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ラグビー コラム 2025年4月1日

【ハイライト動画あり】桐蔭学園が5度目の優勝。初優勝を狙う京都成章に完封勝ち。全国高校選抜ラグビー大会

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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5度目の優勝を果たした桐蔭学園

3月23日(日)から埼玉・熊谷ラグビー場を中心に始まった、26回目を数える「全国高校選抜ラグビー大会」。31日(月)は、Aグラウンドで決勝が行われた。

決勝に勝ち上がったのは、2大会ぶり5度目の優勝をうかがう関東新人大会王者の桐蔭学園(神奈川)と、初の日本一を狙う近畿大会2位の京都成章(京都)となった。両者が選抜大会の決勝で対戦するのは、2017年の第18回大会以来のことで、この時は桐蔭学園が42-12で勝利し、選抜大会初優勝を飾った。

「花園」こと、全国高校ラグビー大会2連覇中の桐蔭学園が春も制するのか、それとも京都成章が初の日本一となるのか。午前11:00、肌寒い天候のもと、桐蔭学園ボールで試合がキックオフされた。

前半はディフェンスで持ち味を見せた京都成章

先にペースを握ったのは、チャレンジャーの京都成章だった。伝統的な武器であるディフェンス、キックチャージなどでプレッシャーをかけて相手陣に攻め込む。

前半4分、相手陣22mラインアウトからチャンスを得たが、ミスでモールを形成することができなかった。すると桐蔭学園もボールを継続して、PG(ペナルティゴール)のチャンスを得てCTB(センター)坪井悠(2年)が決めて3点を先制する。

その後、京都成章がキックを使いつつ、相手陣でテンポ良くアタックを仕掛け、CTB森岡悠良(2年)がラインブレイクするが、桐蔭学園のディフェンスも集中力が高く、ゴールラインを割らせなかった。

20分、桐蔭学園もPR(プロップ)喜瑛人(2年)のキックチャージから好機を得たが、トライを挙げることができなかった。26分、京都成章もSO(スタンドオフ)岡元聡志(2年)の裏へのキックをCTB森岡がキャッチし、さらにWTB(ウィング)篠颯太郎(2年)へキックパスを通そうとしたが、惜しくもノックフォワードとなってしまった。

緊張感ある攻防の中、28分に桐蔭学園がカウンターラックを決めてチャンスを掴み、スクラムを起点にボールを継続。最後はFW(フォワード)にこだわって、PR喜が左中間に押さえてトライ。CTB坪井がゴールを決めて桐蔭学園が10-0とリードして前半を折り返した。

2トライを挙げたCTB坪井(桐蔭学園)

後半、リードされている京都成章がFW、BK(バックス)一体となってボールを動かすが、相手のディフェンスを崩すことができなかった。すると、桐蔭学園が反撃に転じ、13分、PR喜がボールキャリーで前に出た後、SO竹山史人(2年)、CTB坪井とつなぎ、坪井が左隅に飛び込んで15-0とした。

リードした桐蔭学園はさらにギアを上げ、オフロードパスを多用する継続ラグビーを見せる。

オフロードパスをつなぐSO竹山(桐蔭学園)

23分、NO8(ナンバーエイト)足立佳樹(2年)がゲインし、最後は右に展開しCTB坪井が右中間にトライ。25分には相手キックオフからNO8足立が抜け出すと、BK陣がオフロードパスをつないで、最後はWTB大久保志哉(1年)が左中間にトライ。さらにロスタイムにNO8足立がトライを挙げてノーサイド。

第26回全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会

【ハイライト動画】決勝 桐蔭学園 vs. 京都成章(3月31日)|桐蔭学園が完封で5度目の優勝

結局、5トライを挙げた桐蔭学園が36-0と快勝し、2大会ぶり5度目の「春の王者」に輝いた。

花園で初の日本一にチャレンジしたい京都成章

就任3シーズン目を迎える京都成章の関崎大輔監督は、「完敗でした。後半15分くらいまでは何度かチャンスがあったと思うが、トライを取り切るところで取り切れなかったのが痛かった。だた、悲観するような試合ではなかった」と振り返った。

ゲームキャプテンを務めたLO(ロック)土肥祐斗(2年)は「桐蔭学園さんのやりたいようにやられてしまった。後半、自分たちがスコアをしなければいけないところで取り切れなかったことが敗因。(京都のライバル)京都工学院さんも強敵だが、目指すところが花園なので、日本一の実力をつけて勝ち切ることができれば相手は関係ないのでがんばりたい」と前を向いた。

優勝して喜ぶ桐蔭学園フィフティーン

花園での優勝回数に並び、春も5度目の優勝に輝いた桐蔭学園の藤原秀之監督は、「新人大会を見た人は、選抜で優勝すると思っていなかったと思う。そういう意味ではだいぶ成長した。立ち返るところが出てきて、勝ちを拾えるようになった。5試合できたことが栄養分になるのでありがたかった」と話した。

キャプテンHO(フッカー)堂薗尚悟(2年)は「苦しい時間帯もあったが、その中で昨日のミーティングで『スペースを共有し続ける』と決めた。自分たちがスペースに仕掛けて、そこにどんどん人が走り込んでいくラグビーを今年は極めていかないと勝てない。関東大会、そして花園の予選に向けて、もっと精度を上げていきたい」。

そして、「選抜の結果に満足することなく、自分たちの代で、花園で優勝するために、11月16日の神奈川県予選で勝つことをターゲットに、明日から切り替えて練習していきたい」と語気を強めた。

26回目の選抜大会は昨季の夏、冬を制していた桐蔭学園が3大会連続の優勝で幕を閉じた。今季の高校ラグビーは、桐蔭学園を軸に展開されていくことは間違いない。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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