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オーストラリアの名門と対戦したU23日本代表 (C)JRFU
オーストラリア遠征中の『ラグビーU23日本代表』。4月15日(火)に行われた第3戦は、シドニー郊外にある『クージーオーバル』で、名門クラブ『ランドウィック』と対戦した。
ワラビーズを100人以上輩出しているランドウィックは、日本代表を率いるエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)のホームクラブ。試合には多くの地元ファンや、日本代表を応援するファンが集った。
日本代表は10番にSO(スタンドオフ)野中健吾(早稲田大学3年)、13番にCTB(センター)李智寿(朝鮮大学校3年)が入った以外は、第2戦と同じ先発となった。一方、昨季のシドニー王者のランドウィックは、ファーストグレードの選手を10人ほど先発させたという。
両国国歌が演奏された後、強化試合は現地時間午後2:10(日本時間午後1:10)にキックオフされた。
主導権を握ったのは、U23日本代表だった。連続攻撃から相手の反則を誘い、前半3分、敵陣5mでラインアウトのチャンスを得た。しかし、モールを押し込んだが、グラウンディングができなかった。
トライを挙げるCTB李 (C)JRFU
続く10分、キックカウンターから攻め込み、相手の反則の後、SH(スクラムハーフ)高木城治(京都産業大学3年)がクイックタップで攻め込み、ボールを継続。最後はSO野中のためたパスに、CTB李が走り込んでトライ。CTB平翔太がゴールを決めて7点の先制に成功した。
しかし13分、U23日本代表はスクラムを押し込まれると、ボールを左右に振られ、最後は相手のSHに右隅に押さえられ、7-7の同点とされる。
その後、一進一退の攻防が続き、20分、U23日本代表が自陣から良いアタックを仕掛ける場面もあったが、反則を犯してしまい、得点に結びつけることができなかった。
前半も残り10分となった32分、スクラムを起点に左に大きく展開され、最後は相手のCTBにトライを許した。さらに39分には、スクラムのペナルティから、ピンチを迎える。最後はモールを押し込まれ、7-19とリードされてハーフタイムを迎えた。
3戦連続で出場したFL中森 (C)JRFU
後半、ランドウィックは大きくメンバーを交替してきた。5分、先に得点を挙げたいU23日本代表は、スクラムでコラプシングを誘い、ゴール前のモールを押し込んで、最後はキャプテンのHO(フッカー)清水健伸(早稲田大学3年)が左中間に押さえて、12-19と追い上げた。
しかし8分、相手のWTBに右サイドラインを走られてしまい、途中出場のLOにトライを許して、12-26と再び14点差とされてしまう。
それでもU23日本代表の集中力は切れることなく、この試合で調子の良かったラインアウトを起点に、16分にはモールを押し込んだ後、左に展開し、最後はFB(フルバック)竹之下仁吾(明治大学3年)、CTB平、WTB(ウイング)白井瑛人(明治大学2年)とつないでトライを挙げて、19-26とした。
さらに19分、相手のキックオフから、U23日本代表は自陣から重層的なアタックを継続し、FB竹之下が抜け出し、最後は内をフォローしたNO8(ナンバーエイト)小林典大(関西学院大学4年)が中央右に飛び込んで、26-26の同点に追いついた。
25分、途中からLOに入っていた石橋チューカ(京都産業大学3年)のスチールからゴール前のラインアウトのチャンスを得る。一度は相手の反則で止められたが、2度目はFW(フォワード)が一丸となり、モールを押し切って、HO清水が2本目となるトライを右端に押さえて、ついに31-26と逆転に成功した。
だが27分、続くキックオフでミスをしてしまい、再び相手のLOにトライを許し、すぐに31-31の同点とされてしまった。
その後の10分は膠着状態が続いたが、39分、U23日本代表は中央右で相手のオフサイドの反則を誘い、CTB平がPG(ペナルティゴール)を狙ったが、左に外してしまう。
相手は22mドロップアウトを短く蹴って再獲得を狙ったが、U23日本代表がターンオーバー。再び、ボールを継続して攻め込み、トライラインに近づいたがノックオンでチャンスを逃した。
ロスタイム、ランドウィックはタッチに蹴ることなく、自陣奥からキックパスを交えて攻め込む。U23日本代表はボールを再獲得したが、再び相手にボールを奪われると、最後はキックパスからトライを許してノーサイドを迎えた。
U23日本代表の遠征最終戦は、一時は逆転したものの相手の粘りの攻撃の前に31-36で敗戦した。
試合後、ジョーンズHCは、「今日のゲームは選手たちにとって、素晴らしい経験となった。勝てた試合だったが、結果は受け入れるしかない。しかし、後半で選手たちが示したプレー中のスキルや気持ちは素晴らしいものだった」とコメントした。
19年ぶりとなるU23日本代表の海外遠征は、第1戦『オーストラリアンバーバリアンズ』戦は43-31で勝利したが、2戦目の『オーストラリアU20代表』とは26-54、そして3戦目の『ランドウィック』とは31-36で敗戦。1勝2敗で幕を閉じた。
フィジカル、スピードに長けた外国人選手のチームと対戦した、大学2~4年のU23日本代表。
選手たちを見つめるジョーンズHC (C)JRFU
ジョーンズHCが「すでに3~4人はリーグワンでプレーできるレベル。若い選手たちは、フィジカルに対応できるとわかったので、彼らの成長はまだまだ止まらない」と話した通り、2月から始まった『JAPAN TALENT SQUADプログラム2025』の合宿、そして今回の遠征を通して、大きな財産と経験となったことは間違いない。
選手たちは帰国後、大学の各チームに戻るが、JTSプログラムは年間を通して続いていく。U23日本代表は再び集結し、5月20日(火)、大分・別府市営実相寺多目的グラウンドで、ニュージーランド学生代表(NZU)を迎え撃つ。
文:斉藤健仁/写真:(C)JRFU
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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