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ラグビー コラム 2025年3月30日

桐蔭学園が攻撃力で5度目の優勝か、京都成章がディフェンスで初優勝を成し遂げるか。全国高校選抜ラグビー大会 決勝のみどころ

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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ボールキャリーが強みの桐蔭学園のFW陣

3月23日(日)から埼玉・熊谷ラグビー場を中心に始まった、26回目を数える「全国高校選抜ラグビー大会」。31日(月)は、いよいよAグラウンドで決勝が行われ、「春の王者」が決定する。

決勝に残ったのは、5度目の優勝を伺う関東新人大会王者の桐蔭学園(神奈川)と、初の日本一を狙う近畿大会2位の京都成章(京都)となった。まず両校の今大会の勝ち上がりを見てみたい。

◆桐蔭学園
・1回戦:57-15 早稲田佐賀(佐賀)
・2回戦:46-33 常翔学園(大阪)
・準々決勝:43-17 東海大相模(神奈川)
・準決勝 :17-0 御所実業(奈良)

◆京都成章
・1回戦:19-12 目黒学院(東京)
・2回戦:41-12 長崎北陽台(長崎)
・準々決勝:34 -24 京都工学院(京都)
・準決勝 :22-5 東福岡(福岡)

花園2連覇中の桐蔭学園は雨中の準決勝こそ、3トライしか挙げられなかったが、準々決勝までは各試合で40点以上を挙げた、FW(フォワード)、BK(バックス)一体となった展開力が武器だ。

キャプテンHO(フッカー)堂薗尚悟、PR(プロップ)喜瑛人、NO8(ナンバーエイト)足立佳樹(いずれも2年)ら、花園優勝経験のあるFWのボールキャリーが軸だ。

花園でも活躍した桐蔭学園CTB坪井。プレースキッカーも務める

SH(スクラハーフ)竹内楓稀、SO(スタンドオフ)竹山史人(ともに2年)がゲームをコントロールし、花園でも活躍したCTB(センター)坪井悠(2年)はスキルが高く、1年生の大型CTB古賀啓志も縦に強い。

ボールキャリーに強みを見せ、大会6トライを挙げているHO堂薗キャプテンは「スペースにボールを運び続け、そのスペースを共有して、常に自分たちが意志を持ってしゃべり続けることが大事になってくる」。

「決勝だからといって、そんなに固くならず、どうやりたいかを話してミーティングで話したことを60分間、徹底したい」と意気込んでいる。

本来はSH志望だが「両方極めたい」と、SOを務める竹山は「決勝戦もどうやって戦うか話し合って勝ちたい。(5試合目で)体力的にもみんなきつくなってきているが、その中でも走り勝ちたい」と話した。

京都成章はタックル、接点で強みを見せる京都成章

一方の京都成章、準々決勝で対戦した京都のライバル京都工学院には3トライ奪われたが、1~2回戦は2トライ、準決勝は1トライしか失わなかった伝統のディフェンスが武器だ。まずは個々が前に出る激しいディフェンスで、やはり攻撃力のある相手を3トライまでに抑えたいところだ。

特別大型な選手はいないが、FWは副将のLO(ロック)土肥祐斗、HO米本啓太朗(ともに2年)ら献身的な選手が中軸となっている。BKはアタックが光る攻撃的SH佐藤啓護、ゲームコントロールに長けたSO岡元聡志、プレースキッカーも務めるCTB森岡悠良(いずれも2年)らが引っ張る。

京都成章のSO岡元 姉はサクラセブンズの岡元涼葉

準決勝はキックとパスでチームを勝利に導いたSO岡元は、「桐蔭学園さんは花園2連覇していて、めちゃくちゃ強いと思う。自分たちはチャレンジャーとして、アグレッシブにいきたい」と語気を強めた。

また、副キャプテンのLO土肥は「決勝は厳しいゲーム展開になると思うが、悲願の初優勝を成し遂げて、関崎大輔監督を胴上げできるようにがんはりたい」と前を向いた。

両者が選抜大会の決勝で対戦するのは、2017年の第18回大会以来のことで、この時は桐蔭学園が42-12で勝利し、選抜大会初優勝を飾った。

なお、両校は選抜大会では過去5回戦っており、桐蔭学園が5勝0敗だ。花園では桐蔭学園が優勝した、2020年度の決勝(○32-15)を含めて2度対戦し、やはり桐蔭学園が2勝0敗だ。

15人制の全国大会で京都成章に7連勝中の桐蔭学園が、持ち前のつなぐラグビーで勝利し、2023年以来5度目の春のタイトル奪取なるか。それとも京都成章が桐蔭学園を全国の舞台で初めて下して、悲願の日本一に輝くことができるか。

試合は3月31日(月)11:00にキックオフされるが、いずれにせよ、この試合は今季の高校ラグビーを占う一戦になることは間違いない。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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