撃はこの1トライのみで、後半は國學院栃木の一方的な展開となる。

後半5分、國學院栃木がFW、BK一体となってボールをつなぎ、FB手塚がハットトリックを達成。7分、自陣のスクラムからボールを左に動かし、WTB池田がタッチライン際をゲインし、グラバーキック。そのボールをCTB家登正宜(3年)がトライ。10分には伝統のモールから、HO(フッカー)千野雄平(3年)が押さえて、38-7として勝負を決めた。

スクラムで反則を得て歓喜する國學院栃木

17分には、FB手塚が4本目のトライを決め、終盤にはスクラムで反則を得た後、クイックタップから攻め込んで、FL(フランカー)佐藤凌吾(3年)が中央にトライを挙げ、50-7でノーサイドを迎えた。

伝統的に強いモール、ディフェンスを軸に、アタックで冴えを見せた國學院栃木が昨季の花園と、関東新人大会のリベンジを達成し、4年ぶり4度目の夏の関東王者に輝いた。なお、地元での優勝は初めてのことで、桐蔭学園を下しての優勝も初とのこと(62回大会は8-8の同点で同時優勝)。

力を発揮できずに敗れた桐蔭学園の藤原秀之監督は、「(主力選手に負傷者が多かったことは)関係ない。弱いと思います。これがうちの現在の正しい位置です。3年生、新しいチームになっちゃいましたね……」と言葉少なく、会場を後にした。

國學院栃木の吉岡肇監督は、「選抜大会では佐賀工業に、1回戦で負けたのも紙一重の試合で、うちも弱いはずではないと手応えがあった。この時期はどこも日程がタイトで、ベストメンバーではない。それでも國栃という試合をやらないといけないところで、チーム一丸となってやった」と笑顔を見せた。

4トライの活躍を見せたFB手塚慈英(國學院栃木)

4トライを挙げたFB手塚は「むちゃくちゃうれしい。桐蔭学園に対して練習してきたので、それを出し切ることをテーマにして、30人全員でやることができた」と破顔した。

キャプテンのCTB福田は「選抜の1回戦で負けてから、桐蔭学園に勝つためにどうしたらよいか練習をしてきて、勝つことができてうれしい。ここまで良い準備はできたので、みんなを褒めながらも、このままでは花園で勝てないということを話して、これから課題を見つけて、解決していくようにチームもっていきたい」と先を見据えた。

Bブロックは流通経済大柏が圧倒的な力を見せて優勝

Aブロックの3位決定戦は目黒学院が15-12で茗渓学園を下した。また、Aブロック同様に各県の王者が揃ったBブロックは、流通経済大柏(千葉)が2試合とも大勝で制した。

Cブロックは東海大相模(神奈川)、Dブロックは早稲田実業(東京)、Eブロックは本庄第一(埼玉)、Fブロックは東京(東京)、Gブロックは東海大浦安(千葉)がそれぞれ制した。

73回目の関東大会は國學院栃木の優勝で幕を閉じた。7月の7人制ラグビーの全国大会に出場するチームは、BKを中心にセブンズの練習するチームもあろう。ただ、高校ラグビーは夏合宿を経て、どのチームも秋の花園予選に向けてギアを上げていくはずだ。

◆Aブロック 優勝:國學院栃木(栃木)

○桐蔭学園(神奈川)17-14 目黒学院(東京)
茗溪学園(茨城)0-13 國學院栃木(栃木)○
桐蔭学園 7-50 國學院栃木○
○目黒学院 15-12 茗渓学園

◆Bブロック 優勝:流通経済大柏(千葉)

○流通経済大柏(千葉) 61-5 明和県央(群馬)
昌平(埼玉)21-45 山梨学院(山梨)○
○流通経済大柏 54-7 山梨学院
明和県央 12-35 昌平○

Cブロックは実力校の東海大相模が制した

◆Cブロック 優勝:東海大相模(神奈川)

○東海大相模(神奈川)33-15 國學院久我山(東京)
○川越東(埼玉)26-7 桐生第一(群馬)
○東海大相模 48-17 川越東
○國學院久我山 59-7 桐生第一

◆Dブロック 優勝:早稲田実業(東京)

○早稲田実業(東京)38-24 関東学院六浦(神奈川)
日大明誠(山梨) 17-36 熊谷工業(埼玉)○
○早稲田実業 50-7 熊谷工業
○関東学院六浦 31-8 日大明誠

◆Eブロック 優勝:本庄第一(埼玉)

○本庄第一(埼玉)26-18 東京朝鮮(東京)
○東洋大牛久(茨城)31-14 佐野日大(栃木)
○本庄第一 34-0 東洋大牛久
○東京朝鮮 27-12 佐野日大

◆Fブロック 優勝:東京(東京)

日大藤沢(神奈川)12-40 東京(東京)○
○専修大松戸(千葉) 43-5 高崎(群馬)
○東京 57-0 専修大松戸
○日大藤沢 54-7 高崎

◆Gブロック 優勝:東海大浦安(千葉)

○東海大浦安(千葉)28-7 明治学院東村山(東京)
○清真学園(茨城)57-0 作新学院(栃木)
○東海大浦安 12-10 清真学園
○明治学院東村山 67-0 作新学院

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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