人気ランキング
コラム一覧
トレーニング中のFW陣
4月2日から16日の日程で、オーストラリア遠征を行うラグビーのU23日本代表。遠征に先駆けて、3月29日から4月1日まで千葉県内で合宿を行い、3月30日の午前中の練習がメディアに公開された。
2月から行われた日本代表を率いるエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)の肝いりで始まった、将来の日本代表選手の育成を加速する「JAPAN TALENT SQUAD(JTS)プログラム2025」の6回に渡る合宿の参加者の中から、大学2~4年の選手35名(FW20名、BK15名)が選抜され、U23日本代表が編成された。
U23日本代表の遠征は2006年のニュージーランド遠征以来、19年ぶりのことだという。
◆U23日本代表 試合日程
・4月05日(土)vs.オーストラリアンバーバリアンズ
・4月11日(金)vs.U20オーストラリア代表
・4月15日(火)vs.ランドウィック
今回、編成されたU23日本代表への手応えを聞くと、ジョーンズHCは「毎日、少しずつ成長を見せて、今は全ての局面において、勝負させることを意識して練習している。少しずつ、その集中力と勝負というところが、一貫性を持って練習をできている」と話した。
ラグビーU23日本代表
選手選考について、ケガ人やコンディション不良の選手もいる中で、指揮官は「プレーできる選手の選択肢から選んでいる。年齢は気にしておらず、プレーの能力で見ている」と話すにとどめた。
改めて、今回のオーストラリア遠征の持つ意味について尋ねると、「若い選手たちにとって、初めてトップクラスのラグビーをプレーすることになるので、価値がとても高いものだと思う。
大学のシステムの中では、彼らはビッグスターかもしれないが、それをワールドレベルで、同じポテンシャルを発揮できるかを知らないといけない。だから、この3試合は、選手たちをしっかり評価するのに良い試合だと思う」と話した。
3試合で35名全員を起用するのかと聞くと、名将は「それはない」とキッパリ。「それぞれの選手が、自分のチャンスをつかまないといけない。今回のチームはU23日本代表。若い選手たちは、日本のどのチームも成し遂げたことのない経験をする機会を得ている」。
「日本のシニアの代表チームは、まだオーストラリアに勝ったことがないので、彼らは新しい歴史を作るチャンスがある。全員にそのチャンスがあるが、それはパフォーマンスで得るしかない」とコメントした。
2027年ワールドカップのスコッドに、今回の35名から入って来る可能性はあるのか。ジョーンズHCは「彼らはワールドカップのセレクションにおいて、他の選手たちよりもヘッドスタートしている」。
「このまま、日本の中で他の誰よりもハングリーにハードワークし続ければ、3~4人がワールドカップのスコッドにかかってくると思う。だから、このプログラムはすごくエキサイティング。ここにいる3、4人がワールドカップに入ってくるのを想像してほしい。日本代表が強くなるためにはこれが必要だ」と興奮気味に話した。
HO清水健伸主将
ジョーンズHCは、「他の選手から大きなリスペクトを受けている、すごくタフな選手で、身体で選手たちをリードしている」と、キャプテンにHO(フッカー)清水健伸(早稲田大学3年)を指名し、副キャプテンにはSO(スタンドオフ)上ノ坊駿介(天理大学4年)が就いた。
國學院久我山時代以来のキャプテンだというHO清水主将は、「キャプテンになると思っていなかったので、正直、務まるのか不安はあるが、楽しみながら自分の成長にしっかりつなげられたと思う」と話した。
また、初のユース代表に選ばれて「ワクワクしていて楽しみ」というSO上ノ坊副将は「緊張感もあり、余裕もなかったが、副将という立場をいただき、自分のことだけではなく、もっとチームに目を配らないといけない」と話した。
SO上ノ坊駿介副将
今回の遠征の目標について聞くと、清水主将は「全勝したい。今までやってきたことを全部出し切って、遂行力を高めていけばできる」と語気を強めれば、上ノ坊副将は「日本代表がオーストラリアに1回も勝っていないという歴史を聞いて、今回はそのチャンスがあるので、非常に楽しみ。自分次第で日本代表になるチャンスがあると思うので、エディーさんの目に留まるようないいプレーをしていきたい」と意気込んだ。
ジョーンズHCが率いるU23日本代表は、敵地でオーストラリアに勝つという歴史的偉業を達成することができるか。そして35名の選手から名将のお眼鏡に適い、6月の日本代表合宿に参加する選手が現れるか。2027年ワールドカップの舞台であるオーストラリアで、大学2~4年の若き日本代表選手たちが飛躍する。
【U23日本代表豪州遠征メンバー】(FW:20名、BK:15)
◆PR1
・大塚壮二郎(関西学院大学3年)
・杉本安伊朗(早稲田大学3年)
・弓部智希(近畿大学4年)
◆HO
・清水健伸(早稲田大学3年)※主将
・田中京也(立命館大学2年)
・西野帆平(明治大学4年)
◆PR3
・杉浦皓亮(東海大学4年)
・八田優太(京都産業大学3年)
・山口 匠(明治大学3年)
◆LO
・石橋チューカ(京都産業大学3年)
・栗原大地(東洋大学4年)
・能勢涼太郎(近畿大学4年)
・物部耀大朗(明治大学3年)
◆FL/LO
・磯部俊太朗(筑波大学3年)
◆FL
・亀井秋穂(明治大学3年)
・木下 颯(天理大学4年)
・中森真翔(筑波大学2年)
・森山海宇オスティン(東洋大学4年)
◆NO8
・小林典大(関西学院大学4年)
・宮下晃毅(法政大学4年)
◆SH
・高木城治(京都産業大学3年)
・高橋佑太朗(筑波大学4年)
・村田大和(京都産業大学3年)
◆SO
・伊藤龍之介(明治大学3年)
・上ノ坊駿介(天理大学4年)※副将
◆CTB
・平 翔太(明治大学4年)
・野中健吾(早稲田大学4年)
・福島秀法(早稲田大学4年)
・李 智寿(朝鮮大学3年)
◆CTB/WTB
・岸 未来(近畿大学3年)
◆WTB
・白井瑛人(明治大学2年)
・田中健想(早稲田大学2年)
・武藤航生(関西学院大学4年)
◆FB
・竹之下仁吾(明治大学3年)
・増山 将(筑波大学3年)
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
人気ランキング(オンデマンド番組)
-
【限定】ラグビーワールドカップ2027 オーストラリア大会 プール組分け抽選会
12月3日 午後6:00〜
-
【先行】ジャパンラグビー リーグワン2025-26 プレシーズンマッチ 埼玉ワイルドナイツ vs. 東京サンゴリアス
11月29日 午後12:50〜
-
ラグビー 関東大学対抗戦2025 帝京大学 vs. 慶應義塾大学
11月30日 午後12:50〜
-
【限定】ジャパンラグビー リーグワン2025-26 メディアカンファレンス
12月2日 午後1:55〜
-
ラグビー 関西大学リーグ2025 京都産業大学 vs. 天理大学
11月30日 午後1:50〜
-
【先行】ジャパンラグビー リーグワン2025-26 プレシーズンマッチ トヨタヴェルブリッツ vs. コベルコ神戸スティーラーズ
11月29日 午後12:50〜
-
【限定】ラグビー 関東大学リーグ戦2025 関東学院大学 vs. 日本大学
11月29日 午後1:50〜
-
【限定】ラグビー 関西大学リーグ2025 関西大学 vs. 摂南大学 / 立命館大学 vs. 同志社大学
11月30日 午前11:35〜
J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!
