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ラグビー コラム 2025年6月5日

ラグビー日本代表、エディ・ジョーンズHCが「セレクションキャンプ」と断言する菅平合宿について語る

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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エディ・ジョーンズHC

6月4日からスタートし、11日まで行われる『15人制男子トレーニングスコッド菅平合宿』。合宿2日目の午後、練習が報道陣に1時間半ほど公開された。

6月3日、リーグワンのトップ4以外を中心とした参加メンバー37名(FW20名、BK17名)が発表されていた。

ただ、PR(プロップ)岡部崇人(横浜キヤノンイーグルス)、LO(ロック)エピネリ・ウルイヴァイテ(三菱重工相模原ダイナボーズ)の2人は参加時期が未定。

CTB(センター)岡野喬吾(三重ホンダヒート)、CTBシオサイア・フィフィタ(トヨタヴェルブリッツ)が、5日の午後からの合流のため、午前中は33名で練習が行われた。

エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)は、菅平高原で行われる合宿に関して「トレーニングには絶好の環境。施設もピッチの状態も良く、ホテルも素晴らしい」。

「菅平は日本ラグビーの精神的なホーム、聖地だと思う。ラグビーをする子供たちは、ほぼ全員が中学、高校時代に1度は菅平を訪れる。彼らにとって、菅平はラグビーを成長させる場所」と目を細めた。

午前中の練習に関して、指揮官は「新しく来た選手もいるので、アタックとディフェンスシステムを導入したい。全員が同じ画を見られるように、というセッションを行った」と説明した。

また、菅平の合宿を通して「ウェールズ代表戦での、戦術の基礎を固めている。そして、その戦術を遂行できる選手を募っている」。

「4週間後にウェールズと対戦するとき、ブレイクダウンは厳しいものになる。今シーズンのリーグワンで、選手たちが経験したブレイクダウンよりも30%は強度が上がるので、そのエリアのトレーニングをやっている」と話した。

セレクションと断言するエディ・ジョーンズHC

改めて、今回のトレーニング合宿の意図をジョーンズHCに聞くと、「セレクションキャンプ」とキッパリと話した。

「最終的に日本代表へ残れる選手をテストしている。ここには35人いるが、さらに15人がリーグワンの決勝戦と、3位決定戦に出場した選手たちから選ばれる。35人に15人を加えても、35人にはならない。つまり、選考のためのキャンプ」。

今回のスコッドは、6月28日(土)に行われる「JAPAN XV vs.マオリ・オールブラックス」にどの程度出場するのか?

そのことをジョーンズHCに聞くと、「マオリ・オールブラックス戦はウェールズ代表戦への準備に使う。ウェールズと対戦する選手たちの中で、試合出場が必要な選手たちがいるなら、マオリ・オールブラックス戦に出場させる。練習が必要な選手ならトレーニングにあてる」と説明した。

また、ジョーンズHCは2月から行ってきたU23日本代表(JTS)と、JAPAN XVの合宿を通して、「日本のレベルが向上した」と自信をのぞかせた。

「現在、9番の選手を見ても、齋藤直人がいるし、リーグワンで素晴らしい活躍をした藤原忍がいる。北村(瞬太郎)がいるし、土永(旭)、福田もいる。つまり、質の高いハーフバックが5人いるということ」。

「タイトヘッド(右PR)には、竹内(柊平)、為房(慶次朗)、(オペティ・)ヘルがいる。サントリーから来た若手の木原(三四郎)もいる。HO(フッカー)には原田(衛)、江良(颯)、坂手(淳史)、佐藤(健次)がいる」。

「昨年はスコッドに層の厚さがなかったが、U23とJAPAN XVのメリットは、日本代表でプレーするポテンシャルを持つ選手を発見できたこと。そして今、彼らがどれだけ努力するかが鍵。しかし、私たちはより良い層の厚さを築き始めている」と自信をのぞかせた。

目標は世界ランク10位以内のチームに勝つこと

今シーズンの日本代表活動に関して、ジョーンズHCは「若いチームとして、大きな飛躍を遂げたい。今年、私たちが達成したい大きな目標の1つはトップ10に入るチームに勝つこと」。

「そして、トップ10に入りたい。日本代表は2019年以来、トップ10のチームに勝てていない。そのため、それを成し遂げられるチームを編成したいと考えている」。

「そして、それが実現すれば、選手たちは自信をつけて、より強い信念を抱くようになり、チームはより早く成長する。そのためには、日本の強みを活かす必要がある。つまり、新たな強みを創造する必要がある」と語気を強めた。

7月、世界ランキング13位の日本代表は、12位と1つ上のウェールズ代表と国内でテストマッチを2試合行う。

2013年、ジョーンズHCが率いた日本代表は、東京・秩父宮ラグビー場でウェールズ代表を23-8で倒した。再び、ウェールズ代表に勝つことができるか。

ジョーンズHCは、「運命的なものを感じている。私たちが良いプレーをすれば倒せる相手だと思う。ただ、向こうも必死。今、テストマッチで17連敗しているので、必死にくるだろう」。

「彼らは若いチームと若いコーチ陣。失うものは何もない。ウェールズからライオンズツアーには2人しか選手が選ばれていない。素晴らしい試合になるだろうし、私たちの現状を試す良い機会になる」と意気込んだ。

トレーニングスコッド合宿は6月11日まで行われ、12日に今年初となる日本代表が発表される。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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