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ラグビー コラム 2025年3月30日

【ハイライト動画あり】桐蔭学園は御所実業に完封勝ち、京都成章は東福岡を1トライに封じて決勝進出。全国高校選抜ラグビー大会 準決勝

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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伝統のディフェンスが光った京都成章

3月23日(日)から埼玉・熊谷ラグビー場を中心に始まった、26回目を数える「全国高校選抜ラグビー大会」。3月29日(木)は、小雨が降る中、Aグラウンドで準決勝の2試合が行われた。

第1試合は、準優勝を2度経験している近畿大会3位の御所実業(奈良)と、9大会連続ベスト4進出で、関東新人大会王者の桐蔭学園(神奈川)が激突した。

インゴールでトライを防いだ桐蔭学園

試合序盤、御所実業が、SO(スタンドオフ)中俣翔太(2年)のキックで、相手陣でチャンスを得た。前半3分、相手陣奥からのラインアウトから、PR(プロップ)藤井威吹(2年)がインゴールに持ち込んだが、桐蔭学園がディフェンスで粘り、ボールのグラウンディングを阻止した。

13分を超えると、ようやく桐蔭学園が相手陣で戦う時間を増やした。17分、5mスクラムからボールを継続し、最後はSO竹山史人(2年)からパスを受けたキャプテンHO(フッカー)堂薗尚悟(2年)がトライを挙げて、5点を先制した。

19分、御所実業はキックチャージからチャンスを得たが、トライに結び付けることができなかった。すると25分、桐蔭学園は相手陣奥でスクラムの反則を誘って、スクラムを選択。FW(フォワード)、BK(バックス)一体となってボールをつないで、WTB(ウィング)西本友哉(2年)が左隅にトライ。リードを10点に広げた。

さらに前半のロスタイム、中央右から桐蔭学園がPG(ペナルティゴール)のチャンスを得たが、CTB(センター)坪井悠(2年)が決めることができず、そのまま10-0で前半を折り返した。

2トライを挙げたHO堂薗キャプテン

後半は15分まで拮抗した状態が続いた。16分には御所実業が、相手陣奥でチャンスを得たが、トライにはつながらなかった。すると、21分、桐蔭学園が相手陣奥で、スクラムを起点にFWにこだわり、HO堂薗が2本目となるトライを挙げて、17-0とリードを広げた。

試合はそのまま、チャンスでしっかり得点を挙げて、ディフェンスでもトライラインを割らせなかった桐蔭学園が、御所実業を下し、10度目の決勝進出を決めた。

第26回全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会

【 ハイライト動画】準決勝 東福岡 vs. 京都成章(3月29日)

得意のモールで攻めきれなかった御所実業のキャプテンNO8(ナンバーエイト)津村晃志(2年)は「雨の中、相手のセカンドマンや、ルーズボールに対しての反応で負けてペースをつかめず、やりたいラグビーができなかった。それぞれの考えていることがバラバラになってしまった」と肩を落とした。

勝利した桐蔭学園のHO堂薗キャプテンは「雨でチームの中でミスも想定して、どう攻撃するか話し合った中で、敵陣でプレーしようとしたが、前半は自分たちのミスで、自陣でプレーすることが多くなった」。

「ただ、規律やディフェンスで身体を当てることができて我慢できた。(2トライを挙げたが)みんながつないでくれて、自分の強みであるボールキャリーを徹底してやった」と振り返った。

準決勝第2試合は九州大会Bパート優勝の東福岡(福岡)と、近畿大会2位の京都成章(京都)が激突した。

前半序盤は京都成章が攻め込むが、相手のディフェンスの前に得点に結び付けることができなかった。17分、東福岡は裏へのキックからチャンスを得たが、WTB八尋奏(1年)がノックフォワードしてしまいトライできなかった。

それでも東福岡は19分、相手陣15mのラインアウトからモールを形成、そのまま押し切ってHO早坂悠吾(2年)が左中間にトライを挙げて5点を先制した。24分、京都成章も反撃。相手陣22mライン付近からモールを形成、そのまま押し切って、HO米本啓太朗(2年)が左端にトライを挙げて、5-5の同点に追いつく。

さらに30分、京都成章はスティールから再び、相手陣奥で好機を得て、モールを形成。再びHO米本が飛び込んでトライ。10-5としてハーフタイムを迎えた。後半の序盤は、東福岡は途中出場のSO橋場璃音(1年)、京都成章はSO岡元聡志(2年)がキックを蹴り合い、スコアボードが動かなかった。

10分、京都成章が蹴り勝って、相手陣20mラインアウトからモールを形成し、反則を誘った。11分、再び5mラインからモールを押し込み、HO米本がハットトリックとなるトライを決め、CTB森岡悠良(2年)がゴールを沈めて、17-5とリードを広げた。

勝利を決定づけるトライを挙げたCTB森岡

東福岡がなかなか相手陣で攻めることができない中、24分、京都成章はハイパントキックを再び獲得しチャンスを得た。SH(スクラムハーフ)佐藤啓護(2年)が抜けだし、左に展開、BK陣がショートパスをつないで、最後はCTB森岡が飛び込んでトライ。22-5として勝負を決めた。

その後も東福岡は京都成章のディフェンスの前に得点を挙げることができず、そのままのスコアでノーサイド。京都成章が、2017年の18大会以来となる2度目の決勝進出を決めた。

第26回全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会

【ハイライト動画】準決勝 御所実業 vs. 桐蔭学園(3月29日)

アタック力を活かせず、1トライしか挙げられなかった東福岡のキャプテンNO8須藤蒋一(2年)は「雨のコンディションで自分たちのミスが多かった。ただ、それは相手も一緒なので、ベーシックな部分が相手より低かった。春の段階で今の自分たちの立ち位置がわかった。まだ伸びシロがあるので、もっと成長していきたい」と先を見据えた。

武器であるディフェンスが光り、モールを含めて4トライで勝利した京都成章のゲームキャプテンLO(ロック)土肥祐斗(2年)は、「『アタック対ディフェンスや』、と監督に言われていた」。

「東福岡さんはアタックのイメージが強いと思うが、僕たちは伝統の「ピラニアタックルを復活させるぞ、という意気込みでやった。近畿大会でモール、スクラムが課題点で出たので、選抜大会まで3週間みっちりやってきた成果が出せた」と破顔した。

3月31日(月)の決勝は、5度目の優勝を狙う桐蔭学園(神奈川)と、初優勝を目指す京都成章(京都)の激突となった。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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