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トップ6死守vs入替戦回避。譲れぬ一戦「トヨタヴェルブリッツ×東京サントリーサンゴリアス」ジャパンラグビーリーグワン2024-25第16節
ラグビーレポート by 多羅 正崇
6位の東京サントリーサンゴリアス(勝点31)。
昨季までなら、現時点ですでにプレーオフ(PO)進出の可能性は断たれていた。
D1第15節終了時点で、4位静岡ブルーレヴズとの勝点差は19。PO進出枠が4枠だった昨季までであれば、残り3試合での逆転は不可能。リーグ4年目で初めてPO進出を逃していた。
だが、PO進出枠が「上位6位チーム」に増枠した今季は、まだチャンスがある。
しかし状況はまったく予断を許さない。まずは6位以下の順位(第15節終了時)を見ておきたい。
順位 チーム 勝点 勝ち 引き分け 負け
6 東京SG 31 6 2 7
7 横浜E 30 6 0 9
8 BR東京 27 5 0 10
9 相模原DB 26 6 0 9
10 トヨタV 20 3 1 11
11 三重H 18 4 0 11
12 浦安DR 10 2 0 13
6位サンゴリアスから11位三重ホンダヒートまでの勝点差は13。10位トヨタヴェルブリッツを含めて多くのチームにPO進出の可能性があり、大混戦となっている。
この状況で、4月27日(日)の東大阪市花園ラグビー場を舞台に、10位ヴェルブリッツと6位サンゴリアスが激突するのだ。
ホストチームは、前節(第15節)に日本代表BR姫野和樹キャプテンが復帰したヴェルブリッツ。この一戦に勝利すれば、11位以下が出場する入替戦の回避が現実味を帯びると共にPO進出へ一歩前進する。重大な一戦だ。
前節はリコーブラックラムズ東京との雨中戦で30点差(7-37)の敗戦。前半23、27分にイエローカードがあり、一時は13対15の数的不利があった。
初得点は後半38分の1トライ(ゴール)のみ。指揮官のスティーブ・ハンセンHCは試合後「いまの心境はとても残念」と話した。
「スクラムでやられてしまい、イエローカードも2枚出てしまいました。その間、良いディフェンスはできていましたが、とはいえ毎週のようにカードをもらっている事実には対処しなければいけません」
「そのほか、ラックでボールを大切にすることができませんでした。ラインブレイクの回数は相手と同じような回数ではあったものの、結果として多くのターンオーバーを取られてしまいました」
キャプテンとして出場したNO8姫野主将も、努力は素晴らしいが熱くなりすぎているところがディシプリンの問題に繋がっているとして、ハーフタイムで「気持ちを客観視して落ち着いてプレーしよう」と伝えたという。
日曜日のサンゴリアス戦では、前節14回あったペナルティを減らし、カード枚数のゼロを目指したい。
高校ラグビーの聖地・花園に登場する先発メンバーを見てみると、NO8姫野キャプテンが2試合連続のスタメン。アーリーエントリーながら司令塔10番となるSO小村真也、同じく今季ブレイクしている13人制出身のWTBジョセフ・マヌら。
前節からの変更では、元サンゴリアスのPR須藤元樹が背番号3に入り、LOアドレ・スミス、FLウィリアム・トゥポウ、そしてルーキーFL三木皓正がスタメン復帰。バックスではCTBニコラス・マクカランに加え、注目は初出場を先発で飾るSH田村魁世(桐蔭学園-同志社大)。重要な一戦でのゲームメイクに期待が掛かる。
ビジターとして乗り込むサンゴリアス。
前節はクボタスピアーズ船橋・東京ベイに10-30で7敗目。相手HOマルコム・マークスら強力フォワードを中心としたセットプレー、ブレイクダウンで後手に回った。
「80分通して何もさせてもらえなかったという印象です」とHO堀越康介キャプテンは試合後に話した。
「前半から自分たちのペナルティ、ミスが響き、同じようなペナルティを重ねてしまいました」
「またブレイクダウンやセットピースでのプレッシャーがもの凄く、そこで80分間、少し受けてしまったという印象です」(サンゴリアスHO堀越キャプテン)
日本で育った選手に加え、加入2年目のFLサム・ケイン、WTBLチェスリン・コルビ、そして日本代表入りも期待されるLOLハリー・ホッキングスらが火力を加える。リザーブでは、関西学院大学出身の平生翔大(アーリーエントリー)がデビューの時を待つ。
サンゴリアスは持ち味である泥臭いハードワークでブレイクダウンを連取し、看板のアタッキングラグビーでトライを量産したい。前節の課題となったセットプレーの立て直しも図りたいところだ。
今年1月の前回対戦は、30対30の引き分け。サンゴリアスに2枚のイエローカードがあったが、ペナルティ回数はサンゴリアスの「5」に対してヴェルブリッツが「13」と、倍以上にのぼった。
ヴェルブリッツは前回、サンゴリアスがペナルティゴールを3度外したことにも助けられた印象がある。今節は重要な一戦。規律あるプレーを貫き、浮上へのきっかけを掴みたいところだ。
譲れぬ思いがぶつかる、両者にとって“マストウィン”の大一番。大注目のキックオフは午後2時30分だ。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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