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ラグビー コラム 2025年6月6日

大会無敗対決の「早明戦」!3勝の「早稲田大学」×2勝の「明治大学」。関東大学春季大会2025

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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赤黒と紫紺。

第14回関東大学春季大会(Aグループ)。日本ラグビー史に名勝負を刻んできた伝統の一戦「早明戦」が、6月8日(日)、岐阜メモリアルセンター長良川競技場で行われる。

「赤黒」ジャージーの早稲田大は、春季大会でここまで3戦全勝。大東文化大学(57-26)、東洋大学(52-19)、東海大学(73-29)と突き進んできた。

「紫紺」ジャージーの明治大学も無敗。東洋大学(64-7)、東海大学(47-0)と2連勝。大会無敗同士の対決となる。

昨季準Vの早大は、指導5季目のOB大田尾竜彦監督の下、6大会ぶりの日本一を狙う。

昨季はフィジカルバトル、安定したセットピース(スクラム、ラインアウト)、防御力を武器に関東大学対抗戦で優勝。日本代表FB矢崎由高など大学最高峰のバックスが持つ決定力も魅力だ。

そんな早大は今季スタートから15人制では全勝を続け、5月25日、北海道・月寒屋外競技場で開催された慶應義塾大学との一戦も33-14で勝利した。

ただ一週間後、新1年生同士による伝統の「新人早慶戦」は7-22で敗戦。慶大新人の勝利は5年振りとなった。

近年は慶大を志望する有望新人が増加傾向という。理由の一つは、リーグワンは国内大卒選手の出場機会が限られていると考えた有望な高校生が、将来の選択肢を広げるため、就職に強い慶大への進学を選ぶケースがあることだ。

早大は一部の有望な1年生を欠いていたが、慶大にとっては希望が膨らむ一戦となった。

一方の早大は、さらに先週(6月1日)の天理大学戦で、ここまで15人制で全勝だったAチームが初黒星。展開時の判断ミスなどからボールロスト。競った局面でインターセプト・トライを浴びるなどして1点差(35-36)で競り負けた。

ただセットプレーでは力強さを発揮。大田尾監督は天理大戦のPUP(Pick-Up Player)としてPR杉本安伊朗を選出し、以下のコメントを公表した。

「スクラムが攻撃起点となるほど、スクラムに安定感があり、またコンタクト局面でのインパクトや、ラインブレイクした、された時のスピードチェンジなど数字に現れないワークレートが高いレベルで実現されていた」

ただ1点差とはいえ敗れたことは事実。今週末の明治大学戦に敗れるとAチームは2連敗。緻密さと創造性で僅差でも相手を上回る――それが早稲田ラグビーの真骨頂だとするならば、連敗はチームの根幹に関わる事態といえるだろう。

負けられない早大の先発メンバーは、天理大戦から2名が替わった。

スタメンに入ったLO栗田文介は局面を打開できる強力ランナー。もう一人、先発スタンドオフが田中大斗に。スキル豊富でランもある2年生だ。また昨季特大のロングキックで注目を集めた服部亮太もリザーブに復帰、途中出場を狙う。

一方、昨季4強の明大は、就任5季目となるOB・神鳥裕之監督の下、7季ぶりの頂点を目指してスタート。

今季スローガンに掲げた「完遂」の通り、春季大会では終盤まで緩まぬ組織力を披露。大会1試合の平均失点「3.5」は、早大の同数値「24.7」を大きく上回る。

春季大会では2連勝だが、5月25日の招待試合では京都産業大学に(15人制の)今季初黒星(21-22)。ただ伝統のスクラムでターンオーバーを奪い、アタックではスキル・体力・パワーの三拍子が揃った「ハイブリット重戦車」の威力を何度も見せつけた。

注目の早大戦メンバーは、先週の東海大戦から先発の約半数(7名)が替わった。

フロントローは軸となる背番号2、3番がHO西野 帆平、PR山口 匠となり、フランカーには対人に強い最上太尊が入った。

残る4名の変更はバックスで、突破能力にも長ける主将のCTB平翔太が先発復帰。トップスピードに乗ると止められないCTB東海隼、昨季ルーキーながらブレイクした人に強いWTB白井瑛人

そして15人制男子トレーニングスコッド菅平合宿に参加しているFB竹之下仁吾に替わり、山川遥之が背番号15を付ける。

明大の両ロックは共に190cm台だ。亀井秋穂(191cm)と物部耀大朗(192cm)という高さは明らかな優位性であり、ラインアウトの攻防は見どころだろう。

また明大の先発スクラムハーフには攻撃的なプレーが持ち味のSH柴田竜成。同じく積極性が光る早大SH糸瀬真周のマッチアップが楽しみだ。

前回の早明戦は2024年12月1日、東京・国立競技場で開催された関東大学対抗戦の最終戦。記念すべき100度目の対戦は、27-24で早大が制した。

その後V4を達成する帝京大学を降していた早大が下馬評有利だったが、蓋を開けてみれば3点差の大接戦。100度目に相応しい名勝負になった。

「早明戦」に下馬評は関係ない。唯一無二の舞台で、今回はどんなドラマが紡がれるのだろうか。

文: 多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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