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毎回熱戦の注目カード!6位「横浜キヤノンイーグルス」×11位「トヨタヴェルブリッツ」。ジャパンラグビーリーグワン2024-25第13節交流戦
ラグビーレポート by 多羅 正崇
直近3試合は、いずれも4点差以内での決着。今節も激戦が展開される注目カードだ。
ディビジョン1(D1)第13節。
セカンダリーホストエリアである大分県で、今季初にして唯一のホストゲームを行うのが、6位の横浜キヤノンイーグルスだ。
3月30日(日)の舞台は、クラサスドーム大分(旧レゾナックドーム)。迎え撃つ相手は11位(2勝1分9敗)のトヨタヴェルブリッツだ。
現状6位のイーグルスは、トップ6(プレーオフ進出圏内)の維持、そして悲願の初優勝へ向けても白星を重ねたい一戦となる。9位リコーブラックラムズ東京との勝点差は「5」で、この試合の結果如何で順位を落とす可能性がある。
Optaによると、イーグルスはヴェルブリッツとのリーグ戦直近5試合で4勝1敗。それ以前の8試合では1勝7敗と大きく負け越しており、近年のイーグルスの躍進がうかがえる。
しかし、リーグ4年目の今季はここまで5勝7敗と黒星先行。第9節では三重ホンダヒートに17-20で惜敗し、第11節ではブラックラムズに20-27で敗戦。実力差が縮まったD1で厳しい戦いを強いられている。
前節はクボタスピアーズ船橋・東京ベイに24-41で競り負けて7敗目。前半から再三自慢のアタックを仕掛けたが、スピアーズの鉄壁守備に阻まれた。
田村優の通算1000得点など明るい話題もあったが、試合後の沢木敬介監督は修正点について言及。10点差(24-34)に詰め寄った後半34分、追撃したい場面でリスタート後にソフトなトライを許した場面も痛かった。
「(トライ後すぐに失点してしまう点については)メンタルの部分もありますし、全員が同じ絵を見られていません」と指揮官は言った。
「大事な場面で、そういうつながりが感じられないです。一人ひとりが意識することは前提として、誰がリードするのか。同じ絵を見せるために、どういう形を取るかを今週しっかり準備したいと思います」(イーグルス、沢木監督)
勝敗を左右する場面で、チームとして「同じ絵」を見られるか。大事な一戦に臨むメンバーは、先週から先発7名の変更があった。
実力拮抗のD1で、今季苦戦を強いられているチームのひとつがヴェルブリッツだろう。白星は第4節ブラックラムズ戦、第10節浦安D-Rocks戦の2つに留まっている。
怪我人続出の影響は少なくない。今月3日(第10節試合後)の記者会見では、スティーブ・ハンセンHCが「トップチームでプレーしていた選手が12人も怪我をしてしまい、一貫してプレーしていた10番の選手も離脱する非常に困難なシーズンになっています」と吐露していた。
BR姫野和樹主将をはじめ、シーズン離脱が発表されたSO松田力也、SO/FBティアーン・ファルコンなど。調整中のFLピーターステフ・デュトイは4月中の合流見込みという。
三菱重工相模原ダイナボアーズに今季連敗(22-31)を喫した前節は、途中出場した小村が卓越したラン、球際の細かなスキルでチャンスを創出。強烈な光を放った。
「(青木と小村は)ここ2、3試合はベンチスタートもあった中で非常に好調ですが、まだまだ伸び代があります。とはいえチームとして個人に焦点を当て過ぎずに、チームとして、組織として話をしていくことが重要です」とスティーブ・ハンセンHCは語った。
ただ元NZ代表指揮官は、他方でチームが若いことによる影響もある、と同じ会見の中で語った。内容が良くても勝てない要因はメンタルか技術か、という問いに対して「両方です」と話した。
「実行力が発揮できていないときの要因は2つあります。『相手のプレッシャーによるもの』と、『自分たちで自分たちにかけているプレッシャーによるもの』です。後者に関しては結果が付いてきていないことで、より自分たちに重圧を掛けてしまう状況にあります」
「同時に、チームは非常に若いメンバーが出ていて、姫野や(ウィリアム・)トゥポウなどのシニアプレーヤーがいません。そういったメンバーがよりチームのパフォーマンスを発揮するための要です」(ヴェルブリッツ、ハンセンHC)
7人先発変更の今節は、34歳のベテランHO彦坂圭克が戻り、地元大分県出身(由布高校卒)のPR木津悠輔、LOリッチー・グレイ、慶應義塾大卒のNO8アイザイア・マプスアがスタメンへ。
高度なスキルはすでに証明済みだが、スタンドオフの重要な役割はゲームコントロール。経験値を補ってくれるSH茂野と共に、リーグワンのプレッシャー下でチームを助ける判断を続け、第10節以来の3勝目に貢献することはできるか。
毎回熱戦を展開する両雄。見どころの多い「イーグルス×ヴェルブリッツ」のキックオフは13時5分だ。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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