人気ランキング

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム一覧

ラグビー コラム 2025年5月6日

【ハイライト動画あり】コルビ、28得点。サンゴリアス、確実に、攻撃的にブラックラムズを倒し、プレーオフ進出を決める

ラグビーレポート by 田村一博
  • Line

黄色いポケットロケットが、ワールドクラスの輝きを見せた。
東京サントリーサンゴリアスの背番号11、チェスリン・コルビは、2トライに3コンジージョンキック、4ペナルティゴール(以下、PG)を加えて28得点でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた。

5月3日(土)、味の素スタジアムで行われたリーグワン、ディビジョン1のリコーブラックラムズ東京との一戦に43-34と勝利したサンゴリアスは、その試合で勝ち点4を積み上げた。
翌日、横浜キヤノンイーグルスが敗れたことで6位が確定し、レギュラーシーズン1試合を残してプレーオフ進出が決まった。

この日、ボーナスポイント付きの勝利を得れば、その時点でプレーオフ進出が決まるサンゴリアス。しかし、求めたのはまず勝ち星。開始3分のPGを含め、ショットで加点の好機には、確実に3点を重ねた。

しかし、普段から掲げるアグレッシブ・アタッキング・ラグビーを貫いたことで、相手からペナルティを誘うことができた。
先制のPGも、2試合連続で10番のジャージーを着た森谷圭介のオフロードパスをきっかけに、LOハリー・ホッキングスが前に出たことで相手防御を乱して得たものだった。

今シーズン序盤から中盤にかけてチームが勢いに乗れなかった時期も、小野晃征ヘッドコーチは「修正しなければいけないことはあっても、全てを変える必要はない」と、積み重ねてきたもの、自分たちのアイデンティティを信じることが大事と繰り返し言ってきた。

ブレイクダウンなど、相手とのコリジョンで泥臭く。そして、ボールを持てば攻撃的に。前節の試合でも強く示した自分たちのスタイルは、このブラックラムズ戦でも見られた。

ジャパンラグビー リーグワン2024-25 D1(5月3日)

【第17節 ハイライト動画】東京サンゴリアス vs. ブラックラムズ東京

PGでの先制に続いて前半6分に奪ったトライは、ラインアウト後のモールを結束して押し、強く、鋭く押して短い時間で奪ったもの。
5点を返された後の29分には、クイックスローインから攻めた後のラックから、SH流大が防御裏のスペースにキックを蹴り込む。それをチェイスしたWTB尾崎晟也が押さえた。

たびたびゲームキャプテンを務めてきたSH流はシーズン序盤、「やられてからやり返す」チームの悪癖を指摘していたが、終盤になってチームは最初からエンジンをかけている。
また、試合巧者の9番は「勝つためにはゲームの中の瞬間、瞬間に、勝つために何をしないといけないのか、どういうプレー選択をしないといけないのか判断し、それを遂行しないといけない」と指摘してきた。いま、多くの選手たちが同じページを見てプレーできるようになってきたようにも見える。

この日暴れたコルビのベストトライは、後半8分に披露したものだ。相手がこぼしたボールを味方が拾い、攻撃が始まる。しばらくして球を手にした南アフリカ代表の好ランナーは、巧みなステップで横走りしながらディフェンダーをかわし、スペースを探す。タテに一気に加速したかと思えば、防御が迫ってきた瞬間に背後へキック。そのまま走り、ボールを再確保してトライラインを越えた。
身のこなしと判断が、すべて完璧だった。

そのトライでスコアは23-8と開くも、ブラックラムズはサンゴリアスと同じ5トライを奪い、地力があることを証明した。
なかでもSHのTJ・ペレナラの迷いなき判断が生み出すモメンタムや、FLリアム・ギルが見せるハードかつスマートなプレー。こちらも攻撃スタイルを出し続け、後半は勝者を上回る4トライを挙げ、連続して得点する時間帯もあった。

プレーオフに向け、さらに攻撃的に、泥臭く戦いたいサンゴリアスは、レギュラーシーズン最終戦を埼玉パナソニックワイルドナイツと戦う。
順位など関係なく、昔からの好敵手としてプライドがぶつかり合う戦い。その試合でさらにチームのカラーを濃くして次のステージに進む。

ブラックラムズは、プレーオフでも見たいチームだった。
次節の三重ホンダヒート戦で、次シーズンへの期待をさらに高めるパフォーマンスを見せたい。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

ラグビーの放送・配信ページへ