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ラグビー コラム 2025年4月10日

発祥の地・長崎でダイナボアーズらしさ出せるか。イーグルスは総力戦で必勝誓う

ラグビーレポート by 田村一博
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レギュラーシーズンも残り4試合。それぞれのチームが現時点でのターゲットを定めて、チーム力のすべてを出し切る時期だ。
今週末の第15節を終えればリーグワンのディビジョン1はバイウイークで翌週末は試合がない。勝って、次戦までの2週間を有効に使いたい。

4月12日(土)に長崎・ベネックス総合運動公園 かきどまり陸上競技場でおこなわれる三菱重工相模原ダイナボアーズ×横浜キヤノンイーグルスは、それぞれ8位と7位。両チーム間の勝ち点差は8あるけれど、上位6チームに与えられるプレーオフ進出権を巡って両チームとも必勝の試合となる。

第5節での今季1回目の対戦では47-21とイーグルスが勝っている。しかし、両軍ともそのときとの先発メンバーには何人も変化がある。
特にイーグルスはCTB梶村祐介主将やSHのファフ・デクラークら核となる選手が怪我で戦列を離れている。チームの総力が試される。

ホストチームのダイナボアーズにとっては、プレーオフ進出、入替戦回避の両面から重要な試合となると同時に、負けられない理由がある。
長崎での試合開催は昨季に続いてのもの。ダイナボアーズの母体企業である三菱重工の発祥の地での試合で負けるわけにはいかない(昨季は20-34でトヨタヴェルブリッツに敗戦)。

また今回はダイナボアーズと長崎県内企業とのパートナーシップ契約締結により、特別仕様の公式戦ジャージ『長崎タータンスペシャルジャージ』を着用して戦う。
これは2019年のワールドカップでスコットランド代表が同地をキャンプ地として活動したことが縁となっている。こちらも見逃せない。

 

第11節からの4連戦は、東京サントリーサンゴリアストヨタヴェルブリッツに勝ち、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ静岡ブルーレヴズに敗れる足取りだった。連勝→連敗でこの試合を迎えるダイナボアーズのメンバーではNO8吉田杏に注目だ。
今季は開幕からの全14試合に先発し、バックローでチームへの貢献度は大きい。

吉田のボールキャリー数218は、ディビジョン1の中でフォワード最多を誇っている。BKを含めてもブルーレヴズのCTBヴィリアミ・タヒトゥア(226)に次いで2位。今回の試合でもタフに前に出てきそうだ(Opta調べ)。

今季途中からチームに加入し、第11節から試合に出ている3番のクフチャ・ムチュヌにも注目だ。184センチ、120キロの体躯で、ユナイテッド・ラグビーチャンピオンシップや南アフリカの国内シーンでプレー。スクラムだけでなく、積極的にボールキャリアーとなる。ムードメーカーとして、チームにモメンタムを与える存在にもなっている。

バックスでは、岩村昂太キャプテンとSOジャック・ストラトンで組むハーフ団がテンポあるゲーム運びを見せそうだ。ベンチからSOジェームス・グレイソンをどのタイミングで投入するかも注目される。
FBで先発する小泉怜史は今季8試合で6トライと得点機への嗅覚がある好ランナー。今回も幅広く動き、ボールタッチを増やすだろう。

対するイーグルスは前節に続いてHO庭井祐輔がゲームキャプテンを務める。4試合ぶりに勝利を挙げたその浦安D-Rocks戦では5トライを挙げてイーグルスらしいアタックを見せる時間帯もあったが、インジャリータイムに入ってトライを許し、ボーナス点を獲得できなかった。

そのシーンを取り上げて、沢木敬介監督は「今シーズンを象徴している」と言って「昨季の自分なら怒鳴り散らしていたかも」とした。
今季のチームは地力をアップさせながらも、簡単にトライを許したり、せっかくつかんでいた流れを渡して勝ち切れない試合をいくつも経験してきた。シーズンクライマックスが近づいてくればそれが命取りになると、指揮官は何度も口にしている。

 

D-Rocks戦では今季初出場を果たしたCTB南橋直哉(35歳)がプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれる活躍を見せ、このチームの一体感を見せた。このベテランは試合メンバー外のスコッド、「ライザーズ」でチームを支えてきた。その中の一人が見せた躍動は、チームにモメンタムを与えるだろう。
南橋はダイナボアーズ戦でも先発する。持ち前のタックルと人を生かすプレーを見よう。

シーズン中に加入したジャンドレ・ラブスカフニ(6番)は今回がデビュー戦となる。古川聖人(7番)、NO8ビリー・ハーモンとのコンビネーションはどうだろうか。
ベンチにはFWのアマナキ・レレイ・マフィ、BKのブレンダン・オーウェン、ヴィリアメ・タカヤワら攻撃力のある選手が控える。後半のギアチェンジが期待される。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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