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ラグビー コラム 2025年4月14日

【ハイライト動画あり】後半にスクラム炸裂「コベルコ神戸スティーラーズ」。終盤に“粘闘”みせた「浦安D-Rocks」。ジャパンラグビーリーグワン2024-25第15節

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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5位(7勝7敗)のコベルコ神戸スティーラーズは苦しい前半を過ごした。ゲームキャプテンのLOブロディ・レタリックが言った。

「フラストレーションがたまる前半でした。特に最初の25分は多くの時間を自陣で過ごしました。あまりにもターンオーバーとミスが多く、エナジーがないような状態でした」(スティーラーズ、LOブロディ・レタリック)

4月12日(土)の第15節。千葉・ゼットエーオリプリスタジアムに乗り込んだスティーラーズは前半、12位(2勝12敗)浦安D-Rocksに押し込まれた。

風下に立った浦安D-Rocksは、中盤ではSOオテレ・ブラックが的確なハイパント。これをハイボールの名手、FBイズラエル・フォラウが再三獲得。会場を大いに沸かせた。

またスティーラーズは自陣でのペナルティに加え、ハンドリングエラーもありボール保持率が伸びない。強風でキックが伸びすぎてデッドボールラインを割る展開もあった。

さらに前半10分には日本代表FLティエナン・コストリーが、ハイタックルでイエローカード。

この間の前半18分、浦安D-Rocksはブレイク中のWTB松本壮馬(アーリーエントリー/関西学院大学)が先制トライ。CTBサム・ケレビ、FBフォラウの豪州代表経験者が繋いだパスを受け、トライエリアに入った。

さらにラインアウトからのサインプレーでCTBケレビがチーム2本目を記録。ホストを務めた浦安D-Rocksが12-0とリードを広げていく。

ただこの日のスティーラーズは、スクラムが武器になった。

前半31分にスクラムで強制ペナルティ。これを敵陣侵入の契機にすると、最後は3試合ぶり復帰のCTBマイケル・リトルが突破。オフロードを受けたCTB李承信がチーム初トライ(ゴール)を決めた。(12-7)

5点ビハインドで試合を折り返したスティーラーズ。

起爆剤は後半開始から投入された2人のプロップ。具智元と、元チーフス(NZ)のカウヴァカ・カイヴェラタだった。

ジャパンラグビー リーグワン2024-25 D1(4月12日)

【第15節 ハイライト動画】浦安D-Rocks vs. コベルコ神戸スティーラーズ

まずは後半最初のスクラムで重圧をかけてペナルティ誘発。エリア前進後に相手が2連続でスクラムの反則。フリーキックから速攻し、LOレタリックが後半開始4分で同点トライ。勝ち越しのコンバージョン成功(12-14)に繋げた。

「前半はエナジーがまったくなく、風上でしたが自陣で過ごしました。しかし後半は特にセットプレーでプレッシャーを与えることができ、それをスコアに変えられました」(スティーラーズ、デイブ・レニーHC)

さらにスティーラーズが連続トライを決める。

途中出場のPRカイヴェラタが強烈なキャリーでロングゲイン。フィールドプレーでも魅せる。逆にペナルティが急増した浦安D-Rocksは窮地となり、ペナルティからのエリア後退で失2連続トライ。この前半8分のトライを決めたのは、この日4月12日が23歳の誕生日だった京都産業大学出身のFLソロモネ・フナキだった。

浦安D-Rocksのグレイグ・レイドローHCは「前半は良いスタートでしたが、後半最初に7つペナルティがありました」と後半のペナルティカウントを反省。後半17分には、チームの反則の繰り返しによって日本代表PR竹内柊平にイエローカードが提示された。

勝負所で数的有利となったスティーラーズ。

カード直後のスクラムで、CTB李承信のロングパスを受けたWTB松永貫汰が左隅で4本目。数的優位を得点に変え、ゴール成功でリードを伸ばした。(26-12)

浦安D-Rocksは14人ながら、途中出場したSO田村熙による無人地帯へのショートキックにWTB松本が反応し、後半22分にグラウンディング。9点差(17-26)に迫る“粘闘”をみせた。

他方、スティーラーズも公式戦100試合出場を達成したFB山下楽平が、ショートパントを交えつつ約90mを切り返す好プレー。メモリアルマッチにみずから華を添える。

浦安D-RocksはPR竹内が戻ったスクラム(後半28分)で強制ペナルティ。ショット成功で6点差(20-26)。しぶとく詰め寄り、逆転勝利を視界に捉える。

残りは10分。

ここでどちらがトライを取るか――。そんな勝負の分かれ目といえる時間帯を制したのはスティーラーズ。敵陣22mに入ると、途中出場したアーリーエントリーのSH上村樹輝(帝京大学)の仕掛けから、SOブリン・ガットランドの内返しをもらったFLソロモネ・フナキがこの日自身2本目。

アーリーエントリー組2名がフィニッシュに絡む一本で、リードを13点に拡大。すると後半36分に浦安D-Rocksがノックフォワード。直後のスクラムでスティーラーズがペナルティを誘発し、勝負アリ。

 

スティーラーズがそのまま13点リード(33-20)を保ち、勝敗を白星先行にする8勝目を挙げた。

LOレタリックは「正しいエリアでプレーしたときは得点に変えられました」と誇ったが「バイウィーク明けのことを考えるとこのレベルではいけないと思います」と警戒感を示した。

その次節は4月26日(土)。東大阪市花園ラグビー場で、プレーオフ進出に望みをかける9位三菱重工相模原ダイナボアーズを迎え撃つ。

一方、13敗目を喫した浦安D-Rocks。ゲームキャプテンを務めたPR金廉は「前半は自分たちの準備したプランが遂行できましたが、厳しい時間帯にペナルティが多かった。細かなディテールが欠けていました」と敗因を語った。

次節の相手は、プレーオフ進出は決定しているものの3位に転落した東芝ブレイブルーパス東京だ。4月25日の金曜ナイター(19時5分キックオフ)で待望の今季3勝目を狙う。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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