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ラグビー コラム 2025年4月3日

両軍ともフレッシュなメンバーが勢いを生むか。今季2回目のワイルドナイツ×ヴェルブリッツは競る予感

ラグビーレポート by 田村一博
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10番に帝京大学からアーリーエントリーで加わった小村真也を起用する新布陣で、前節(第13節)の横浜キヤノンイーグルス戦に29-17と勝った。
トヨタヴェルブリッツは、その試合の先発メンバーから一人だけの変更で埼玉パナソニックワイルドナイツ戦へ挑む。

 

4月5日(土)に埼玉・熊谷でおこなわれるパナソニック×ヴェルブリッツは、両軍に力のある選手が多く、ダイナミックな局面が連続する80分となりそうだ。
2位と10位の対戦で、両チームの勝ち点には30も差があるものの、秘める実力に大きな差はない。

第10節、初キャップを得た浦安D-Rocks戦を含む3試合に途中出場していた小村は、4戦目にして初めて先発、司令塔のポジションに立ち、結果を残した。
大学ラグビーの舞台では、多くの試合でFBとしてプレーしていたが、持ち前の視野の広さとキックで見事にチームをコントロール。勝利に導く働きをした。

若き司令塔の活躍について、テクニックのクオリティーの高さも評価したスティーブ・ハンセン ヘッドコーチは、「将来が有望」と若き才能を愛でた。2戦続けての先発起用は、その成長速度を高めるためのものでもあるだろう。
帝京大からの同じアーリーエントリー加入で、こちらもすでに4試合に出場、3戦連続で先発出場中のFL青木恵斗もダイナミックに動いており、フレッシュな存在がチームにモメンタムを与えているのは明らか。今回の試合でも見どころのひとつとなる。

トップリーグ時代も含め、リーグ戦ではワイルドナイツに8連敗中のヴェルブリッツは、ボールを手に走って勢いを出すチームだ。今季の1試合平均キックインプレイ数は、静岡ブルーレヴズ(15.6)に次いで、今季のディビジョン1で2番目に少ない(21.2/Opta調べ)。しかし、勝利という結果がついてこなかった。
先発2試合目の小村は、キックをどう使って勝利をたぐり寄せるだろうか。

ホストチームとしてヴェルブリッツを迎え撃つワイルドナイツは、第11節、第12節に、それぞれ静岡ブルーレヴズ、東芝ブレイブルーパス東京に敗れた反省を生かして第13節の浦安D-Rocks戦を戦い、勝利を手にした。

2005年以来(当時はトップリーグ)のリーグ戦での連敗を喫したワイルドナイツは、しかし、自分たちのスタイルを間違いとはせず、敗戦の理由を「ディテールを遂行できなかった」とした。

キャプテンのHO坂手淳史は連敗の理由をそう総括しつつ、もっとコミュニケーションを密にすることを普段のトレーニングから徹底したという。また、ハンドリングエラーなどで簡単に相手にボールを渡したことを反省し、その点についても注力してD-Rocks戦を迎え、勝った。
しかし主将は、「まだ雑なところがあった」との感覚を得た。ヴェルブリッツ戦には、より強固なコネクトを維持しながら戦う。

 

先発メンバーには、大東大からアーリーエントリーで加入し、前節のD-Rocks戦で初先発の座をつかんだリサラ・フィナウが再び3番のジャージーを着る。
10番の齊藤誉哉も、2023年の春に加入した若手。前節のD-Rocks戦で今季初めて先発した。
ベンチスタートとなる谷山隼大(2024年春に加入)、ジョシュア・ノーラ花園近鉄ライナーズから今季移籍)は出場すればワイルドナイツ初キャップと、可能性を秘めたメンバー構成で戦う。

ロビー・ディーンズ監督が、「日々やるべきことを積み重ねて出場機会をつかんだ選手たち。このチャンスを生かしてほしい」と言うメンバーは、それぞれ「自分の役割を果たすことに集中する」と口を揃えた。
シーズン終盤に向けて指揮官は、チームを加速させるための力を求めている。

今季の1試合平均キャリー数は、ヴェルブリッツがディビジョン1最多の134、パナソニックが2位の131。また、両軍とも1試合平均ゲインメーターが500メートル以上(ワイルドナイツが519、ヴェルブリッツが501。500メートル超えはディビジョン1に5チームだけ)と、前へ出る意識は強い(Opta調べ)。

ゲインラインを挟んだ攻防の激しさを楽しもう。第5節で戦ったときは38-22とワイルドナイツの快勝も、競った試合となるだろう。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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