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ラグビー コラム 2025年5月1日

接点で泥臭く。サンゴリアス、勝ち点5奪取でプレーオフ進出決められるか。ブラックラムズ、望みつなぐ勝利を。

ラグビーレポート by 田村一博
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レギュラーシーズンは残り2試合。上位6チームが進出できるプレーオフへの権利を、すでに5チームが手にしている。

残る1枠を手にする可能性を残しているチームも限られ、リーグワン、ディビジョン1(以下、D1)の戦いは熾烈を極める。5月3日(土)、味の素スタジアムでおこなわれる東京サントリーサンゴリアス×リコーブラックラムズ東京でも、6位のスポットを争って両チームが死力を尽くす。

16節までの戦いを終えて勝ち点36、6位のサンゴリアスは、ボーナスポイント(以下、BP)も含む勝ち点5を得て勝利すればプレーオフ進出が決まる。
BPを取れずに勝った場合も、7位の横浜キヤノンイーグルスがBP付きで勝たない限りプレーオフ行きが確定する。

しかし負けた場合は、レギュラーシーズン最終節までイーグルス、ブラックラムズと三つ巴の争いが続く可能性がある。今週末に必ずプレーオフ進出を確定させたい。
ブラックラムズにとっては、サンゴリアス撃破が自分たちが生き残る唯一の道となる。

今季1回目の対戦は第2節だった(2024年12月28日)。その時はブラックラムズが33-32と激戦を制して勝った。ブラックラムズにとっては2004年シーズン以来の同カードでの勝利だった。
互いが攻め合い、スタジアムを沸かせた4か月前の熱戦が、シーズン最終盤の今回も再現される可能性は高い。

サンゴリアスは前節のトヨタヴェルブリッツ戦で45-28と快勝し、チームの空気が高まる中でブラックラムズとの一戦を迎える。
アグレッシブ・アタッキング・ラグビーを掲げるサンゴリアスのスタイルは、プライドを懸けるブレイクダウンの攻防で上回ることで全開となる。

ヴェルブリッツ戦でのサンゴリアスは、コリジョンで一歩も引くことなく、泥臭く戦って試合の流れをつかんだ。
フォワードだけでなく、バックスも含めて全員で体を張り続け、ダブルタックルで相手を押し戻すシーンも少なくなかった。
プレーヤー・オブ・ザ・マッチにも、ボールキャリー、タックル、ラインアウトで働き続けたLOハリー・ホッキングスが選ばれた。

 

そのヴェルブリッツ戦の先発メンバーから一人だけチェンジしてブラックラムズに挑む。
SOは前節、今季初先発ながらゲームをうまくコントロールした森谷圭介が務める。攻守に激しい中野将伍イザヤ・プニヴァイが両CTB。WTBチェスリン・コルビにいい形でボールを渡したい。FB松島幸太朗も積極的に仕掛ける。

ブラックラムズもチーム力は上昇している。
直近5試合で1勝しかできていないが、完敗は1試合だけで、他の3敗は7点差以内の敗戦でBPを得ている。前節の首位、埼玉パナソニックワイルドナイツ戦でも試合終盤に追い上げ、一時は7-24と離されたスコアを21-24まで詰める局面もあった(最終スコアは21-27)。
その粘り、チームの一体感は、必勝の覚悟で臨む試合での奮起につながるだろう。

 

サンゴリアス戦の先発メンバーは、前節から一人だけ変更になった。SHのTJ・ぺレナラとコンビを組むSOには伊藤耕太郎。WTBにメイン平、FBにアイザック・ルーカスと、ボールをよく動かす、攻撃的な布陣を組んだ。

それぞれのチームのスタッツから見えるスタイルの違いがおもしろい。
サンゴリアスは相手タックラー2人以上をコミットさせるキャリー率が高い。58パーセントは、ディビジョン1のトップ。ボールキャリアーがディフェンダー間に仕掛けている。あるいは、相手防御に的を絞らせていない。

一方のブラックラムズの同スタッツについての数値は53パーセント。これはD1で2番目に低い(51パーセントの東芝ブレイブルーパス東京に次ぐ)。タックラーの芯に当たり、押し込むスタイルが浮かび上がる。

また、サンゴリアスのオフロードパスの成功率は80.5パーセント。D1で80パーセントを超えている3チームのうちのひとつとなっている。ブラックラムズの同成功率は69.1パーセント。70パーセント以下は3チームしかない。
ボールの動きを止めない意識は黄色いジャージーの方が高いようだ。

しかし、ブラックラムズにはSH、ペレナラがいる。元オールブラックスのパス成功数は、今季D1最多の1180(次点はサンゴリアスの流大の1178。※データはOpta調べ)。
プレー選択は違っても、両チームとも攻める意識は強い。最初から最後まで視線釘付けとなるだろう。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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