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5月20日、24日と、NZU(ニュージーランド学生代表)と戦って、『超速』ラグビーの理解とブラッシュアップを進めたJAPAN XVが、5月31日(土)にホンコン・チャイナ代表と戦う。
NZU戦は78-28と大勝した後、2試合目は雨上がりでボールや足元が滑る状況の中で30-21と競り勝った。
ホンコン・チャイナ戦は、両試合で出た課題を修正しつつ、強みをさらに進化させる試合にしたい。
チームは6月28日(土)にはマオリ・オールブラックスと戦う。その先にある日本代表戦のメンバーに選出されるためにも、選手たちのアピールは続く。
NZUとの初戦でチームをまとめたSOの中楠一期が、ホンコン・チャイナ戦でもゲームキャプテンを務める。
1トライ7コンバージョンキックで19得点を稼ぎ、周囲の力も引き出したNZU第1戦に続き、積極的にゲームをリードするだろう。
高速テンポでパスを出し続けるSH土永旭とのコンビで、相手の体力を削る。
バイスキャプテンを務めるのはNO8の吉田杏。NZUとの第2戦ではLOでゲームキャプテンを務めた29歳がこの試合では中楠キャプテンを支え、ポジションをバックローに移してFWを牽引する役目を引き受ける。
吉田は所属する三菱重工相模原ダイナボアーズで2024-25シーズンは大車輪の活躍をした。
チームの全18試合すべてに先発出場し、そのうち16戦は80分ピッチに立ち続けるタフさを発揮。ボールキャリー数(267)はリーグ2位の数字で、シーズンを通して高いパフォーマンスを出した。本人は「怪我なくシーズンを過ごせたことで練習もしっかりできて、そのおかげで一貫性のあるパフォーマンスを出せるようになった」と話す。
下のボールにも強く、相手ボールを奪うシーンも多々あった。国際舞台に立つ準備を着々と整えている。
2人のリーダーが率いる仲間たちは個性豊か。試合出場予定メンバーを見ると、バランスよく才能を散りばめている。
1番の津村大志は所属するリコーブラックラムズ東京で今季大きく飛躍した。低いスクラムで小柄ながら強いプッシュを見せ、機動力もある。レギュラーシーズンの全18試合中14戦に出場して、そのうち13戦で背番号1を背負った。
LOのエピネリ・ウルイヴァイティは、昨シーズンの日本代表選出時や今回のNZU第1戦で見せたような、大型ながらも動き続けるパンチ力あるプレーが期待される。
青木恵斗、奥井章仁の両FLはともに激しさとスマートさの両方を持つタイプ。常にボールの近くにいてくれそうだ。
BKラインは7人中5人がブラックラムズに在籍する選手たちだけに、コミュニケーションの取れたパフォーマンスが見られそうだ。
特にFB伊藤耕太郎はファーストレシーバーとしてSOの役目も果たすことも、自分で走ることも得意。高本とむ、メイン平とのバックスリーで仕掛けていくこともできる。
CTBのチャーリー・ローレンスも好調で、攻撃力の高いメンバーが並んでいる。
対するホンコン・チャイナは、重要な年である今季に向け、実力を蓄える好機会と位置付けてこの試合に臨む。
JAPAN XV戦のあとに控える、アジアラグビー・エミレーツ男子チャンピオンシップでは、スリランカ、UAE、韓国と戦う。その大会の優勝チームは、2027年にオーストラリアで開催されるワールドカップへの出場権を獲得するのだから、ラグビーが根付いている地域の代表チームとしては絶対に負けられない。
日本でのトレーニング、実戦を経て決戦へ向かいたいところだ。
チームを率いるアンドリュー・ダグラス ヘッドコーチはこの重要な大会で勝つために、時間をかけてチーム強化を図ってきた。昨年から(南米ツアーに出かけたり、ブラジル代表を呼んだり)国内外で試合を重ね、国内リーグも熱心に視察して代表選手たちを選出。主将経験者のNO8ジョシュア・ハースティッチも「実力が高まっていると感じている」と話す。
お互いのチームにとって意義のある試合は、勝敗とともに、その内容が問われる80分となるだろう。
文: 田村 一博
田村一博
前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。
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