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クボタスピアーズ船橋・東京ベイvs.埼玉パナソニックワイルドナイツ
「NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25」もリーグ戦は残り2節。ディビジョン1はすでに5チームが、プレーオフトーナメント進出を決めている。
5月3日(土)4日(日)は第17節が行われ、3日(土)は東京・秩父宮ラグビー場で、現在2位につけるホストのクボタスピアーズ船橋・東京ベイが、首位に立っている埼玉パナソニックワイルドナイツを迎える。
今季好調を維持しているスピアーズは、4月6日(日)に行われた、第14節のリコーブラックラムズ東京戦に42-14で勝利し、6位以上を確定させ、優勝した2022-23シーズン以来のプレーオフ進出を決めた。
前節は三重ホンダヒートに39-20で勝ち6連勝を達成し、『スピアーズえどりくフィールド』(江戸川陸上競技場)での連勝記録も「24」に更新、勝ち点を62とし、プレーオフ準決勝からの出場できる2位につけている。
前節のヒート戦後、スピアーズのフラン・ルディケHC(ヘッドコーチ)は「重要なのは最終局面に向けて良いパフォーマンスをすること。前半は苦戦したが、後半は良いアタックとディフェンスでチャンスを作り、スコアにつなげることができた」と話した。その試合からFW(フォワード)1名のみの先発を変更した。
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
FW第1列は変わらず、PR(プロップ)紙森陽太と、日本代表のオペティ・ヘル、南アフリカ代表HO(フッカー)マルコム・マークスの3人。LO(ロック)デーヴィッド・ヴァンジーランド、デーヴィッド・ブルブリングの南アフリカ出身のコンビも引き続き先発する。
日本代表でも活躍したFL(フランカー)ピーター・ラピース・ラブスカフニがベンチに下がり、50キャップを迎えるタイラー・ポールが先発し、FL末永健雄、キャプテンで日本代表のNO8(ナンバーエイト)ファウルア・マキシと第3列を構成する。
BK(バックス)に変更はない。日本代表SH(スクラムハーフ)藤原忍ともとオーストラリア代表のベテランSO(スタンドオフ)バーナード・フォーリーのハーフ団は6試合連続で先発する。
CTB(センター)は日本代表の立川理道、と南アフリカ出身のリカス・プレトリアスのコンビ、WTB(ウイング)は前節POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)の根塚洸雅と、11トライを挙げているハラトア・ヴァイレア、最後尾のFB(フルバック)押川敦治は引き続き先発する。
リサーブにはFLラブスカフニのほかに、HO江良颯、PR海士広大、日本代表PR為房慶次朗、LOルアン・ボタ、SHブリン・ホール、第8節以来のメンバー入りとなるUTB(ユーティリティーバックス)山田響(慶應義塾大学出身)、LOメルヴェ・オリヴィエと、FWを6人入れてきた。
一方、リーグワンとなってから3シーズンすべて決勝に進出しているワイルドナイツ。開幕から無敗を続けてきたが、3月15日(土)の第11節・静岡ブルーレヴズ戦で17-22と今季初黒星を喫すると、続く東芝ブレイブルーパス東京戦も31-41と連敗。
それでも4月5日(土)のトヨタヴェルブリッツ戦で55-17と勝利してプレーオフ進出に一番乗りを果たした。前節もリコーブラックラムズ東京を27-21で退けて4連勝を達成し、勝ち点64で首位に立っている。
後半追い上げられ苦しんだブラックラムズ戦後に、「最終的にはとても満足している。勝って帰ったことは、とても大切な試合に向けて、理想的な準備になった」と話したワイルドナイツのロビー・ディーンズ監督は、前節からFW2名、BK3名の計5名の先発を入れ替えた。
埼玉パナソニックワイルドナイツ
FWは日本代表経験のあるPR稲垣啓太、5試合連続の先発となる新人のリサラ・フィナウ(大東文化大学出身)、キャプテンのHO坂手淳史の第1列は変わらない。LOはリアム・ミッチェルと、南アフリカ代表としても活躍したルード・デヤハーが復帰し、エセイ・ハアンガナがベンチに下がった。
バックローは、前節ケガから復帰したボールハンターのFLラクラン・ボーシェー、開幕から先発フル出場を続けるNO8ジャック・コーネルセンの2人は引き続き先発。6番は15試合に先発してきたベン・ガンターがメンバー外となり、ベテランの大西樹が入った。
CTBは南アフリカ代表のダミアン・デアレンデが復帰し、先週スタメンに復帰した日本代表ディラン・ライリーが入り、第8節以来の強力なCTBコンビが復活する。
WTBは日本代表の長田智希と、竹山晃暉に替わってFBを主戦場としている野口竜司が14番を務め、FBには山沢京平の兄・山沢拓也が第2節以来の出場となった。山沢兄弟が揃って先発するのも第2節以来となった。
ワイルドナイツも控えにFW6人を入れてきた。新人のHO佐藤健次(早稲田大学出身)、クレイグ・ミラーと、ヴァルアサエリ愛の日本代表経験も豊富なPR陣、第4節以来のメンバー入りとなった南アフリカ出身のLOオッキー・バーナード、ハアンガナ、FL福井翔大、SH高城佑太、CTB/WTBヴィンス・アソが名を連ねた。
2022-23シーズンの決勝で対戦した両者、今季はすでに第2節で対戦しており、ワイルドナイツが26-24と接戦を制した。『Opta』のデータによると、リーグ戦ではスピアーズは、直近17試合でワイルドナイツから1勝しか挙げることができていない。
スピアーズとしては、好調のHOマークスを筆頭に武器であるFWのスクラム、モールと、失点数がリーグで一番少ない(280点)ディフェンスで、しっかりとプレッシャーをかけ、ホストゲームでプレーオフ前に白星をつかみ自信をつけたい。
得点数がリーグ1位(611点)、失点の少なさはリーグ2位(370点)と好調なワイルドナイツとしては、FW勝負で互角に戦い、相性の良いスピアーズに勝利し、2位以内を決めたい。
プレーオフトーナメントの前哨戦とも言える首位決戦は、5月3日(土)午後2:30にキックオフされる。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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