明治大学、昨季のリベンジを期して『春の早明戦』に挑む。ラグビー関東大学春季交流大会

昨年度の対抗戦ではラインアウトモールから2トライを奪った

関東大学春季交流大会の2戦目で東海大学を下し、大会2連勝と勢いに乗る明治大学は8日、早稲田大学との伝統の一戦に臨む。昨年度は早大と春季大会、関東大学対抗戦で2度対戦したが、どちらも敗戦を喫している。リベンジを果たすべく、完成度の高いラグビーが求められる。

昨年度の春季大会での一戦は、先制点を挙げたものの、セットプレーを起点に失点。規律の乱れから攻め込まれる場面も多く、明大らしいラグビーが発揮できずに26-36で敗戦となった。

6月1日に行われた東海大戦では、ブレークダウン周りでのペナルティが目立ち、序盤は得点に結びつけられなかった明大。「ラック周りでうまくクリーンアウトできていなかったので、早大戦までに改善していきたい」（左LO/ロック亀井秋穂・政経3＝長崎北陽台）。

強固な早大ディフェンスに対し、サポートでボールキープができるか。攻撃のクオリティを維持できるかがカギとなるだろう。

また、セットプレーの安定性も勝利に向けて重要な要素となる。東海大戦ではラインアウトモールでのトライも飛び出したが、スローが乱れ相手ボールになる場面もあった。ラインアウトの成功率を高め、スクラムでも早大FW（フォワード）を攻略できるかにも注目だ。

明大のスターティングメンバーは、東海大戦から7人メンバーを入れ替え。東海大戦を欠場していた左CTB（センター）平翔太主将（商4＝東福岡）や、右WTB（ウイング）白井瑛人（商2＝桐蔭学園）など、昨年度主戦を張っていた選手がグラウンドに帰ってくる。

中でもFWの注目選手は、昨年度左FL（フランカー）のスタメンに定着した最上太尊（商4＝仙台育英）だ。最上の武器は、明大屈指の突破力。強靭なフィジカルでディフェンスを打開し、明大にチャンスをもたらしてきた。今試合でも持ち味を発揮し、アタックで存在感を放てるか。

また、BK（バックス）ではSH（スクラムハーフ）柴田竜成（営4＝秋田工）に期待がかかる。東海大戦では自陣でのペナルティ獲得から、素早いリスタートでゴール目前までボールを運び先制点に結びつけると、後半にはスクラムから自ら持ち込んでトライを挙げるなど積極的なプレーを続けている。ゲームをコントロールし、明大アタックのキーパーソンになることは間違いない。

昨年度、大ブレークを果たした伊藤龍之介

リザーブには昨年度の主力であり、東海大B戦で好調ぶりを見せた伊藤龍之介（商3＝国学院栃木）と、海老澤琥珀（情コミ3＝報徳学園）がAチームに復帰。昨年度の対抗戦・早明戦の悔しさを知る2人が、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか注目だ。

一方の早大は大東文化大学、東洋大学、東海大を下し、3連勝で今試合を迎える。昨年度あと一歩及ばなかった『荒ぶる』に向け、熾烈なメンバー争いが繰り広げられている。

注目は、粟飯原謙、田中勇成、城央祐のバックロー陣。早大の強力ディフェンスの中でも、特に接点での圧力が激しい3人だ。FWが前進するには、この3人の強固な壁を破らなければならないだろう。

さらにBKには、昨年度ルーキーながら目覚ましい活躍を見せた田中健想が出場する。U-23にも選出されたプロスペクトは、ライン際の決定力が大きな武器。BKのスピードあふれるアタックにも警戒が必要だ。

「早明戦からさらに強度が上がると思うので、反省点をしっかり改善して1点でも多く勝ちたい」（SO/スタンドオフ萩井耀司・商2＝桐蔭学園）。国立競技場での惜敗から約7カ月。リベンジに燃える紫紺が、臙脂（えんじ）の壁を打ち破る。

文：晴山赳生／写真：久保田諒、森口絵美理（明大スポーツ新聞部）